Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

対校エイト

エイトの目標は、タイム2'52"(水温16℃)を出し、決勝に駒を進めること。
お花見前の乗艇トレーニングでは、現在取り組んでいる“三段ロケットドライブとキャッチに向けたギャザー感及びフォワード中のリラックス感が改善した”とクルーの報告あり。
また、お花見レガッタ予選前のアップを荒川で行う事を自分で考えて決めたところは自主性、やる気の表れと見た。
予選は1レーン。同じ組に3月合同練習で並べた仙台大と立教、そしてエルゴの強い慶応Aがいた。尚、慶応は早慶戦に向けて長距離主体でやっており、お花見ではパフォーマンス出ないと予測した。従って、消去法により、並べでほぼ同等の艇速を出していた仙台大との勝負と考えた。1000mレースはスプリントレースなので、レンジを切らない事を前提条件として、最初からガンガン飛ばしてハイレートのままゴールまで駆け抜ける様に指示した。
さて、予選スタート。予想した通り仙台がスタートから飛ばしてきた。250m付近で1/4L程度出られたが、そこから500mまでの間に1シート差位まで詰め寄った。600m過ぎ辺りから徐々に詰めて、750m付近でほぼ横並び。800〜900m付近では僅かにリードしたが、最後のスパートで差し返されて50cm程度の僅差で仙台に負けた。
レース後にコックスに確認したところ、ずっと半艇身差で負けていたと思っていたとのことで、レース中、クルーにその間違った艇差を伝えていたとのこと。1レーンと5レーンで距離が離れているが事実と異る艇差をコールしていたことになり、クルーの士気を鼓舞するという意味で、コックスとしての大きなミス。タイムは軽い逆風のなか、3'04"。
この見間違いの原因として、大久は上体を前傾させて、視線が下がり気味である事が、艇差などの距離感を幻惑させている様に思われる。今後は彼がジュニア時代に取っていた上体を立てて視界を広く取る正しい姿勢に戻そう。
予選のタイムは全体9位となり、準決勝に進出した。準決勝では3位以内に入れば決勝に進出できる。という事で、準決勝で全力を出し切るべく、全力で行こうと指示した。
しかし、結果は途中まで明治大学と3位争いをしていたが、500m過ぎで失速。そうこうしているうちに、5位を走っていた日体大に抜かれてしまい5位に落ち、決勝進出ならず。ほぼ南の横風の中でタイムは2'59"。全くもってパッとしないタイム。普段の練習での実力が全く出せなかった。
もう一組の準決勝では、一橋と東北が力任せではあるが高レートで攻め続けた結果、決勝に駒を進めた。正に殻を破る様な気迫で爆発力を発揮した結果であり、敵ながら天晴れな攻めだった。
これに対して、東大の準決勝での戦いぶりは気迫不足で、殻を破るような爆発力は示せなかった。
夕刻にクルーを集め、ライバル一橋と東北の準決勝での気迫の篭った戦いぶりを説明し、二日目のファイナルBでは、殻を破るような爆発的な出力と艇速を出すように檄を飛ばした。
二日目のファイナルBでも初日同様、荒川でアップし、万全を期して本番に臨んだ。陸上でもレース前はサブトラックでアップするのが普通であり、東大は荒川に出しやすいので、荒川を本番前のサブコースだと思って今後も川でアップすれば良い。
さて、ファイナルBスタート。昨日と同じように仙台がほんの少し出たが、殆ど差はなかった。250m過ぎ辺りで東大と仙台が首位争いで、二杯が並漕ぶ形で飛び出した。中盤のコンスタントンでは東大艇速の方が少し優れており、600〜700m付近では東大がトップ。このまま逃げ切りたいと思った。しかしその矢先、750m辺りから、日大Bが猛然とスパートをかけてきた。日大のスパートは東大より明らかにレートが高く軽いリズムでポンポンと加速し、残念ながら一気に刺されてしまった。最後は1/3L程度の差で2着となった。
タイムは2'53"。効率109%であり、お花見で目標とした漕技・出力効率は達成できた。日大Bには負けたが、明治、中央には対校エイトとして初めて勝った。また、合同練習以来、ほぼ同等の艇速で横並びだった仙台大に対しては1秒強の優位な差で勝ち、3月時としては何とか勝ち越しを印象付けることができた。
エイトクルー諸君は決勝に進出できなかった悔しさを味わったと思うが、1000mレースの醍醐味を味わい、そして、“自らの殻を破って1つレベルの上の漕ぎを実現するという貴重な体験が出来た”と思う。今後も幾つかの殻を破る必要がある局面を迎えると思うが、今回のお花見レガッタでの経験を生かして自らの決意とチームワークで殻をどんどん破ってほしい。
そうそう、スタートダッシュやラストスパートについては、まだまだテクニック的に改善する余地が大きい。クルーとして爆発力が出せる様に日頃から取り組んで行こう。
レース中動画(二日目)
1500m地点
http://www.youtube.com/watch?v=DcI9SVdT0xY
2000m地点
http://www.youtube.com/watch?v=ju2eCEEZdCI