Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

G)ハンドルを引く力:

それぞれのGroupにおいて、レートを固定したまま、ハンドルを引く力をOriginalに対して、−10%から+10%まで5%刻みで変化させて、シミュレーションした。Originalの状態に対して、艇速及び効率の変化を上図に示す。ハンドルを引く力を増加すると、系に対する入力エネルギーが増加するため、当然ながら艇速が増加する。一方、効率の変化を見ると、ハンドルを強く引くと艇速は増加するが、推進効率が悪化する結果となっている。これは、強く漕ぐことでブレードの過重が増加し、スリップが増加することによるオールの推進効率悪化が原因と考える。これらを総合して、ハンドルを引く強さ±10%に対して、艇速の変化は±3%になる結果となっている。(スタートダッシュや、脚蹴り時は多少効率が落ちても艇速増を優先させるために、躊躇せず、強く押す必要があるのは言うまでも無い)
さて、上記の結果を踏まえた、おやじの持論を述べたい。強く漕ぐとブレードのスリップにより推進効率が悪化する訳であるが、これを最小限に止め、効率良く漕ぐ為にどうすればよいのか?これは、同じ仕事量をするのであれば、キャッチからフィニッシュに至るハンドルの引きの強さをできるだけ平準化し、凸凹を無くすことで、ブレードがスリップする原因であるブレードを押す力のピークを平準化することが最も有効とおやじは考える。おやじが良く述べる、オールのベンドカーブが綺麗で面積の大きい一山を描く様に漕ぐというのはこの考えに基いて言っていることである。(ベンドカーブについては、別途詳報する予定。)漕ぎ方以外で、効率悪化を防止する対策としては、本解説の前編で述べた通り、ブレード面積の大きいオールを選択したり、梃子比を重くすればブレードの過重が下がり、スリップを少なくすることが出来る。これはクルーの漕力次第である。