Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

新人戦、厳しい環境に晒され、経験不足が露呈

インカレ後、対校チームから安藤・菱田が戻り、8月末にジュニア期の総決算である全日本新人戦に向けてジュニアエイトを組んだ。付フォアがインカレ決勝に進出したこともあり、新人戦に向けモチベーション高く、良いトレーニングが積めたと思う。昨年度の反省で夏場にも週二回エルゴトレーニング継続し、9月のエルゴ最終計測までの累計で75kg換算クルー平均が6’42”と、昨年度クルーより4秒良いスコアを出した。新人戦決勝で6分を切るタイムを出す事を目標に、乗艇練習ではSpeedCoachの艇速を指標にしながら、荒川の良い環境で、良くトレーニングに打ち込んだ。但し、9月は他のチームが全日本選手権に向けた準備をしている期間であり、序盤の漕ぎ込み時期に他クルーとの並漕練習が出来なかった事は残念だった。いずれにせよ、コンデョションの良い環境では良い艇速が出ることは十分に確認できた。 さて、本番の新人戦レース。南南東の横風でやや逆風というコンディションの中、予選で6’10”を出し、予選全体トップタイムで準決勝に進出した。この10年で東大クルーが全国大会で予選全体トップタイムは聞いた記憶がなく、ジュニアエイト優勝への期待度が高まった。翌々日の最終日は、朝から本降りの雨が降り、また、気温も下がって厳しい条件となった。ジュニアは、こういった厳しい環境の中でレースを行うのは初めての経験である。また、絶対に決勝に進出しなければならないというプレッシャーもあった様だ。土砂降りの雨の中、ウィンドブレーカーやセーターなどを着てアップするというノウハウも無く、普段通りの着衣のまま岸を蹴った。アップ自体は艇速も出て悪くなかった。しかし、他のレースをやり過ごすために回漕レーンで待機した後、岸に近いところから不用意に漕ぎ始めたところ、水面下に浅く張っていたブイ張りワイヤーにフィンを引っ掛け、フィンを傷つけてしまった。ここでコックスが焦ってしまい、まだ時間的に早いにも関わらず、500mラインを通過して、ウォームアップの出来ないスタートゾーンに入ってしまった。この結果、長時間止まってスタートを待つ事になり、クルーはすっかり体が冷え切ってしまった。この状態で準決勝レースをスタートした。序盤は良く飛ばし1Qをトップタイムで通過したものの、2Qに入って体が冷えた悪影響が出て、体が思う様に動かなくなり、レンジが切れて失速し早大に抜かれた。 3Qに入っても更に減速し、日体大にも抜かれて3位となり決勝進出がならなかった。今、思い出しても悪夢のような準決勝レースだった。
この準決勝敗退で、クルーの精神状態が落ち込み、午後の順位決定戦に臨んだものの、気分を切り替えることはできず、普段の練習で出しているパフォーマンスは出せないまま、中大にも追い付く事ができず、2着(全体6位)で新人戦を終えた。順位決定戦では、予選での低温対策には対策としてウィンドブレーカーを着る対策を打ち、臨んだが、レース中盤で中大を追撃すべきところでレートが上がらず、マッタリしたリズムで漕いでいた。レース後に“何故、レートを上げて追撃しなかったのか?”と聞いたところ、「普段の乗艇練習ではSpeedCoachの艇速のみ読み上げるがレートは読んでいない。レース時はSpeedCoachを外しているので艇速は読めず、且つ、コックスは普段通りレートも読まなかったのでレートが低い事が分からなかった」とのこと。コーチとしてコックスがレートを読んでいない事に気付いていなかった。この点は大いに反省しなければならない。
何れにせよ、この新人戦では、東大エイトが、コンディションの良い環境では良いパフォーマンスが出せるが、厳しい環境に曝されると心身ともに委縮して力が出し切れないという勝負強さに掛けたクルーであったという事を思い知らされた。
来年度のジュニアチームも大学からボートを始めた素人ばかりの集団であり、今年度と同じプロセスを踏むだけでは、同じような結果になることは自明である。厳しい環境に曝されても力を出し切れるようにするには、普段の練習から厳しい環境を厭わず練習すること。また、普段から並べながら練習するという環境造りを徹底すべきと思う。