Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

②推進効率を改善する:

エルゴメーターの値が最も良い漕手が、必ずしも水上で一番を取れないのは何故であろうか?これはローイングボートをエンジン付きの船に例えることが出来る。即ち、エンジンの出力が如何に大きくても効率が非常に悪い推進器(スクリュープロペラ)がついていたり、エンジンの据付が悪く出力が推進軸に効率良く伝わらなかったりすると、搭載したエンジンの出力は小さいが船主の整備が良く、且つ、効率の良い推進器をついた船にスピードで負ける場合がある。これが推進効率の差である。ローイングボートの場合、リギング関係で推進効率に関係するものとして次の様な例を挙げる事が出来る

  1. ブレードピッチが適正になっていないと、漕ぎ難いだけではなく、漕手の力がボートを進めることに寄与しない上下方向の力に分散されてしまう。
  2. ストレッチャーの位置が適正でないと、キャッチ角45度、フィニッシュ角35度という理想的なストロークアークから外れてしまい、漕いだ力が効率的な推進力にならなくなる。(ストレッチャーが船尾側に寄り過ぎているとキャッチ角度が過大になり、キャッチ付近でボートを横に押す力が強くなりボートを進める力が弱くなる等)
  3. ワークハイトが低すぎると多少水面がラフになっただけでブレードが水面を叩いてしまう等の問題が生じる。逆に高すぎると、強くハンドルを引くことが出来なかったり、ブレードが1枚水中にキープできなかったりする。

推進効率については、リギング以外にもリズムの良し悪しやボートの性能等が大きな要素となるが、ここではリギングに限定して考察する。