前述の縦乗り込みや乾舷計測については、クルー構成が変わってしまうと2艇の差が正確に比較評価出来ない。そこで先週のD社試験時と同じクルー・シート配置(下記)で実施した。
- クルーの体重:C:65, S:75, 3:81, 2:97, B:72, 合計390kg、平均78kg
上記クルーでのK社艇の姿勢および浮き具合は下の写真の通り。
乾舷計測箇所は#B, #3, #Cの三か所。各々の数値は以下の通り。()内は先週計測したD社艇の数値。
- Bowシート:19.0cm (D艇:19.5cm)
- #3シート:19.0cm (D艇:19.0cm)
- Coxシート:18.7cm (D艇:18.5cm)
戸田コースで漕ぐならこの乾舷でも全く問題ないが、少し荒れたコンディションでは少々厳しいと思われる。乾舷は20cm以上は欲しいところ。この乾舷から求めた水面からシート座面までの高さ(船体中央の#3)は、19.0-8.7=10.3㎝。D社艇の値が9.3cmだったので、D艇より1cmシートが高い。もともと、シート座面の高さは水面上10cmにすべきと計画していたので、丁度良い高さだ。因みに水面からシート座面までの高さを高くすると、漕手の乗る位置、即ち、重心位置が高くなり、バランス安定性上不利だ。しかり、シート高さを高くすると(ワークハイトが同じ場合でも)クラッチの高さが高くなり、オールと水面の成す角度を大きく取れるので、ブレードワークの操作性(水切れなど)が改善され、漕ぎやすくすることが出来る。この事はシート高さの高いナックルフォア等を漕いだ経験のある者なら分かると思う。