Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

MHIクルー初漕ぎ:

今日は懐かしい顔ぶれが揃い、エイトを組んで出艇した。エイトのメンバーは60代の男性5名+女性1名+若手(30台、40代)2名の漕手、と体重80kgのおやじCOXが舵を引いた。(もう1名の女性の参加者は、サイドの関係で1Xを漕いで頂いた。) おやじがエイトのC…

お花見レガッタ2Xの練習:

MHIの初漕ぎ会は10時からであり、折角戸田に行くので、早めに艇庫へ行き、S氏と2Xの練習をした。乗艇前に下記のリギング調整を行った。 前回乗艇時に、フィニッシュでBow(おやじ:身長174cm)と整調(S氏:身長182cm)のブレードが近い、即ち体の小さいおや…

MHIボート部初漕ぎ会

本日、会社(MHI)ボート部の初漕ぎ会があった。昨年1年間は全三菱レガッタ以外はLBRCの活動に専念していたのでMHIボート部の行事に参加するのは久し振りである。 今日はカメラを持っていったのだが、写真を撮り忘れてしまった。右上の写真は2月6日のMBC初漕…

J)流体力係数Cnの変化:

最後にストローク中にブレードの流体力係数(ブレードの固定度合い)Cnを変化させるシミュレーションを行った。Cnの変化は、下記の3ケースで実施。: ストロークの全般に亘りCnを変化させた場合、 ストロークの前半でCnを変化させた場合、 ストロークの後半…

I)フォワード中の漕手重心移動(FWDの出し方):

次に、フォワード過程で、フィニッシュ直後、直ぐに重心を加速する、即ち、スライドを出すタイミングを早める場合についてシミュレーションした。Originalと今回のModifiedのケースの重心加速度の変化と艇速・効率のシミュレーション結果を下図に示す。低速…

H)ストローク過程の漕手重心移動(キャッチでの上体の使い方):

VPPでは、オールの振り角に対する漕手の重心移動の加速度変化を入力値としている。 先ず、ストローク過程での重心移動の変化に対する艇速・効率の変化をシミュレーションした。具体的には、キャッチ直後のドライブを脚だけを使って漕ぐOriginalのケースに対…

G)ハンドルを引く力:

それぞれのGroupにおいて、レートを固定したまま、ハンドルを引く力をOriginalに対して、−10%から+10%まで5%刻みで変化させて、シミュレーションした。Originalの状態に対して、艇速及び効率の変化を上図に示す。ハンドルを引く力を増加すると、系に対する入…

F) ハンドルの引き方(ストロークポイントの変化)

漕手がハンドルを引く力Fhは、オールの振り角θの関数としてVPPに入力している。このFhについて、 前半重視:キャッチからミドルまでのストローク前半において、Fhが比較的大きくなる様に漕ぐ。 後半重視:ミドルからフィニッシュまでのストローク後半…

パラメーター:

本日は、下記のパラメーターを変化させた場合の艇速、効率変化について解説する。 F) ハンドルの引き方(ストロークポイントの変化) G) ハンドルを引く力 H) ストローク中の漕手の重心移動(ボディースウィングのタイミング) I) フォワード中の漕手の重心…

木下研論文解説(その3):VPPを用いた漕法、オールの改良(後編)

木下研究室論文解説、その3、「ローイングVPP(艇速予測プログラム)を用いた漕法、オールの改良について」について、昨日の後編を纏める。

D)アウトボード長さの変化とE)振り幅(レンジの変化):

前述のオールの梃子比pを変化させた場合では、オールの振り角も変化してしまうため、両者の影響が混在している。ここでは、インボードの長さを変えずに、アウトボードの長さのみを変更した場合と、オールの振り角(レンジ)のみを変更した場合の両者のシミ…

C)オールの長さ比(梃子比):

オールの全長を固定したときに、インボードとアウトボードの長さの比pを下の式で定義する。 p=Lin / (Lin + Lout) 但し、Lin:インボード、Lout:アウトボード pをOriginalに対して±3%変化させて、シミュレーションした結果を上図に示す。今回のシミュレーショ…

B)ブレード面積

ブレードの面積をOriginalに対して±10%変化させて、シミュレーションした結果を下図に示す。(ブレード形状は何れも相似形で変化させた)今回のシミュレーション速度4グループの何れの速度粋においても、ブレードの面積を大きくした方が、艇速、効率共に改善…

A)オールシャフトの剛性:

