Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

60歳以上シングルスカル、日本一奪還の備忘録




私のローイング競技における最終目標は、年齢別マスターズ競技において世界チャンピオンを獲得することです。

私は1979年に東京大学入学&ボート部入部がローイング競技歴のスタートです。
偶々、運が良く、東大の先輩たちが1979年に全日本選手権エイトで優勝し、私が4年生の1982年までエイトで全日本4連覇出来ました。

その後、就職しても競技を継続し、1986年には三菱のピックアップクルーのなしフォアで世界選手権にも出場しました。

さて、本題です。

究極の目標達成に向けて日本国内の年齢別種目で日本一を獲得し続ける事は必要条件です。
60歳となる2020年はコロナ禍で全日本社会人選手権は全日本インドアローイング大会が開催されず、残念でした。
特にインドアローイングでは、60歳で2000m7分切りを目標に取り組んできたので、非常に残念でした。
因みに2021年も全国インドアローイング大会は開催されませんでした。代わりにアジアバーチャルインドアローイング大会に参加し、7:01.6でアジアチャンピオンをゲットしました。

今大会の結果を踏まえ、その取組などを備忘録として書き残したいので、以下、項目毎に記載しようと思います。


1.全日本社会人選手権年齢別シングルスカルの優勝履歴
2008年(48歳時):40歳以上シングルスカルで優勝
2010年(50歳時):50歳以上シングルスカルで優勝
2011年(51歳時):50歳以上シングルスカルで優勝
2018年(58歳時):50歳以上シングルスカルで優勝
2020年(60歳時):コロナ禍で大会開催なし
2021年(61歳時):60歳以上シングルスカルで優勝
2022年(62歳時):60歳以上シングルスカルで優勝
2023年(63歳時):60歳以上シングルスカルで矢地氏に敗北(準優勝)
2024年(64歳時):60歳以上シングルスカルで優勝

2.インドアローイング大会の記録:
2019年(59歳時):6:56.3
2020年(60歳時):コロナ禍で大会開催なし
2021年(61歳時):アジアインドアローイング大会にて7:01.6=アジア記録と思われる
2022年(62歳時):7:02.6=全国インドアローイング大会歴代最高記録
2023年(63歳時):7:06.1(2位の矢地氏=7:15.5)

以上の通り、インドアローイング大会の年齢別オープン種目では、現時点では国内首位を維持しています。

3.オールの長さ(梃子比)
オールはCroker S39 soft+Arrowブレードを継続使用中。
2021年・2022年:オール全長284.5cm, Inboard 86cm
2023年:艇速改善を期して全長を1cm拡張、オール全長285.5cm, Inboard 86cm、負荷が重すぎて漕ぎが乱れ失敗。60歳代の3連覇を逃す。
2024年:高齢化による総力減退を勘案し、梃子比軽減。オールを短尺化。オール全長283.5cm, Inboard 86cm
因みにRowing競技の場合、レース中にオールの長さを変更する事は出来ません。
従い、レース前のセッティングでオールの梃子比を設定する必要があるます。
しかし、Rowingは屋外競技であり、レース中に風向きが反転することもあり、オールの梃子比はリスクも勘案すると少し軽め(対逆風)に設定しておく方が良いと思います。
私の現在の身長は172cm(50歳前は173.5cmだったが、高齢化で縮んだ)、全長283.5cm, インボード86cmの現状セッティングが丁度良いと考えます。

4.レート40オーバーのラストスパートと、ノーフェザーフィニッシュ練習
今のオール短尺化やPTH設定する前は、世界選手権のゴール前でレート40オーバーでスパートする選手をみて、「こんな事出来るのか?」と思っていました。
しかし、スロベニアのレジェンド漕手:COPさんの金言「オール長は軽い位で丁度良い」という話と、W.Upでのノーフェザー腕漕ぎ(腕漕ぎに違和感のないストレッチャーPTH設定)により、60歳以上の高齢スカラーでもレート40オーバーのラストスパートが普通に出来るようになりました。

