Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

M8+:天寵

1限出席者がいるため、5時過ぎに岸けり。今は日の出が6時頃なので、ポンド脇の伴走路からブレードワークが見えるのは5時45分頃から。
W.Upはいつも通りに見えた。また、乗艇中にクルーから良く声が出ている点は良い。
一つ気になったのは、W.Up中、両舷で漕いでいるのに、6レーンを航行する事が多い事。キャッチワークやフィニッシュワーク、そして静止スタート練習などは、端のレーンで行う必要があるが、エイトが両舷で漕ぎ始めたら、基本的に1,6レーンは航行すべきでない。他の遅いクルーに止められて効率が悪い。
また、ライトワークで長く漕ぎ続けるのも良くない。ライトワークでの移動はせいぜい200m以内の短い距離の移動に用いるものであり、それより長い距離を移動する際には、ライトパドルなど、低レートUT漕で漕ぐべきだ。
ライトワークを漕ぐ場合でも、水中がUTより強度を落とすだけであり、ブレードワーク自体は技術練習やUT漕同様に、ベストの精度・テクニックをもって漕ぐこと。
今朝は、ポンドで2000mTTを行った。先週土曜日の午後にレート32で、6'10"を出せたので良いタイムを期待した。
今朝のレートはクルー自身が決めたSR34。全日本の2000mレースでは未だ完成状態のクルーではないので、コンスタントレートはせいぜい34〜35までだろう。
この意味で今日の時点でSR34で漕ぎ通すのは、かなり無理があり、漕ぎが空回りして艇速が出ないと予想した。
さて、スタート。入りのポジションが4レーンのセンターではなく、3レーン寄りだったので、少しヒヤヒヤしたが、500m通過時までに4レーンセンターに戻った。蛇行は殆ど無いように見えた。
1Qの艇速、特にハイピッチからコンスタントへの移行は悪くなかった。しかし、300m付近でコンスタントへの入りがSR35と少し高めで、レンジが切れてリズムが忙しなかった。500m通過時はSR34、艇速1'33"/500mと既に前回より遅かった。その後2Qに入っても、前回の様なフォワードでキャッチ前にギャザーするリズムが出せず、また、それが原因でドライブも水中を撫でる様な非力になり、艇速が劣化。中盤はSR33、1'38"〜40"/500mまで劣化していた。
やはり、このクルーは未だ未熟であり、現時点で水中を確り押しながら出せる上限レートは32〜33辺りだろう。先ずは低めのレートでキチンとドライブ出来る素地を作ってから次のステップへ移行する必要がある。レートを上げて空回りする様な漕ぎはしてはならない。そういうのは悪い漕ぎの癖を作ったり、練習への恐怖心や倦怠感を誘発させるだけだ。
先週土曜日の2000mTTはリズムも良く、皆、良く漕げ、自信を持つ事が出来ていた。今一度、原点に戻り、低レートUTで水中の強さを確認しよう。

ポンドでは、全日本に出漕する他大エイトも漕いでいた。

  • N大エイト:今朝も低レートUT漕のみを漕いでいた。彼らはポンド折返しでのレストは殆ど取らず、また、ライトワークも殆ど無しでUTを漕ぎ続けていた。まあ、UTトレーニングだから当たり前のことだ。でも東大クルーはポンドで漕ぐとUTトレーニングでも折り返し時に長めにレストを取ってしまう。また、N大のUTは常に水中のドライブはMax.で漕いでいる。低レートUT漕の狙いは、レートを落としフォワード時間を長くすることで、ドライブの強度、ブレードワークの質を高めること。この辺り、東大クルーも見習おう。
  • M大エイト:M大も東大同様に、Germanリガー配置を採用している。彼らもUTからレースレートへの移行練習を行っていた。彼らのレートは31.5だった。インカレ準優勝クルーでも今は31.5なので、新米クルーの東大がレース1週間前に34というのはやはり時期尚早だろう。因みに今年の軽量級エイトで3位に入ったN大新人エイトの決勝でのコンスタントレートは34だった。

さて、ここで良いクルーのお手本の漕ぎを見てみよう。リオ五輪男子エイトの決勝、優勝したイギリスエイトの漕ぎ。このクルーも東大と同じGermanリガー配置だ。Germanリガー配置の場合、#3番を漕ぐ漕手がキーマンだという話を誰かが言っていた。イギリスエイトの3番は五輪で3大会連続の金メダリスト:Andrew Hodge。https://en.wikipedia.org/wiki/Andrew_Triggs_Hodge
東大エイトの3番:O川もAndrew Hodgeの漕ぎを良く見て、そのダイナミックな漕ぎ、テクニックを盗み取ろう。

https://www.youtube.com/watch?v=ZIetslktFQk