Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

レース序盤;無酸素→有酸素移行フェーズ

oyajisculler2010-03-25

昨夕、ボート関係のブログを種々読み漁っていたところ、北京五輪LW2Xに出場したK倉選手の公式ブログがJARA第二サイトのブログリンクに掲載されていた。

レース序盤で発揮される無酸素エネルギーと有酸素系エネルギーへの移行フェーズに関して、非常に参考になる情報が記載されていたので、ここで紹介したい。(K倉さん、申し訳ないが勝手に引用させて貰います)

経験上、レースでいつもスタートから200m過ぎたくらいから400mくらいまでの間が、呼吸が最も苦しく筋肉もすごく辛い、というのがわかっていた。スタートから200mくらいまではとにかく集中してポンポン速いリズムで軽く漕いでいけるのだけど、200m過ぎたあたりから急に脚の筋肉がものっすごい辛くなる。だけど、そこを過ぎてリズムが安定してくると、少し体が楽になって、一定のリズムで長距離を漕げるようになる。
このめちゃめちゃ辛い魔の200m〜400m区間はなんなんだ。と思っていたけれど、それは大学のスポーツ生理学の授業中に解明された。

筋肉へのエネルギー供給のしくみ。
スタート直後は、100m走みたいな感じで無酸素運動なのです。ATP-CP系。
ATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)とP(リン酸)に分解される際のエネルギーで供給。さらにCP(クレアチンリン酸)をC(クレアチン)とP(リン酸)に分解される時のエネルギーでATPを再合成。ATP-CP系。これが約8秒らしいです。その後、筋肉の中に貯蓄されているグリコーゲンを分解するエネルギーで供給。この分解は不完全なので、その産業廃棄物として乳酸が蓄積。乳酸性機構。約33秒らしいです。
その後、有酸素運動に切り替わり、酸素がグリコーゲンやら脂肪やら乳酸やらを分解してエネルギーを無限に供給。
この、乳酸が蓄積してきた無酸素から有酸素に替わるところが一番きっついと思うのです。
ゆっくりジョギングは長時間走ってもあまり息ははぁはぁしないけど、100m走とか200m走とか、微妙に全速力はきっついよという距離を全力で走った後はめちゃめちゃはぁはぁするでしょ?
体にたくさん酸素を取り込んでエネルギーを作ろうとしているわけですよ。

ついつい懐かしくて非常にマニアックになってしまいましたが。何がいいたいかと言うと。
スタートから200m〜400mくらいの間はすっごいきついけど、そこを過ぎれば有酸素になってちょっと楽になるよ。だから安心して頑張ろう。そこできついのは自分だけじゃなくてみんなそうだし、そこできつくてもそこでバテちゃうわけじゃないから。安心して。と自分に言い聞かせれば、レースをものにできる、ということです。
以上