Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

F) ハンドルの引き方(ストロークポイントの変化)

漕手がハンドルを引く力Fhは、オールの振り角θの関数としてVPPに入力している。このFhについて、

  • 前半重視:キャッチからミドルまでのストローク前半において、Fhが比較的大きくなる様に漕ぐ。
  • 後半重視:ミドルからフィニッシュまでのストローク後半において、Fhが比較的大きくなる様に漕ぐ。

に大別することが出来るので、それぞれの場合について、シミュレーションを行った。下図にVPPに入力したFhカーブを示す。実線が後半重視、破線が前半重視である。
実艇実験では、艇速の遅いGroup Aが後半重視(艇速を遅くキープするために前半を流さざるを得なかったと、おやじは推測する)、相対的に艇速の速いGroup Dは前半重視(艇速を早くするためには、前半から確り押す必要あり)の傾向のデータとなっている。このFhカーブをそれぞれ、後半重視、前半重視のパターンとして、他のグループに適用した。尚、漕ぎ方パターンが変っても、1ストローク中の仕事量がOriginalと変らぬ様に、オールの振り角に対するFhの変化を定めた。
このシミュレーションの結果は下図の通り、艇速の変化は有意な差は見られなかったが、低速域では後半重視の方が僅かに低速・効率共に改善する傾向が見られる。一方、レースペースに近いGroup Dについては、後半重視にすると、僅かに低速が悪化する傾向となっている。
レースペース(2分/500m以上の高速)をキープするためには、前半から確りと押さないと艇速が出ないので、自ずと前半重視の漕ぎにならざるを得ないとおやじは考える。前半重視・後半重視等、漕ぎ方を選べるのは、せいぜいSR25以下の低負荷の領域までと考える。

F)ハンドルの引き方の変化と、G)ハンドルを引く強さを変化させた場合の艇速及び効率変化のシミュレーション結果: