3月末から段階的に行なっているCG号(五洋本田製CG125FI, 型式WH125-19)のエンジンO/Hです。
本日のオドメーター走行距離は119,374km。
以下、本日までのO/H経緯:
3/30: バルブステムシールのみ交換。オイル消費は改善されず。
4/8:クラッチO/Hで、フリクション板は新品に交換。結果、クラッチの滑りが完全に解消さました。(O/H成功です)
4/20(本日):オイル上がり解消目的で腰上を本格的にO/H実施。オイル上がりはピストンのオイルリング溝にあるオイル戻し穴のスラッジ詰まりが原因であった事が判明。穴を復活させると共に、ピストンリングセットとバルブを新品(純正品)に交換。
以下、本日のO/Hの内容を写真付きで時系列に記載します。
1.朝一で、マイカーで実家に行き、腰上O/Hに必要な特殊工具類や、パーツ類を載せ、CG号O/H場所の自宅へ持ち帰り。
2.朝9時前にO/H作業の準備開始
3.先ずシート、燃料タンクを外し。
併せて、エンジン腰上バラし時に邪魔になる燃料ポンプの固定ボルトを外して少し後ろへ移動。
4.スロットルボディーとシリンダーヘッドの接続を解除。併せて、油温センサー及び酸素センサーの電線カプラーを外す。

5.クランク軸を回して、圧縮上死点に設定。
6.エンジンヘッドカバーを外し、ロッカーアームユニットを外し、プッシュロッドを引き抜きます。(吸排気を分けて保管)
ヘッドカバーを外しました。
ロッカーアームユニットを外しました。プッシュロッドも外します。
7.シリンダーヘッドを外し、シリンダヘッドのカーボン汚れを観察。
シリンダーヘッドを外しました。
シリンダーヘッドのカーボン付着状況。3/30時より悪化している感じです。
8.シリンダーを外し、シリンダー内部の状況を観察。
シリンダー内部は汚れや引っ掻き傷は全く無くピカピカでした。
9.ピストンを外し、ピストン上部の汚れ観察
シリンダーを外し、剥き出しになったピストン。カーボンの付着は3/30時より悪化していました。
クリップを外し、ピストンからピンを引き抜き。8mmディープソケットで押し出しました。
10.ピストンからリングを外し、リングの厚さ等をノギスやシックネスゲージで計測。
リングの合口隙間をシックネスゲージで計測
測定した結果は以下の通り。数値はマニュアル規定値内でありピストンリングは未だ健在でした。:
Top Ring: 厚み0.75mm, 幅:1.95mm、シリンダー内での合口隙間:0.14mm(規定値:0.10~0.25mm内であり健全)
2nd Ring: 厚み0.75mm, 幅:2.20mm、シリンダー内での合口隙間:0.14mm(規定値:0.10~0.25mm内であり健全)
レール: 厚み0.25mm, 幅:1.35mm、シリンダー内での合口隙間:0.4mm(規定値:0.2~0.7mm内であり健全)
11.ピストンリングを外したところ、オイルリング溝に穴が8カ所空いているが、内、5個の穴がスラッジで詰まっていることが判明。この穴はオイル戻り穴。この穴が詰まっていることが、オイル上がりの原因であった事が判明。
直径1mmφ程度の細い穴です。掃除は先の尖った安全ピンの針で穴を貫通させました。
エンジンコンディショナーをピストン内部に噴霧してスラッジを溶かしながら、もう少し太めの針金であるゼムピンを差込んで掃除をしました。これで8穴全てを復元しました。
ピストンの内側。オイルリング溝に貫通しているオイル戻り穴がスラッジで詰まって塞がっていました。(8穴中5穴が詰まり)
先ず細い安全ピンで穴を貫通。次にゼムピンを突っこんで穴掃除しました。
ピストンヘッドのカーボンもワイヤーブラシなどを使って掃除しました。
想像するに、オイル消費は徐々に悪化していたので、今回O/Hしなかったら、オイル戻し穴が全て塞がって、とんでもない事になっていたかも知れません。危ないところでした。
12.シリンダーヘッドのカーボンをエンジンコンディショナー+ワイヤーブラシ等で除去しました。
少しカーボンが残っていますが、まあ、この程度で良しとしました。
13.外したバルブの寸法をノギスで計測し、新しいバルブの寸法と比較:
左側の汚いのが外したバルブ、右の綺麗なのが新しいバルブ:
外したバルブの寸法と新品との比較:
排気バルブ:ステム径:4.95mm、長さ:92.65mm、傘径:23.0mm (新品数値=4.95mm, 92.6mm, 23.0mm)
吸気バルブ:ステム径:4.95mm、長さ:93.9mm、傘径:27.1mm (新品数値=4.975mm, 93.5mm, 27.0mm)
以上の通り、バルブ自体は磨り減っていない事が分かりました。(古いバルブの長さや傘径が新品より少し大きいのは傘に付着したカーボンの影響と思われる)
