Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

全日本マスターズレガッタ:2種目で優勝

7月6日、宮城県の長沼で開催された第15回全日本マスターズレガッタに、淡青会マスターズの選手として参加しました。
私は60歳以上シングルスカルと60歳以上エイトの2種目に出場し、2種目ともに優勝出来ました。

以下、このレースの備忘録。

1.60歳以上シングルスカル
今大会で使用した艇は、相模湖に知人が保管しているフィリッピ製の分割艇です。
大会後に青森・秋田・山形の3県の水域巡りをすることもあり、マイカーに積載し、安全に輸送することの出来る分割艇を知人から借艇し、持参しました。

<動画>
www.facebook.com


このレースには4名が参加しました。
9時30分発艇でしたが、この時間帯は強めの斜め順風が吹いていました。
順風なのは良いのですが、少し順風が強すぎたこともあり、水面がチャプチャプして漕ぎにくいコンディションでした。
レース中盤で2位と大きく水が空きました。波がありタイムが狙えそうにないので、1時間後にエイトのレースの為に体力温存で、1着ゴールのみを狙い後半漕ぎました。

レース後は早々に着桟して、次のエイトレースに備えました。
レース記録:

表彰式:


2.60歳以上エイトレース

今回の全日本マスターズレガッタでは、新潟の4名の方と淡青会メンバー4名+80歳代の長老OBコックスで編成したクルーで出場しました。
新潟からの4名の内、2名は淡青会エイトのメンバー不足の際に乗艇練習に参加頂いている方ですが、残りの2名は淡青会クルーと一緒に漕ぐのは初めてです。
エントリー後、淡青会エイトの漕法のポイントをメモにして送付し、事前にイメージトレーニングして頂きました。
幸い、レース前日に30分程レースクルーで乗艇練習をすることができました。
乗艇の最後の方に行ったレースペース30本ではSR36で概ね良い漕ぎが出来ました。

さて、レース当日ですが、1時間前のスカルレース時と異なり、風が穏やかになり水面のコンディションが改善しました。
風速1m程度の順風でした。

このレースは5杯レースでした。
強敵は隣のレーンの団塊号・玄武です。
ここ数年、淡青会単独クルーでは彼らに勝ったことはありません。
しかし、今回、新潟から加勢頂いた4名の内、2名は全日本社会人選手権の50歳以上シングルスカルの優勝者です。私も含めると3名の全日本タイトルの優勝者が乗っています。
ということで、上手くリズムに乗って漕ぎ通せば団塊号に勝つチャンスはあると思って臨みました。

スタート前にクルー全員に伝えたレース戦術は、スタート後、軽いリズムでコンスタントに入ったら、そのままの軽いリズムをキープし、ゴールまでコンスタントに漕ぎ通すことです。
大きくボディースイングも使って、1本1本ジックリと長く・強く押す漕ぎではなく、上体を立てたままシートスライドだけでショートストロークで高めのレートレートで軽く漕ぎ通す漕ぎを狙いました。
1000mのレースを軽いリズムでコンスタントに最後までイーブンに漕ぎ通すこととし、途中に脚蹴りなどは一切入れませんでした。

さて、スタート最初のハイピッチ10本(レート42~43)では特に出た感じはありませんでしたが、セトルダウン後のコンスタントを高めレートの39で入ると隣の団塊号の整調ペアの背中が自然と視界に入ってきました。
300m通過付近でコックスが「出た出た!どんどん出よう!」とコールが入りました。400m辺りまではレート38の軽いリズムで漕ぎました。
この辺りで団塊号に対し、1/3艇身程のリードを得ました。

どうやら、我々の軽いリズムで漕ぎ通す戦術が上手く嵌った様です。
500mを通過し、後半の500mはレート36の軽いリズムをひたすらキープ。
この辺りで団塊号が脚蹴りや早めのスパートなどを入れてきました。
レースの動画でもわかるように、後半500mの艇速及びレートは我々と団塊号はほぼ同等でした。
ということでレース前半に付けた艇差をキープし、上手く逃げ切る事ができました。
艇差は約半艇身でした。

我々のクルーの漕手五8名の内、多くの方が全日本マスターズレガッタでの初優勝という方が沢山おり、表彰式では皆、満面の笑みでした。

レース結果:

表彰式でのクルー集合写真(3番の佐藤さん次のレースに参加の為、表彰式には参加できませんでした)

以下、動画や、GPSスピードコーチのレース中記録(艇速とレート)、そして、私から新潟の方々に事前に送った漕法要点のメモを掲載します。

1)レース動画 3本:

淡青会・佐野さん@1800m地点(岸より)
https://youtu.be/uBAaG_DRk6E

団塊号・久保田さん撮影@ドローン空撮
https://youtu.be/r3B8M1TO62U

団塊号・小森さん撮影@1700m地点の丘の上より
レース№17玄武⑥、淡青会・新潟連合⑦
https://youtu.be/Oge6LEjCf5c

2)GPSスピードコーチの艇速・レートデータの詳細:


3)淡青会エイトの漕法要点:

「シートレンジを出来るだけ長く取り、脚の力だけで漕ぐ」

その為のポイントは以下:

⑴ボディスイングゼロ
 ①キャッチで余計な前傾はしない。
キャッチ時に前傾するとシートが前に出にくくなりシートレンジが短くなるので上体は立てたまま脛を直角あるいはもう少し前までシートを出す。アウトサイドの足は開いて上体の外へ。
 ②フィニッシュで余計な後傾はせず、素早くハンズアウェイをする。
上体を後傾し過ぎるとハンズアウェイが遅れフォワードのシートの動き出しが合わず艇速が伸びない。スライドの動きを合わせてトップボールをゴールに向けて加速させましょう。
※ボディスイングゼロと言っても直立不動ということではなく、上体は最低限の前後運動をしています。余計な前傾をしたり余計な後傾をしてボディで不要な出力する漕ぎ方はしないという事。

⑵素早いニーダウン
キャッチしたら素早く膝を潰すイメージです。そうするとモモ裏の筋肉も使え足の出力が長持ちする。

⑶腕の出力はゼロ
腕を使うと疲れて終盤、脚の力がまだ残っているのに漕ぎが弱くなってしまうので腕の力で漕ぐことはせず、腕はオールのコントロールのみに徹する。ドライブ中の腕は紐のイメージ。
フィニッシュで腕は脱力して15cm水平に引いた後45°で腹では無く腰骨の上辺りにタップダウンしブレードをしっかり抜き上げる。
脱力するとオールのベントが戻りオールが水を推してくれるイメージ。

以上