Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

論文の要点と解説:

本論文は、漕艇運動について、漕手が出力する力、即ち、オールのハンドルを引く力と、スライディングシートと漕手の上体移動等による漕手の重心位置の変化を入力値とする時系列シミュレーションを確立することを目的としている。これは漕手の「筋力」及び体の動かし方である「漕法」の2つ、いわば漕手のパフォーマンスによって艇がどの様な運動を行うかを求める艇速予測プログラム(以下、VPPと称す)となるものである。
論文の結論は、こう書かれている。:
漕艇運動を、船体・漕手・オールの3つに分け、それぞれの運動方程式と全体の系のエネルギー方程式を解き漕艇運動を推定するシミュレーション法を開発した。シミュレーション中、オールのブレードに加わる流体力は過度影響による非定常特性を考慮に入れ推定を行った。「漕手のハンドルを引く力」及び「漕手の体重移動」を入力することで、即ち、漕手の身体の動きと発揮する力を入力することで、船体速度やオールの振れ角の推定をすることが可能となった。実艇実験の入力データから、実艇実験の船体速度が精度良く再現され、本シミュレーション法により漕艇運動を精度良く推定可能であることが確かめられ、VPPとして、漕艇運動の推定に有効であることが示された。
ということである。論文本文の詳細は割愛し、ここでは、この論文中でおやじが興味を持った、実艇試験結果の要点と、シミュレーション結果と実艇データの対比について、紹介したいと思う。(詳細内容は論文本文を読んで頂きたい)