船底の形状は、前述の如く、ナックル艇に採用されているチャインはなく、幅広く扁平な楕円形の丸底。センターに竜骨が突き出している。
ツーリング時に荷物を積む事を狙っているためか、船首・船尾はカンバス構造はなく、開口となっている。一方、ラフコン時の浸水でも艇が沈まない様にシートデッキ以下は2重底の様に水密構造となっている。
舵の形状、構造はナックル艇と基本的に同じ。少し違うのは、(1)ナックル艇で採用されているラダーロープに滑車を用いて、操舵に要する力を軽くしようとしている機構は採用されていない。従い、操舵には若干力が必要。(2)ラダー取付部はナックル艇と同じ構造となっており、金属製の支柱が採用されている。計量化のためか、この支柱はナックル艇に比べると細い。レース時など、ウォーターマンがラダーヨークを持つが、現状の支柱では強度が足りないかも知れない。
艇内の構造やストレッチャー、シートなどの艤装品はナックル艇と全く同じ。少々問題があったのはストレッチャーボードの取り付け高さ。ボードの位置が高すぎてストレッチャーのHeel Depthが十分に深くとれない。一番深くして13cm程度。まあ、ボードを改良すれば直ぐに治るので大きな問題ではないが。。。
ラフコン時耐航性のポイントとなる乾舷高さについては、下の写真で分かる様にナックル艇に比べると少々ガンネルトップの乾舷高さが低い。穏やかな水域では問題ないが、ラフコンになりやすい水域では、もう少し乾舷高さを高くする必要がありそう。
コックスシートは大きな背もたれがついており、座り心地が良い。このシートは運搬時や艇庫格納時に邪魔にならぬ様、前に倒しこむ事が出来るようになっている。下の写真は椅子を前に倒した状態。
外観上の特徴は以上の通り。