Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

実際に漕いだ感触;

水に浮かべて感じたのはナックル艇に比べると一回り小ぶりは事もあり、乾舷があまり大きくなく、水面からシートまでやガンネルトップの高さは通常のシェル艇と略同じ。ラフコン時の波を勘案するともう少し乾舷が高い方が良さそう。

上の写真を撮るためにコックス席の上に立ち上がったが、若干不安定さを感じた。やはりナックル艇に比べると絶対的な安定性の安心感というものは無い。止まっている時の安定性はナックルとシェル艇の中間と言ったところ。
さて、漕ぎだすと新人2名が乗っているということもあり、最初は若干フラフラしたが、それほどブレードを擦らずに漕げた。漕いでいる時の安定性は結構良い。少し漕いでから両舷でフィニッシュワークの技練を実施。安定性が良いので技練には持ってこいの艇だ。
さて、2番を漕いだ新人君、少し漕いでいると素人が良くやるハラキリをした。安定性が良い筈なのに艇が結構傾いた。整調のオールをよく見るとオールがクラッチから外れていた。どうやらクラッチのピンを確りと締めていなかった模様。アブナイ、アブナイ。ナックル艇は両舷でオールを外しても何とか沈しない安定性があるが、この丸底ツーリングボートはそこまでの安定性は無い模様。
漕ぎ進むと、荒川の厄介者ウェイクボードが走ってきた。いつもなら嫌な奴が来たと思うところだが、今日はレクレーション艇としての耐航性も確認する必要があるので、彼らの曳き波は大歓迎。早速モーターの曳き波に向かって漕ぎ進み、マトモに波に突っ込んでみた。モーターの曳き波なので波の本数は3本程度で一瞬だったが波を横切る時にスプラッシュが上がり水しぶきで少々濡れた。艇内を確認すると僅かではあるが艇内に浸水があった。一つは整調のリガーに波頭が当たり水しぶきが浸水したもの。もう一つが舳先が波の中に突っ込んで舳先の開口部から水が入ったもの。やはりラフコン時の耐航性を勘案すると船首と船尾にはカンバス構造が必要。また、リガーについてはナックル艇試乗時のレポートにも記載したが、ダブルパイプの下側のパイプに波頭が当たって水しぶきが浸水するので、AeRoWingリガーの様なガルウィング計上のリガーにする等の工夫が欲しいところ。
その後暫く漕ぎ進み、笹目橋を通過し昔の黒船台付近まで漕ぎ上った。おやじ本人は、最初はCOXをしていたが、笹目橋水門付近で整調とCOXを交代し、途中から整調を漕いだ。印象としてはシェル艇より圧倒的にバランス安定性が良く漕ぎやすいと言うこと。ライトパドルやパドルも漕いだが、加速性も良く、結構スピード感もあって楽しく漕げた。素人ばかりでなく、ベテラン漕手も偶にはこういう安定性の良い艇に乗り、ブレードワークのテクニカルドリルを徹底的にやっても良いと思う。レクレーション艇というより、新人トレーニングや、選手のテクニカルドリル用の艇として活用すると良いと思った。
折り返して笹目橋を通過すると、ウェイクボードのモーターが3艇程おり、水面を引っ掻き回していた。エイトなどシェル艇の場合はこういう状況だとまともに漕げないが、この丸底艇は安定性が良いので殆ど漕ぎにくさを感じず普通に漕ぐ事が出来た。また、モーターの曳き波も斜めに突っ切れば横揺れやスプラッシュいよる浸水もなく、スイスイと漕げた。艇の幅が広いので波があっても波の上にプカプカと浮いて波を乗り切ってしまう様だ。モーターボートなどの往来がある水域でも本艇なら問題なく乗艇練習できそうだ。

以上