Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

この整調のキャッチ姿勢について:

さて、この2005年ケ大の整調のキャッチ時の姿勢について分解評価してみたい。

  1. 体軸は概ねセンターキープ:体軸センターキープと言ってもミリ単位で強要されるセンターキープではない。略おなじスタイルである7番との位置関係を見ると、ほんの少し体軸が内傾していることが解る。言い換えれば、キャッチ周りの自然な動きを阻害しない範囲でなるべく体軸はキールセンターをキープするということだろう。
  2. 肩はハンドルの動きに合わせて回転する:肩を確り回転することで両腕、特にインサイドハンドが良く伸びたキャッチ姿勢となり、両腕を使ってハンドルにぶら下ることが可能となっている。(ややアウトサイドの肩が下がっている様に見えるが、この程度であれば全く問題無い)
  3. 両膝は自然に開き、間にアウトサイドの肩を通す:Sweep rowingの場合は、上体が一方向に回転運動をするので、前のレンジを大きく取るためにはアウトサイドの脚を少しアウト側に開き両膝の間にアウトサイドの肩を通すのが自然である。(両膝を胸の前で揃えるのは不自然な姿勢となる)インサイド側の脚はほんの少しだけインサイドに傾斜しているが概ね垂直に立てている。2番、6番の様に、インサイドの脚を少しインサイド側へ倒すのは問題無い。(4番の様にインサイドの脚をアウトサイド(逆サイド)へ倒すのは間違い。)
  4. シートスライドは脛は垂直までとし、上体を前傾させて前に伸びる:脛が垂直を過ぎて大きく前傾すると、キャッチからのレッグドライブが弱まってしまうので、脛は垂直までとしたい。キャッチレンジを大きくする為には、上体を前傾させて前に伸びるべきである。尚、上体の前傾や両腕の伸ばしはハンドル膝前を過ぎたらセットされるものであり、キャッチ前のハンドルの動きとシートの動きはシンクロさせる必要がある。(時折、未熟な漕手が、シートスライドが止まった後で、上体の前伸びが遅れて上体だけで更に前に伸びる動きをするのを見かけるが、これは間違い)

この整調の動きをお手本にして、理想のキャッチ姿勢に近付けたい。
PS:
一つ言い忘れていたことがある。それは「Rowing中の如何なる瞬間も、体軸をアウトサイドに傾けてはならない」ということ。これこそSweep Rowingにおける鉄の掟というべきものである。未熟な漕手はフォワード中に自分のサイドに傾けたくないという自己防衛本能が災いして、往々にして上体がアウトサイドに逃げる動作を伴い易いので、指導者はこういう漕手を見つけたら、悪い癖が付かない内に、鉄の掟を叩き込む必要がある。
以上