Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

4. H28年度の強化計画

H27年度の総括、およびフルタイムコーチとしての目標を踏まえて、H28年度に以下の通り取り組んでゆく。
1)コーチングチーム編成:
 全体統括:ヘッドコーチ=氏家
 対校男子チーム:取り纏め=氏家、学生コーチ:岩崎、大久
 ジュニアチーム:取り纏め=大平、学生コーチ:大内、関谷
 新人チーム:取り纏め=人選中、学生コーチ・トレーナー:人選中
 女子チーム:取り纏め=加登(女子部監督)、学生コーチ:竹村
2)体力向上に関する打ち手:
H27年度は週二回のウェイト系トレーニングを筋肥大目的のヘビーウェイト1回と体幹レーニング1回としていたが、H28年度はウェイトを週二回行う。内、1回は筋肥大目的のヘビーウェイト(木曜午後)、もう1回は筋持久力向上目的のライトウェイト系(日曜午前)とする。腹筋などの体幹レーニングは陸トレ後に補完的に行うこととする。
ウェイトトレーニングは主にバーベルを使ったフリーウェイトを用いて行う。 これにより鍛えたい特定部位筋肉の強化だけでなく、体幹の筋肉群などフォームを安定させるための筋肉群の連携・強化も行う。種目的には以下の5種目する。
(1)スクワット/レッグプレス、(2)デッドリフト/ハイクリーン、(3)ベンチプル、(4)ベンチプレス、(5)ラットプルダウン/懸垂
この5種目の本メニュー後に補完メニューとして腹筋を行う。また、ウェイト本メニュー前にランニングによるウォームアップを行う。日常的にランニングする事でランニングトレーニングへの適応性を改善する。全体の流れとしては、体操(動的ストレッチ)→ランニングウォームアップ→ウェイト本メニュー→腹筋→ストレッチング(クールダウン)。各自のウェイト記録は、毎回一覧表に選手が自分で記録する。これによりリアルタイムで選手が互いの記録を閲覧できるようにし、常に競争の空気を作る。(記録の見える化)フリーウェイトによるトレーニングを安全に行うため、ウェイトルーム内を整理整頓し、不要な用具・危機は片付け、部屋を広々使える様にする。(9月末に実施済み)
また、月1回は最大筋力の測定を行い、筋力増強の経過を観測し、モチベーションアップする。ヘッドコーチはウェイトにアテンドし、フォームのチェック・指導と共に重量アップのファシリテートし、日頃からトレーニング時には各自が全力で自分自身を“追い込む”雰囲気作りをする。
エルゴメーターは、これまで通り週2回行う。内1回が60分UT、1回がインターバル系(レースペース系)トレーニングとする。60分のUTでは、乗艇技量向上を狙い、骨盤を立ててSit Tallし、高いハンドル軌道でドライブし、フィニッシュは胸の上の高い位置で長いレンジで引ききる様にする。これにより乗艇時にフィニッシュでブレードがWash outする東大漕手の典型的な悪い癖を矯正する。これを実現すべくヘッドコーチが手取り足取り指導する。インターバル系では常に限界まで自分自身を“追い込む”雰囲気作りを醸成すべく、ヘッドコーチがアテンドしファシリテートする。この点が昨年度までとの大きな違い。日頃のトレーニング強度を上げる事で、全員がこの1年間の中で各自の前年度2000m記録を10秒以上更新できるようにする。
毎朝の乗艇前のアップに1?程度のジョギングを織り込み、日頃からランニングに慣れさせる。これにより週1回(月曜午後)のランニングトレーニングでの強度アップに耐える体作りを行い、同時にランニングメニューでボート競技の高速巡航に必要な心肺能力の増強を図る。
乗艇はH27年度とほぼ同じモーション数の週6回とする。内訳は火・水・木の平日早朝と、土曜:2回、日曜:1回とする。10月中旬から2月上旬までを昨年同様に冬場のフォアトレ期間とし、この間に徹底的に並べて競争環境を作る。コーチは乗艇にアテンドし、技術指導と強度アップのフォシリテートを行う。以下週間トレーニングスケジュールの概要

3)乗艇パフォーマンス向上の打ち手:
H27年度は冬場フォアトレや6月のフォアトレ期間中は競争環境となり、プレッシャーの掛かった状況でも普段の力を発揮できる状態にあったが、その後レース出漕クルー単位の各種艇種に分かれて単独の乗艇トレーニングとなると、乗艇トレーニングの強度が落ちる傾向が見られた。東大漕艇部の究極の目標は代表クルーである対校エイトが日本一を獲得する事である。これを達成するために出来ることは部全体で一致団結して事に当たることが必要。この考えに基づき、H28年度の対校チーム乗艇練習は、極力部内での並漕を主体として行う。
具体的には、冬場のフォアトレ後のシーズン初めのお花見レガッタまでは対校チームはエイト2杯を編成してこの2杯で徹底的に並漕練習する。東商戦フォアクルーの編成はお花見レガッタ以降とする。H28年度の3年・4年の漕手合計人数は16名であり、これではエイト2杯編成ギリギリ。このままでは常時2杯を編成することは困難である。従って、新2年制の内、体力、気力に優れた者を冬場から対校チームに飛び級編入させる、若しくはH27年度で引退した漕手などから合計2名ほどを対校スイープチームに編入し、18名体制とする。
また、東商戦以降もフォア若しくはエイトの並漕による乗艇トレーニングを継続し、対校エイト強化に邁進する。これは東大エイト全日本4連覇当時のエイト二杯体制と同じ手法である。温故知新といえよう。偶々、H28年度はリオ五輪の関係で、日ボ主催レースの日程が例年と異なり、8月下旬に全日本新人戦とオッ盾が併催で行われる。(宮城県長沼で開催)従って、対校チームはシーズン中、基本的にエイト2杯体制とし、前述の通り徹底的に並漕練習する。H28年度は、その成果を試す場として、8月末にオッ盾に出漕するという理想的な形となる。インカレはオッ盾の1か月後に開催されるので、オッ盾後に第二エイトを解体し、付きフォアなど小艇種目に分かれてインカレに出漕する方向。全日本はインカレの1か月後、10月下旬に開催される。
また、H28年度をスタートするに当たり、H28年度に活躍した他チームの活動に関してベンチマーク調査を行い、他チームの優れた点を学ぶ事とする。ベンチマークの対象として1,2年生の下級生主体ながらH27年度に躍進的な活躍をした仙台大学を訪問する。この件を受け入れてくれた仙台大の阿部監督には感謝したい。この際、仙台大選手と同じ艇に乗り、実際の乗艇での漕技や乗艇メニューの組み立てや艇上での実態を体感することで更に深く学ぶこととする。その後も機会があればトップクラスの選手と同じ艇に乗り、その漕ぎを学ぶ場を設けることも検討してゆきたい。
また、スポーツは言葉で伝えるより、映像で見た方が理解しやすい。H27年度はお手本動画として豪州NSWエイトの乗艇練習動画を採用していたが、これ以外に良いモノが無いか、改めて学生と共に調査してゆく。