Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

オールを引く力:

ボートを進める力は、漕手がストレッチャーを脚で押して、ハンドルを引くことにより、ブレードを支点としてシャフト(スリーブの部分)がクラッチ軸を押すことで発生する。(純粋な推進力はクラッチ軸を押す力から、脚がストレッチャーを押す力を差し引いた分となる。)
つまり、オールがクラッチを押さない限り、ボートは進まない訳である。このクラッチ軸に加わる力を時系列でモニターする方法として次の2種類がある。

  1. クラッチ軸に歪ゲージ(ストレンゲージ)を貼り、推進力方向の軸の歪を力に換算して、モニターで表示する。これは、推進方向への力を把握するという意味で良いデータが取れるが、オールはクラッチ軸を中心として回転運動をしているので、キャッチやフィニッシュ等、オールが横方向の力を発生している時に、漕手がどれだけの力でオールを引いているかを直接的にモニターすることが出来ない。従って、漕手がこのクラッチ軸の推進力カーブを見たときに、「アレ?」キャッチやフィニッシュであれだけ頑張って押しているのにミドル周りしか大きな力が出ていないジャンか?という感じになってしまう問題がある。(付け加えると、装置の取り付けが大掛かりなのと、実際に艇につけるのは大変)
  2. ベンドカーブ:オールのシャフトに歪ゲージを貼り、ストローク中のオールの撓り(ハンドルを引く力)をモニターする。これは、直接的な推進力ではないが、漕手がどれだけの力でオールを引いているかという点において、上記のクラッチ軸の力より直接的である。(シャフトの撓り力=オールシャフトの接線方向に漕手がハンドルを引く力)

おやじは漕手の立場から見て、上記2種類の内、ベンドカーブの方が、漕手の漕ぎ方・漕力・技量をより正確にモニターできる考える。ということで、ここではオールの引き方をベンドカーブを基に考察する。