Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

J)流体力係数Cnの変化:

最後にストローク中にブレードの流体力係数(ブレードの固定度合い)Cnを変化させるシミュレーションを行った。Cnの変化は、下記の3ケースで実施。:

  1. ストロークの全般に亘りCnを変化させた場合、
  2. ストロークの前半でCnを変化させた場合、
  3. ストロークの後半でCnを変化させた場合、

このシミュレーション結果を下図に示す。この結果より、Cnの向上による効率改善は、ストロークの前半を改善した方が、後半で改善するより効果が高い結果となっている。即ち、ブレード形状の改善でブレード固定を改善(=効率改善)を狙う場合は、キャッチハーフでのCn改善を狙って工夫すべきである。昔、木製オールの時代に筑波大学クルーがブレード先端が大きくせり上がった大きなキャンバー付きのブレードで漕いでいたが、VPPシミュレーションにより、この狙いが正しかったことを、証明していると考える。

VPP論文の解説はこれにて完了する。
VPP論文は、ボートの効率改善に関して、非常に良い勉強の材料となった。
木下教授以下の木下研究室の皆様の研究に感謝。

以上