Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

D)アウトボード長さの変化とE)振り幅(レンジの変化):

前述のオールの梃子比pを変化させた場合では、オールの振り角も変化してしまうため、両者の影響が混在している。ここでは、インボードの長さを変えずに、アウトボードの長さのみを変更した場合と、オールの振り角(レンジ)のみを変更した場合の両者のシミュレーションを行い、個々の変更が及ぼす影響を調べた。
D)アウトボード長さ:インボード長を一定とし、アウトボード長をOriginalに対して±3%変化させた場合のシミュレーション結果を下図に示す。全ての艇速域でアウトボードを長くした方が、艇速も効率も改善している。Group Dでの艇速改善は0.46%、500mペース換算で0.62秒で、有意性としては微妙な改善である。一方、スカルのアウトボードをOriginalで200cmと仮定すると、3%長くすると、206cmとなる。要するにオールの全長を6cm長くするということであるが、Originalの全長289cmと仮定すると、295cmである。これだけ全長を長くすると、水中が相当重くなって、レートがキープできなくなるとおやじは考える。おやじの考えでは、前述のC)での考察同様に、レートをキープし、引き切れる限り、梃子比を重くすることが艇速改善に繋がると考える。
E)振り角(レンジ):オールの長さを固定し、キャッチからフィニッシュまでのオールの振り角(レンジ)をOriginalに対して±3%変化させた場合のシミュレーション結果を下図に示す。尚、ハンドルを引く力は、ストローク中の入力エネルギーが変化しない様に振り角に合わせて変化させている。この結果を見ると、レンジを長くした場合の変化量よりも、レンジを短くした場合の艇速及び効率悪化が著しいという結果が出ている。3%レンジを切った場合のGroup Dでの艇速悪化は-1.41%、500mペース換算で1.90秒で、有意な艇速悪化である。当たり前のことだが、「レンジを切るな」と良く言われるのは、このことを経験的に知っているからである。

本日の考察はこれまで。