Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

CG号:前輪タイヤの右側片減りは、前後輪オフセットが原因だった

CG号:前輪タイヤの右側片減りは、前後輪オフセットが原因だった
 

CG号の前輪タイヤは、これまでに3回交換しています。
前輪は後輪より摩耗が少なく、2万キロ以上走行できます。
さて、前回のタイヤもそうだったのですが、CG号の前輪タイヤの摩耗は左右均等では無く、何故が右側の方が摩耗が早いです。
 前輪タイヤ:右側(写真では左側)が片減りしている。

これを専門用語ではタイヤの片減りといいます。
片減りするのは、道路の排水目的の路面の左下がりのキャンバーが原因と思っていました。
でも、それにしては片減りが少し強いかなと思います。

この原因を探るため、Youtubeで「バイク 前輪 片減り」と検索すると、以下の動画がヒットしました。
【タイヤの偏摩耗への勘違い】多くのバイク屋が語る <動画>
https://www.youtube.com/watch?v=D0Mf_7v7Vjc

この動画の解説に拠れば、前輪タイヤの片減りは、バイクの前後輪がオフセットしていることが主たる原因とのことです。
例えば、後輪が前輪に対して左側にオフセットしている場合は、前輪の右側が片減りするということです。
また、バイクは新車であっても、製造コストの問題もあり、ある程度のオフセットは、どうしても発生してしまうそうです。
この動画の主催者によれば、前後輪オフセットとの許容値は5mm以内ということでした。

一方、前後輪オフセットの計測方法を知りたかったので、更にネットで検索したところ、以下のサイトがヒットしました。
オートバイの整体、基本と調整作業
https://gra-npo.org/.../bike/chiropractic/chiropractic.html

先ず、バイクをセンタースタンドなどで直立させます。
 CG号をセンタースタンドで直立させました
 駐車場の床面は右側に向けて少し傾斜があります。
 床面傾斜補正のため、薄い合板を右側脚の下に敷きました。

次に、真っ直ぐな長い棒2本で、後輪挟む様にして、棒をタイヤに括り付けます。

棒の先が前輪タイヤまで届くようにします。

前輪タイヤが後輪から伸びた棒と平行になるようにします。(’一般的にバイクの後輪タイヤは前輪タイヤより太い)

この時の棒と前輪タイヤの隙間を左右で測ります。
その左右の隙間の平均値が前後輪のオフセット量となるとうことです。
この要領に基づき、CG号の前後輪オフセットを計測してみました。
先ず、CG号のタイヤの幅は、前輪が61.5mm、後輪は74.5mmです。
即ち、オフセットがゼロなら、前輪と棒のなす隙間は左右共に6mmになる筈です。
アルミの角材は手元に無いので、園芸用の長めの支柱で代用しました。
上記隙間を正確に計測できませんが、1mm程度の誤差で計測は可能と考えました。
さて、実際にやってみました。
結果、CG号の後輪は前輪に対して左側にオフセットしていました。
 前輪左側の隙間は12mm程度
 右側の隙間は1mm程度

前述の隙間でいうと、右側が1mm程度、左側が12mm程度ありました。
即ち、オフセット量は、(1mm + 12mm)/2 = 6.5mmです。

CG号は後輪アクスルシャフトを左右のチェーンアジャスターで調整するタイプです。
 左側のチェーンアジャスター:目盛り=1.75
 右側のチェーンアジャスター:目盛り=1.7

そこで、早速、右側のチェーンアジャスターのナットを回して、前後輪のオフセットが無くなるように調整してみました。
ナットを1/16回転(20度程度)締め込んで、後輪を僅かに右向きに振ってみました。
 右側アジャスター調整後:目盛り=1.7→1.8
チェーンアジャスター調整後の前輪左側と棒の隙間=約6mm
チェーンアジャスター調整後の前輪右側と棒の隙間=約5mm
結果、棒と前輪タイヤの隙間は、概ね左右均等になり、前後輪のオフセットは解消されました。
 オフセット調整後:チェーンとスプロケはインライン出問題無し

しかし、チェーンテンションが少しだけ張りすぎなので、左右のチェーンアジャスターの目盛りの相対関係をキープしたまま、アジャスターを僅かに緩めてチェーン調整しまおしました。
結果、前後輪のオフセット解消し、且つ、チェーンテンションも適正に調整しなおせました。
オフセット調整の為のチェーンアジャスター目盛り変化:左=1.75→1.7、右=1.70→1.75

今回の整備で得た知見:
1)チェーンアジャスター目盛りは、一般的に左右均等にせよと書かれていますが、実際にはスイングアームの製造誤差の問題があるので、目盛りだけを頼りにチェーンアジャスト(後輪車軸向き調整)すると前後輪オフセットが生じてしまう。
2)前後輪オフセット調整は、上述の長い棒2本を使って調整するのが精度が高い。しかし、長い棒を括り付けるのは少々面倒。でも後輪後方から前輪とのオフセットを見通しチェックすることで、概ね棒を使う作業と同程度の調整が可能と分かった。
オフセット調整後、後輪から前輪を見通す。前輪が後輪の陰になり見えなくなっている。
  但し、これは前後輪のタイヤ幅の差が10mm程度だから出来ること。
このオフセット調整作業後にCG号で少し走りましたが、直進性や左右カーブの曲がりが均等になり、操縦しやすくなったと感じました。
プラシーボ効果かもしれませんが。。。

ついでに、チェーン注油と洗車もしました。

 前回注油から1000km走ったのでルブ注油
 前後輪オフセット調整作業後に洗車
 洗車して綺麗になったCG号