Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

社会人クラブの共用艇の使われ方:

中高年を含めた社会人で構成されたボートクラブで、どちらかと言うと競技志向というより、ボートに乗ること・楽しむこと自体を目的としたクラブをここでは「社会人クラブ」として取り扱う。社会人クラブでのボートの使われ方について、競技活動主体の大学や社会人チームとの相違点を例にして、その特徴を述べる。

  1. 競技主体のチームでは、目的とする試合に備えてある特定の期間、レース艇が特定のクルーに占有されることになる。この場合、当該クルーは各シートの漕手が最も効率よく漕げるように細部に到るまで最適な状態にリギング調整される。この様なレース艇にクルー以外の漕手がいきなり乗っても上手く漕げないことが少なくない。これに対し、社会人クラブでは、自分の都合に合わせて練習に参加するために、毎週異なるメンバーでクルーを編成することとなる。このような練習形態の場合、毎回当該クルーに最適なリギング調整をしていたら、乗艇する時間が無くなってしまう。従って、リギング調整はせいぜいストレッチャーの位置変更くらいしか出来ない。
  2. この様な社会人クラブの場合、当該クラブで艇を所有する例も無いことはないが、大抵の場合、公共施設の共用艇を都度借艇して利用することが多いと思う。共用艇の場合、艇とオールの組み合わせをシート毎に決めてあればリギングも管理しやすいが、オールと艇の組み合わせが特定されていない場合が多いのではないだろうか?オールの仕様、サイズ、インボード及びブレードピッチが全て均一であればそれでも良かろうが、実際には、そのようなことは望むべくもなく、かなりバラつきが多いの実態である。特に厄介なのがブレードピッチのバラつきである。おやじの経験では、ConceptIIのUltra Lightオールの場合、B-sideがマイナス、S-sideがプラスの方向にシャフトが捩れて、初期発注時のブレードピッチから変化しているものが多い。誤差で言うと最大±2度くらいずれている。(まあ、捩れについては2年も経てば落ち着くとおもうが。。。)
  3. 競技志向のチームの場合、チームとしてリギングの標準値を管理しているであろうし、漕手個人個人も自分のリギング数値を把握しているはずである。これに対して、社会人クラブの場合、出身大学が異なるメンバーが多く、リギングの標準値を管理していない例が多いのではないか?また、漕手も自分のリギング数値が何であるがを知らずに漕いでいる例が多いと思う。
  4. オジサン漕手は体力・体型が現役時代とだいぶ変化している。:社会人クラブはおやじ本人も含めて、所謂、中年のオジサンが漕いでいる場合が多い。勿論、真面目に1年以上毎週練習を続ければ、お腹周りもスッキリして現役に近い体型に戻すことも出来るが、皆が皆、そこまで真面目に取り組むわけでもないので、体力(漕力が落ちている)・体型(お腹が出ている)・柔軟性の低下をある程度考えた上でリギングの標準値を設定する必要がある。