Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

対校エイト+ vs 仙台

仙台大学は、いわゆる体育大学。ボート部は阿部監督が2002年に創部したもの。まだ創部15年という新興チームだが、エイトは2008年から2011年の間、インカレで4年連続の準優勝、小艇では何度も日本一に輝いている強豪チームだ。 阿部監督が日本代表チームヘッドコーチを務めていた2012年、2013年こそやや低迷していたが、昨年、阿部監督が復帰してからはチームに勢いが戻りつつある。という事で今年はかなり強そうで、3月の並漕練習の締めの相手に相応しい相手だ。

今朝、荒川に架設した2000mコースは、笹目水位塔から中大裏手カーブの手前までのほぼ直線が取れるコース。始点と終点の川のセンターにブイを打ち、目印とした。
今朝は満潮の上げ止まりから下げに転じる時間帯。
天気予報では北西の風ということだったが、実際にはほぼ真東の風だった。風速は2m程度。3本なので順、逆、順の順番で行い、3本平均で無風換算とし、1発目は上流方向へ向け順風で実施した。潮流は丁度上げ止まりで、川の流れはほぼ止まっていた。

1本目:
静止スタート5本からコンスタント33というメニューとしていたが、仙台大はお花見レガッタ出漕目的で戸田に遠征してきており、スタートからハイレートでグングン飛ばしてきた。(おー気合入っているな)
東大は5本から徐々にコンスタントへ落とす展開だったので、スタートで少しリードされた。相手がハイレートで上げていたのが見えたので、“仙台はスタートハイレートで飛ばしているぞ、こちらも序盤からドンドン攻めて行こう”とクルーにハッパを掛けた。この結果、300m辺りまでにでは追いつき、500m過ぎから徐々に東大が出る展開となった。その後は、東大が少しずつ出て、1000m過ぎ辺りで逆カンバス程度までリード。その後、水を空けたかったが、仙台大のコンスタントも強く、最後は2/3艇身差で東大が一本目を取った。
スピードコーチの示した距離は1850m。始点と終点のブイは目分量で打ったものであり、2000mには少し足りなかった。中大裏手のブイを100mほど下流に打つべきだった。

2本目:
レスト時間8分を置いて二本目。丁度、日体大クルー軍団が笹目に向けて上がってくる途中。彼らが右側航行を遵守していればこちらの並べとは輻輳しないのだが、どうも日体大の右側航行遵守が不徹底の模様。川のど真ん中を悠々と上がってきた。こちらのスタート地点の下流300m辺りにおり、相手もコーチモーターがついているので、気付いて避けてくれる筈であり、そのままスタートとした。
スタート後、大声でモーターから”日体!日体!避けろ!”と何度かメガホンで叫んだ。
舵手付きのエイトは早めに埼玉側へ避けてくれたが、舵手無しの女子クォードは振り返ろうとする気配も無し。あと100mという差し迫ったところで、漸く後方を振り返り避けてくれた。
東大クルーはセンター側の位置取りだったので、コックスの大久が危険回避のため、針路を東京サイドに少し転じる為、舵を切ったこともあり、序盤で仙台に少しリードを許した。その後詰めて、カンバス差まで詰めた。しかし、序盤で針路を固められなかったこと、また、このコースの水路が東京側に緩くカーブしている事もあり、仙台クルーがインカーブとなるコースをなぞる形となった。結果、中盤以降で徐々にリードを広げられる展開となり、逆カンバス差で2本目を落とした。
両クルーの漕ぎを見比べると、東大がフィニッシュ周りでブレードが浅くなり、ブレードがスリップして白い泡の出るWash out気味であること、また、レンジが切れて加速フォワードする忙しいリズムになっていた。 これに対して、仙台大はフィニッシュまでブレードが良く入っており、バックスイングも確りして、ハンドル軌道が高いので、フィニッシュ有効レンジが長く、且つ、フィニッシュ押切からハンズアウェーに至る一連の動作がスムーズ。同じレートでも、仙台はよりユッタリ漕いでいる様に見えた。この辺りは、日頃から我々コーチ陣が東大クルーに指導している点である。 現時点では仙台大の方が、より徹底できている模様。東大クルーもこの点を見習う必要あり。

3本目:
一勝一敗で迎えた3本目。ここで確り勝って、“今日は東大の勝ち”という形で終えたいところ。
レートフリーであり、東大クルーには、“序盤から飛ばして相手を突き放そう”と指示した。
さてスタート。指示した通り、序盤から攻めた結果、徐々にリードし、中盤では2艇身までリード広げた。後半も更に差を広げようとしたところ、中盤を過ぎた辺りで仙台大のレートが32から34.5へ一気に2枚上がり、徐々に差が詰まってきた。それでも残り500mの笹目水門ではまだ少し水が空いている状況であり、間違いなく逃げ切るだろうと余裕を持ってみていた。しかし、ゴールが近づくにつれて仙台大のレートがグングン上がり残り100m時点で2/3艇身程度あった差が、ゴール時には1/3艇身以下の差まで縮められていた。やはりラストQに強い仙台大、ラストスパート恐るべし。
後でクルーから聞いが、コックスがゴールまでの距離の目測を誤り、ゴール前で、クルー内で情報が錯綜し、ややドタバタしながらゴールインしたとの事。これも最後に詰められた原因だった。
というのも、1本目は上げ止まりで流れが無い状態で1850mだったが、3本目の時には下げ潮に転じて逆流となったため、距離が2000mまで長くなっていた。コックスは距離が1850mと予測してスピードコーチの示す情報を漕手に伝えたため、この様な混乱を生じた模様。
まあ、荒川の並べはこのような潮流変化がもたらす状況変化がある。これも又、面白いところでもある。

以下、動画:
東大対校エイト
http://www.youtube.com/watch?v=bSx_A_7BPwA

仙台大対校エイト:
http://www.youtube.com/watch?v=k-NGOlXucFo