オールシャフトの剛性(硬さ)をOriginalに対して±10%変化させたが、シミュレーションの結果、艇速や効率はOriginalと殆ど変化が無かったとのことである。 おやじの考えでは、ストローク中に滑らかな推進力を得る為には、ある程度シャフトの撓りが必要である…

VPPシミュレーションに用いたパラメーター:

VPPへの入力値や種々のパラメーターを変更することで、艇速や機械的効率の変化を調べ、どのパラメーターが大きく影響するのか、また、どのように変化させれば艇速の向上につながるのかを評価する。以下、本論分で変化させたパラメーターを記す。 A) オールシ…

論文の目的と解説:

緒言より、「漕艇は、船体・ストレッチャー・スライディングシート・リガー・オールといった、多くの用具を使用する。それぞれの用具の寸法・特性をどのようにすれば、漕手のパフォーマンスをよりよく引き出すことが出来るか、あるいは漕手がどのように漕げ…

論文の一般情報:

著者:小林 寛、木下 健 日本造船学会論文集194号、PP75-81、2004年

木下研論文解説(その3):VPPを用いた漕法、オールの改良(前編)

本日は、木下研究室論文解説、その3、「ローイングVPP(艇速予測プログラム)を用いた漕法、オールの改良について」を解説する。

VPPシミュレーション結果と実艇データの対比:

実艇実験に対して、このVPPによるシミュレーションを行い、両者を比較した。下図は、Group Dについて、キャッチ→フィニッシュ→フォワード→キャッチ前にいたる1ストローク中の船体速度(船体のみであり、漕手と艇を合成した全体系ではない)の変化をシミュレ…

シミュレーション入力値と漕手の運動パラメーター:

このシミュレーションを行うためには、入力値としてハンドルを引く力と漕手の重心位置変化の2つが必要である。ハンドルを引く力については、実艇実験で計測した値を用いた。(上図)オールの振り角のレンジについては、各計測でバラつきが生じているため、シ…

実艇実験の要点:

実艇実験は、1997年12月に戸田ボートコースで行われた。以下の項目を計測した。 クラッチ軸に加わる力 オールのベンディング オールの振り角 漕手がストレッチャーを蹴る力 艇の加速度 艇の平均速度 実験は、設定した船体速度を被験者(現仙台大学監督のA氏…

論文の要点と解説:

本論文は、漕艇運動について、漕手が出力する力、即ち、オールのハンドルを引く力と、スライディングシートと漕手の上体移動等による漕手の重心位置の変化を入力値とする時系列シミュレーションを確立することを目的としている。これは漕手の「筋力」及び体…

論文の一般情報:

著者:小林 寛、木下 健 日本造船学会講演会論文集 第1号, 2003年

木下研論文解説(その2):艇速予測プログラム(VPP)

本日は、木下研究室論文解説、その2、「ローイングVPP(艇速予測プログラム)の構築について」を解説する。

平板の抗力係数試験結果:

流速の中に置かれた平板の過重(抗力)Fは次の式で表される。 F=Cn * 1/2*ρ*U^2*S (但し、ρ:水の密度、U:流体との相対速度、S:平板の面積) 上の式のCnが平板の流体力係数=抗力係数を示す値である。このCnが大きい程、ブレードの発生する流体からの抗力が…

平板の設定パターン:

実験は、平板を水面すれすれに一枚の深さで浸けたCase A、 平板上端を10cm没水させたCase B、10cm没水させた上で、自由表面の影響をが及ばない様に水面を遮蔽板で蓋をしたCase Cの3ケースで実施した。 Case Aの状態では、流れの後方の負圧面に自由表面から…

水槽試験装置の概要:

下の図が、水槽実験装置の概要である。幅1.8m、水深1.0mの条件の回流水槽の中にスカルのブレードと同じ面積の平板(アスペクト比=縦横比も同じ)を、強制動揺装置(ロードセル)の下に水中にぶら下げたもの。オールの回転運動・周期を模して、ロードセル…

論文の要点と解説:

右上の挿絵に示す通り、ローイング中のオールは、ブレードが弧を描くような動きをしながら、水の抗力をオールのシャフトとクラッチを介して推進力を発生している訳であるが、このブレードの発生する非定常な力=流体の抗力を、運動力学の算式、実艇試験、水…

論文の一般情報:

著者:小林 寛、木下 健 日本造船学会講演会論文集 第1号 pp.99-100, 2003年

木下研論文解説(その1):オールに加わる流体力

本日は、木下研究室論文解説、その1、「オールに加わる流体力の非定常性について」解説する。