Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

4.H28年度の総括:

冬場から春先にかけては、概ね順調に艇速が伸びたものの、その後、高レート主体の乗艇トレーニングに移行するに従い、漕技・出力効率が劣化する傾向が見られた。これはH27年度も同じ傾向があった。振り返ってみるに、夏場に入ると低レートUT漕を漕ぐ機会が減り、結果としてブレードワークの精度が劣化、加えて1本1本の水中強度が落ちた結果、夏場の効率が劣化したものと考える。
仏人コーチ:Xavier Dorfman氏(シドニー五輪軽量級無しフォアの金メダリスト、現日本代表チーム総監督)の講演で、B1(レート16〜18)、B2(レート18〜20)の低レート漕をレース直前まで継続し、短期間で高レートへの移行を行い、レースを迎えると聞いた。こうする事によって低レートで培った漕技や水中強度をレースに生かす事が出来る。逆に早期にレースペース主体のトレーニングに移行すると、低レートで培った漕技や水中強度が劣化し、結果としてレースペースの漕ぎが劣化するとのこと。
H29度に関しては、H28年度対校エイトの失敗を教訓とし、夏場でもレース直前まで低レートUT漕(B1,B2)のトレーニングを継続し、レースに向けた高レートの主体のトレーニングは2週間程度の短期間で集中的に行うなどの工夫をすることとしたい。
また、定点往復によるコーチモーターの定点コーチングは全てのクルーを万遍なく指導する上では効果があるが、W.Upから本練習まで「通し」で見る事が出来ない問題があり、W.Upに織り込んでいるFinishワークなどの技術練習がただ熟すだけの形式的なものになってしまい、漕技改善の効果が十分に得られなかった問題があった。これを踏まえて、H29年度は週6回ある乗艇練習の中で定点コーチングに加えて、W.Upから本練習まで通しで見る従来のコーチングにも織り込む予定。

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<H29年度方針>
H28年度の総括を踏まえ、H29年度のトレーニングは2000mレース中盤での巡航速度を改善するため、仏式低レートUTロング漕(SR18前後で6km漕 x 2など)と、有酸素系筋持久力強化のための筋力トレーニング(C2)の本格的に導入する方針。
尚、H28年度全日本選手権でのエイトの結果を踏まえ、レースに向けたレースレートへの移行は仏式の2週間ではなく、1ヶ月程度を掛けて徐々にレートを上げることとする。
以下、具体的な取り組み方針を記す。