20240504 戸田マスターズレガッタ M1X E F Gレースのゴール前(私のラストスパートの漕ぎ)
https://www.youtube.com/watch?v=M_GE-sYawBI

20240523 1X@相模湖 W.Up
https://youtu.be/36CVOf3DOsc

5.2000mレースに向けたレースペーストレーニングの見直し:
2000mレースは体力的に厳しいので、2000mレースに向けた日頃の練習は、昨年度までは仏式のB4 2000m:1,2Q=SR24, 3Q=SR28,4Q=SR32をやっていましたが、後半は良いものの、実際のレース序盤でスピードに乗れない
問題がありました。
そこで、今年度はB4ではなく、1Qを静止スタートからの実際のレースペースで入り、通しで2000mをレースペースで漕ぐ練習に切り替えました。
この結果、静止スタートから入っても1,2Qの苦しいフェーズでも苦手感を持たずに漕ぎ通せるようになりました。
具体的には、静止スタート5本+ハイピッチ10本の後、軽いリズムでレースペースSR32~33に入り、そのまま1500mまで軽いリズム出漕ぎ通すペース配分。
これで2000mレースをレースペースで漕ぎきるイメージを醸成できました。

<動画>
20240518 1X@荒川 B2 2000mTT
https://youtu.be/aY8wjD_Fbks

6.目標とする2000mレースペースの練習。
Rowing競技は屋外で行なう競技ですので、レース中に風向きが変わることがよくあります。
また、実際にブレードワークという微妙はハンドルワークも要求され、インドアのエルゴマシンによる2000mTTとは少々異なります。
という事で、特に高度な乗艇テクニックを要求されるシングルスカルレースでは、2000mをイーブンに出力して全力を出し切る様なイメージにはなりません。
私の場合は、シングルスカル2000mではスタートダッシュ後は、SR33前後で軽いリズムに入ったら、1500mまでそのまま漕ぎ通し、ラストQはレートを上げつつ追い上げ、ラスト250はスパートモードで全力出し切りのイメージです。
これを練習で2000mを通しで漕ぎきるのは厳しいので2000mレースのQ毎のレート&艇速を習熟すべく、2000mを4分割してQ毎のレースペース習熟練習をレース前に行ないました。
実際のレースに向けてイメージアップに繋がりました。

<動画>
20240523 1X@相模湖 500m No 2
https://youtu.be/Etf-TqOrffc

20240523 1X@相模湖 500m No 4
https://youtu.be/mHYR0krMuCw

7.過去のレース記録と本番レースに向けた戦術:
過去の全日本社会人選手権レースの記録を見ると、私はラストQに強みがある様です。
また、昨年度の決勝レース記録を見るに、私はレース序盤の1Qは速くないが、ラスト500mに関しては矢地さんより6秒ほど速いようです。(矢地さんは1Qが非常に速く、典型的な先行逃げ切り型)
という事で、今大会では私も1Q~3Qでもレートを落とさず粘り、1500m通過時点で2L差以内に収め、そこからラストスパートで差し切る展開をイメージしました。
過去のレース記録一覧(レース記録画像)
2021年

2022年

2023年


8.今大会のレース動画:

2024全日本社会人選手権 男子シングルスカル 60歳以上 決勝Aスタート~400m付近
https://youtu.be/F35dlQJVJr8

社会人レース60歳以上男子シングルの1600m~ゴールまで パルテ会撮影
https://youtu.be/NrvYHjCYtfY?si=JAZHkm6ITZpzMHhM

0240526全日本社会人ローイング選手権 M1X60決勝 パルテ会・藤原さん撮影
https://www.youtube.com/watch?v=03FpXJj9CbI

9.今大会のレース記録の詳細

2024年:今大会のレース記録

レース中GPSスピードコーチデータとレース中の記憶

以上