Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

インカレの総括:

チーム東大のフラッグシップであるインカレエイトの編成見直しに関する経緯は8月30日のブログに書いた通り。
http://d.hatena.ne.jp/oyajisculler/20160830#p1
エイトは予選、敗復で、軽い順風の好条件の下、他大学が軒並み6分を切っている中で、又しても3Q以降に失速し、予選、敗復共に6'12"という酷いタイムで敗復落ちした。
これは8月末時点でHCである私が危惧した通りの最悪の結果となった。
ずっと春先からの課題であるが、H28年度の対校チーム:上級生の問題である以下の要素が複合してこの結果となった。
即ち:

  1. フィニッシュ押切の改善に全力で取り組まなかった。一つの事例としては、W.Upに組み入れているフィニシュワークでの腕漕ぎや上体漕ぎでの艇速改善に取り組まず、単に”チャパチャパ漕ぎ”しているだけだった。この結果、フィニッシュの物理レンジ、有効レンジ共に短い、効率の悪い漕ぎとなった。
  2. フィニッシュワークやキャッチワーク時の低速環境では、素早く確りブレードで水を捕えた瞬間に発する”ドゥプン”、或いは”ボリン”というBell Note(水中から発する音)を出す様に指導しているが、これを出そうとする取り組み姿勢が全く不足していた。その結果、キャッチの精度が悪く掴みが遅いキャッチしか出来ていなかった。
  3. 低レートUT漕は、休まず長時間・長距離を、高いテクニックで、高速・高出力で漕ぎ続ける事が目的である。しかしながら、折り返しを要求されるポンドでの乗艇練習を見るに、折り返しで時間を掛けてモタモタする。また、折り返し後、UT漕に直ぐに入ることをせず、200mほどだらだらとライトワークをしてからUT漕に入る。また、折り返して前でも出来るだけ長く漕ごうとする意欲が見られず100m近く手前でイージーオールするなどのテイタラクが観察された。例えば競艇場ゲートが閉まっている時には1500mしか取れないが、上記の東大の下手なやり方だと、実質のUT漕は1200m程度しか取れない。日大や他校は極力1500mギリギリ取ろうとする姿勢がある。ここでも負けている。
  4. 日大、慶応や明大がSR18前後で1'42"〜1'45"/500mの高速で巡航している。(最近はGPS SpeedCaochが普及しており、コックスがマイクを介して艇速を読み上げるので、ポンド脇にいると容易に聞き取ることが出来る)これを東大エイトにFBして、同じ艇速を出す様に指導しているのだが、東大エイトの実態は、1'47"〜1'50"/500m程度。今回、インカレで東大エイトのタイムはトップクルーより20秒遅いが、正しく、UT漕の艇速の差がそのまま出ていた。
  5. 低レートUT漕の艇速を改善するには、有効レンジ、特にフィニッシュ有効レンジの拡大や、ボディースイングで確りドライブを加速する事が肝要あるが、この取組が甘かった。
  6. 1回1回の乗艇で本気で取組めば、出来が悪い時には当然ながら、艇上で発破を掛け合うものだが、そういう積極性が見らえなかった。
  7. 艇速・パフォーマンスの不調に対して、コックス1人がクルーの中で、イラつき・喚き散らし、漕手はこれを黙って受け流すのみという光景が散見された。

これに対して、2年生のジュニアエイトの方は、”勝ちたい”そして”勝つために必要な事はドンドンやる”という姿勢があった。特に8月の新人戦に向けたジュニアエイトのパフォーマンス向上にはコーチとして感心するところがあった。
また、シングルスカル:松垣に関しても、有効レンジの拡大、そしてフィニッシュ押し切り時のボディースイングを使った加速感のあるドライブに関して良く取り組んでいた。

この結果、今回のインカレでは、6'12"という酷いタイムで敗復落ちした上級生エイトに対して、ジュニアのみで編成した付きフォアとシングルスカル:松垣は確り決勝進出を達成する事が出来た。付きフォアと松垣は良く努力した。

要するに試合の結果は、既に日頃の練習取り組み姿勢の差を表すものだということ。

”練習で泣いて、レースで笑う”というのは、こういうことである。

さて、全く不調に終わった4年生であるが、今年は全日本が11月中旬に開催される。
ここに、以下に記す4つのクルーをエントリーする。

M4+:チーム東大のフラグシップとして出漕。優勝を狙う。
M8+:来年の東商戦エイトに向けて3年生以下の選手で編成。全日本に出漕して経験を積む。
M2+:上記2クルー以外の主に4年生メンバーで、全日本でメダルを狙えるクルーを編成出来れば出漕。
M1X:

H28年度の4年生は、11月の全日本でもう1回チャレンジする機会があるので、今度こそ、本気で取り組んで結果を残そう。
メダルを取れば、今までの不甲斐ない結果を一掃する事ができるかもしれない。

全日本に出漕しないメンバーは、これから直ちに小艇による冬場トレーニングに入り、来年度に向けて地道に基礎を固めて行こう。具体的には低レートUT漕に積極的に取り組もう。

以上