Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

2019-10-20 荒川パトロールと泥流し

昨日も戸田へ行った。
目的は荒川でのスカル乗艇による練習水域の台風影響調査のパトロールと、岸蹴り場石段の泥流し作業。

荒川のパトロール乗艇:

戸田コースに艇庫を持つチームにとって、荒川は戸田コースと共に重要な乗艇練習水域だ。
台風19号の大雨、増水により、笹目地点での水位は過去最高?の8.5mAPまで上昇した。概ね堤防の真ん中辺りまで水位が上がった。
この結果、河川敷のゴルフコース、野球場、ラグビー場などが水没し、泥で埋まるという大変なことになった。
私は、ネット上で公開された荒川関連の情報サイトで日々、荒川の状況をチェックしている。これらの情報より、10月19日までに荒川の水位は概ね平時並みまで下がり、安定しつつあることが分かった。
また、水面の浮遊物や流れに関してはライブカメラの映像から、浮遊物は全く見られないこと、また、流速も平時並みである事が分かった。

1)笹目橋のライブカメラ(静止画像=5分毎に更新):
http://www.ktr.mlit.go.jp/arage/arage00197.html

2)笹目での水位(AP表示)
荒川は、秋が瀬取水堰(ダム)より下流は、常時は流量は小さいので、東京湾の潮位変動に応じて水位が干満しており、その水位は概ね東京湾とほぼ同じ。荒川は東京湾の一部と考えると理解しやすい。尚、荒川の笹目での潮位は概ね東京港より1時間遅れ。

10分毎:
http://www1.river.go.jp/cgi-bin/DspWaterData.exe?KIND=9&ID=303041283309010

1時間ごとのデータベース:
http://www1.river.go.jp/cgi-bin/SrchWaterData.exe?ID=303041283309010&KIND=2&PAGE=0

東京港の潮位(潮位グラフ):
現在、過去のデータの他、先の潮位データもみる事ができる。
http://www2q.biglobe.ne.jp/~ooue_h-h/i/tide/s_tide.cgi?6&sibaura&0&0&13

ということで、先ずは、実際に秋が瀬までシングルスカル乗艇して水域をパトロールしてみた。

岸を蹴ったのは、8時半頃。この時の笹目水位は、1.9mAP。
少し泥流ししてある石段部分から岸蹴り擦る事ができた。
この時間帯、荒川は上げ潮であり、岸蹴り場前は殆ど流れはなかった。
水は白く濁っていたが、ゴミなどの浮遊物は全く無く、安全かつ快適に乗艇出来た。

と言うことで、荒川は安全に乗艇出来る事が確認できた。

但し、岸蹴り場前の川底には、分厚く泥が堆積しているので、当面は、川底の泥を踏まず、石段部分から離着岸できる水位の時間帯に乗艇した方が良い。
因みに岸蹴り場前の川底が干上がりはじめるのは笹目水位で0.6mAP程度なので、川底に足を付けず、石段から離着岸できる水位は、笹目水位で1.0mAP以上となる。

