Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

Wing Rigger艇の長所;

  1. 大骨フレームが無いのでレール間隔が広い;3脚式リガー艇にはメインステーを固定するための大きなフレームが取り付けられている。一方、Wing Riggerの場合はストレッチャー付近のガンネルに固定されているので、この大きなフレームが不要となる。大骨フレームが無くなることにより、レールの間隔を広げることが出来る。レールの間隔が広がると、シートの座面が大きくなりすわり心地が良くなると共に、シートのガタツキが減りスライドの滑りがスムーズになる。また、脹脛がレールに当り難くなるのでストレッチャーを十分に下げられる様になる。=バランスが安定する。
  2. リガー取り付け位置が高いのでラフコンに強い;3脚式リガーだと、ラフコン時にメインフレームの下側のパイプに波頭が当って飛沫が上がり、艇内にスプラッシュが入りやすい。一方、Wing Riggerはガンネルの上に載っているので、ガンネルを超える大波でもない限り、リガーに波が当ることは無い。ラフコン時でも艇内がドライな状態で気分良く漕ぐことが出来る。
  3. リガー位置が高いので、少々乾舷の大きな船台からでも艇を傾けずに乗り降り出来る。
  4. 艇をハンドリングしやすい;メインフレームが無いので艇を担いだり反転させる際にバックステーの内側に容易に入り込みやすい。従いハンドリングが楽。
  5. 取り付け・取り外しが容易;リガー一体で、艇の上に載せるだけなので遠征時の組立が短時間で出来る。
  6. ローリング運動に対してダンピング効果あり;リガー自体の慣性モーメントが大きいこと、また、その名の通り翼型をしているので、艇がバランスを崩した時に少しだがローリングに対するダンピング効果がある。
  7. 空気抵抗が小さい;Wing rigger本体の断面形状がCd値(抵抗係数)の小さい翼型断面形状をしているので、通常の3脚リガーに比べると空気抵抗が小さい。一方、スカルの空気抵抗の大半は漕手とオールの抵抗なので、はたしてリガーの空気抵抗の差が有意な差として現れるかどうか、やや懐疑的。
  8. リガーも含めた艇全体の剛性アップ;ボートはローイングスペースがオープンな構造なので、この部分の強度を如何に確保するかが造船所の知恵の見せ所。Wing Riggerはガンネルの上に固定されているので、リガー自体がガンネルを固めるブリッジ構造となる。従い、Wing Rigger艇は通常の3脚リガー艇より剛性が強い。また、オールを漕ぐことにより発生するクラッチ軸の横力、即ち、艇を横方向に圧縮したり開いたりする力を全てリガー本体が吸収し、艇には推進力のみが伝わるので艇に余計な力が加わらず、艇に優しい構造となっている。