Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

I)フォワード中の漕手重心移動(FWDの出し方):

次に、フォワード過程で、フィニッシュ直後、直ぐに重心を加速する、即ち、スライドを出すタイミングを早める場合についてシミュレーションした。Originalと今回のModifiedのケースの重心加速度の変化と艇速・効率のシミュレーション結果を下図に示す。低速域においては、Modifiedのケースは艇速・効率が悪化しているが、艇速の速いGroup−Dでは艇速・効率ともにModifiedのケースが改善している。Group-Dでの艇速改善は0.5秒/500mで、僅かではあるが、2分/500m以上の高速域ではこの艇速改善量がさらに増加すると考える。おやじは大学時代に、前述のキャッチ時の上体の振りと併せて、このスライドを出すタイミングを早める漕法を実践して成功している。狙いは、次の通り:

  • SR35以上のレースペースとなると、フォワードの時間は短くなり、ここで如何に休めるかがポイントとなる。
  • フィニッシュで体を止めている時間を長くすると、スライドに使う時間が短くなり、ラッシュフォワードとならざるを得ず、結果として加速・高速フォワードによりFWD中に船体速度が増加し、結果として水中抵抗の増大=全体系の艇速低下を引き起こす。
  • 同様にキャッチ前のFWD速度が速いため、キャッチ時の上体の速度反転、即ち、重心加速度が過大となり、大きなピッチング動作を生じるとともに、忙しいキャッチ動作で、正確なキャッチが出来なくなるという悪循環となる。
  • 上記の悪循環を避けるため、クイックHands Awayに引き続き、出来るだけ速いタイミングでスライドを開始することで、スライドの時間を長くとり、スライドスピード(漕手の重心移動速度)を低めに抑えることで、FWD中の休息を十分とると同時にFWD中の艇速増大を最小限に抑える効果を狙った。
  • また、キャッチ前の上体の急激な速度転換=加速度を避けるために、スライドの終盤1/4位を使ってFWDの速度を減速させて、次の正確なキャッチまでの準備時間を長めにとる事で、正確で強いキャッチを狙った。