Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

2.2000mレースのペース配分:

1)1Qは、無酸素運動から有酸素運動への移行フェーズ。ここで落とさない。

  1. スタート5本のエネルギー源はATP−CP。いくら飛ばしても疲労は残らない。即ち、飛ばさないと損。
  2. ハイピッチ10本〜250m通過付近までは、乳酸系無酸素運動。飛ばすと疲労感が出る。しかし飛ばさないと頭は取れない。
  3. 250m〜500mは、無酸素運動から有酸素運動への移行期で、むちゃくちゃ苦しいが、ここでスピードを落としては頭を取れない。即ち、ここで頭を取るには、この苦しさに耐える必要あり。1Qで頭を取るクルーは皆、ここで頑張っている。落してリードを取る事出来ない。ハイピッチ10本後、500 m通過までは一気にセトルダウンするのではなく、テーパー状に徐々にコンスタートへ移行する。これが出来ると500m通過時に”500m通過時って、こんなに苦しかったっけ?”という事が頭に過るがそれが普通。
  4. 500m通過後、600m当たりになれば、有酸素運動へ切り替わるので、上記の無酸負債のダメージは解消されてコンスタントモードへ移行する。

2)2Q,3Qは高速巡航:
エルゴ同様。タイムを出すには2Q,3Qの中盤で脚けりなどに頼らず、高速巡航する必要がある。高速巡航するには長い有効レンジでフィニシュまで1本1本確りと押す。このコンスタントの漕ぎは仏式のB1,B2などの低レートUT漕で培う。
また、ラストQはスパートフェーズなの で、3Qまでは1500m漕のつもりでコンスタントの力を出し切るイメージで確り漕ぐ。苦しくてもフィニッシュレンジを切ったり、ドライブの力を緩めたりしてはならない。

3)ラストQはスパートモード:
1500mでコンスタント出し切りのイメージで来ているので、1500m通過時に1枚上げ乃至は2枚上げを入れてレートを上げて行く。
時々、愚かなクルーがスパートを入れる前に艇速(出力)を一旦落としてスパートで上げ直すケースがあるが、これではダメ。スパートを入れる前も当然艇速が落ちぬ様に確りドライブする。
その後はラスト300m乃至はラスト250mで2枚上げなどを入れてスパートモードへ移行。1750m〜1850m付近がスパートでの最高速度となろう。その後は艇速を維持向上させるために更にレートを上げて対応。
未熟なクルーが、1900m〜ゴールに掛けて艇速を上げながらゴールして行くケースを見かけるが、これはスパートを入れるタイミングが遅れた結果。2000mレースのタイムを改善するには手前でトップスピードを出し、ゴール通過時は少し艇速が落ちるくらいでちょうど良い。