でも、傘にコッテリ付着したカーボンを除去するのは面倒なので、今回、新品に交換することにしました。
14.新バルブとヘッダーのバルブシートを擦り合わせしました。
擦り合わせ前のシリンダーヘッドのシート状況。排気側はカーボン付着で黒い。
擦り合わせ用コンパウンド(細目)をバルブに塗って擦り合わせしました。
最初はタコ棒を使いましたが、吸盤が弱く直ぐ外れるので使い物になりませんでした。
幸い、CG125のバルブは、裏側にステム(軸)が4cm近く突き出ているので、この軸を直接指先でつまんで、回しながら擦り合わせしました。
擦り合わせ後は、準備しておいた光明丹を塗ってチェックしました。しかし、良くわかりませんでした。
コンパウンドで擦ったシート面は色がネズミ色に変わっていたので、モノサシを使って目視でシート面の幅を図りました。結果1.5mm弱で、マニュアル記載の基準値=1.2mm~1.5mmに納まっていることを確認しました。
その後、バルブを入れた状態で、シリンダヘッドに灯油を注いで10分ほど観察しましたが、灯油の漏れは全くありませんでした。ということで擦り合わせ成功と見做しました。
灯油を使った気密性テスト
15.バルブ擦り合わせ完了後、ステムシール、スプリング座金、スプリング内外の2本、コッターリテーナーを装着。
コッターを取付けは、自作コッター取付け用具(17mmソケット)を使って、装着を試みました。
しかし、今回は上手く装着出来ませんでした。
何回かやっている内に、コッター1個が隣の家の砂利敷きの地面に落ちた音がしました。
落ちた場所は範囲が特定出来ているのですが、何せ砂利の中に入ったコッターを人間の目で見つけ出すのは困難です。
諦めて、近くのバイク屋に行き、バルブコッターを売って欲しいと伝えたところ、コッターの在庫はないので取り寄せになるとのこと。取り寄せると2週間程掛かるかもしれません。
そこで家に帰り、コッター捜索を実行しました。
ここで使ったのが先に強力な磁石が付いたピックアップツール。こいつを砂利の中に差込んでガシャガシャやること2分~3分。
何と、飛んでいったコッターが磁石にくっついていました。ラッキー!
磁石の先に小さなコッターがくっ付いています。
もう、コッターが無くなるのは避けねばなりません。
そこで、今回はバルブスプリングコンプレッサーを使ってコッターの取付けを地道に行ないました。
吸気側が割とすんなり納まりましたが、排気側は、何回か失敗し、10分くらい掛かって装着しました。
急がば回れですね。
コンプレッサーを使ったコッター装着。
16.この時点で新しいピストンリングが未だ自宅に届いていませんでした。
宅配便の荷物が何時に着くか分からないので、この時点で使い終えた工具類などを片付けたり、資源ゴミのゴミ出しなどをして時間を潰しました。1時間半程待つと16時半頃にピストンリングが届きました。
17.届いた新しいピストンリングの寸法を計測し、ピストンに取付けました。
測定した結果は以下の通り:
Top Ring: 厚み0.8mm, 幅:1.9mm、
2nd Ring: 厚み0.8mm, 幅:2.2mm、
レール: 厚み0.3mm, 幅:1.4mm、
結論としては、Topリングと2ndリングは、外した古いピストンリングと略同じ寸法でした。即ち、この2つは殆ど摩耗しなかった模様。
一方でオイルリングの薄いレール2枚は、古いリングは少し摩耗している様でした。
折角、準備したので、ピストンリングは一式セットで新しいものに交換することにしました。
届いた新しいピストンリングセット
整備したピストンにリングを装着しました。合口はマニュアル指定の120度間隔でずらしてセットしました。
18.後は、外したのと逆の工程で、再取付けしました。
割と難しかったのは、ピストンをシリンダーに嵌め込む作業です。ピストンリングをコンプレッサーを使って何とか入れ込みました。
ガスケットは純正品の新品に交換

最後にバルブクリアランスを0.05mmに再設定しました。
19.O/H作業の最終確認はエンジン起動テストです。
一発起動しましたが、最初はマフラー装着し忘れたままで起動したので、ポンポンと破裂音がして驚きました。
慌てて、マフラーを再装着。
無事に起動してO/Hを完了出来ました。
20260420 CG号OH後のエンジン起動の動画:
後片付けも含めて作業完了したのは19時近くで、屋外は既に暗くなっていました。
いやー、お疲れ様でした、俺!
以上




































































































