以下、パトロール乗艇中にGOPROカメラ(首掛けマウントで撮影)で撮影した動画と写真。

<パトロール中の動画>

20191020 1X@荒川 艇庫→岸蹴り場 陸送
https://youtu.be/XW9JrIwIdaM

20191020 1X@荒川 W Up FW, CW, 一本漕ぎ、RPなど
https://youtu.be/mhU4QglrH8c

20191020 1X@荒川 B1 UT (笹目→大曲)
https://youtu.be/GbsJMgEUFUM

20191020 1X@荒川 B1 UT (秋が瀬→大曲)
https://youtu.be/10u9i2Npu7w

20191020 1X@荒川 HOAコーストレース
https://youtu.be/CMmmnjjYbzo

20191020 1X@荒川 着岸
https://youtu.be/AErX50hQD84

<写真>
 8時26分、岸蹴り。笹目水位:1.88mAP
戸田病院前辺りの水上から下流方向を見る。中大裏手のカーブにあった樹木は全て根こそぎ倒れていた。
 笹目橋の800m程上流(左岸)にある埼玉県南部漁協の係船施設。係留施設がかなりダメージしていた。
 同上
 漁船係留所の対岸(右岸)。こちらの河川敷樹木も根こそぎ倒れて無くなっていた。
 大曲から秋が瀬方向の上流を見る。写真右側はゴルフコース。
 9時24分、秋が瀬到着。水温18℃弱。笹目水位:2.04mAP(満潮)
 同上、右岸側の岸辺にあった樹木は流されて無くなっていた。
 9時40分、大曲から上流をみる。写真右側の岸辺にあった樹木は殆ど流されて無くなっていた。ある意味視界が良くなった。
 10時08分、揚艇前。岸蹴り場の150m下流側左岸に白っぽいプレハブ小屋の残骸が漂着していた。乗艇には支障なし。

岸蹴り場の泥流し

荒川の岸蹴り場、昼の12時から人海戦術で泥流ししました。綺麗になりました。皆さん、お疲れ様でした。
以下、泥流し作業の様子:
 12時07分。泥流し作業の様子。笹目水位:1.6mAP程度
 12時16分。同上。人海戦術で作業中。
 12時22分。水面より上の段(上から5段目と6段目)の泥を下に落とす。
 12時23分。水面下の7段目の泥も更に下へ掻き落とした。
 12時37分。水面より上の石段は泥流し完了。作業は上流側の石段へ移動。
 12時53分。上流側石段の泥流し作業。
 12時58分。下流側にあるモーターボート進水用スロープとその脇の石積み護岸の泥流し。笹目水位:1.5mAP
 12時05分。最後に集合写真。

以上

戸田コースでのスカル乗艇


今日も戸田へ行き、シングルスカルを漕いだ。
コースは500m地点のゲートが開いており、2000mをフルに漕ぐ事が出来た。

朝は小雨が降っていたが、漕いでいるうちに雨は止んだ。

岸を蹴ったのは8:30頃。大学クルーは朝早く乗艇していたようで、私が岸を蹴る頃にはコースは空いていた。
但し、岸を蹴って暫くは朝の混雑の余波が水面に残っていた。

今日は北西の風が少し強めに吹いていて、水面に少しさざ波があった。

今日のメニューはレート20でのUT漕(7km)と、500mレースペース6セット。

UT漕は、実業団スカラーに追い上げられた事もあり、良く出力出来て、まずまずの漕ぎが出来た。
B2 UT漕: 無風換算平均 2'25.9/500m, SR20.5, DPS:10.04m

Race paceの500m漕の方は、少し水面が荒れていたこともあり、あまりレートを上げる事が出来ず、艇速は今一だった。
順風:Ave.2'02.3/500m, SR30.4, DPS 8.06m
逆風:Ave.2'11.6/500m, SR29.9 DPS 7.61m
無風換算平均:Ave.2'05.4/500m, SR30.2, DPS 7.91m

私と同じ時間帯にNTTや明生等の実業団クルーが乗艇していた。

どうも、今月末、韓国で行われるアジア選手権に向けた準備の様だった。

荒川岸蹴り場の下見:

シングルスカル乗艇後に、荒川の岸蹴り場を見てきた。
まず、土手の石段だが、降りきったところの地面(草地)だが、誰かが、泥を掻き出してくれたようで、普通の靴で歩くことが出来た。
 石段と下の地面

そこから、モーターボートの進水用の通路を通って水際の石段へ行った。
ここも普通の靴で何とか歩けました。
 モーターボート用スロープへのアクセス通路

さて水際の石段ですが上から5段目は分厚く泥が堆積したまま。

 11時01分、岸蹴り場の石段。水位は2.0mAP。
 上から5段目の泥はこんな感じ。

これは荒川の満潮時水位ですので、この5段目は人力で掻き落とさないと、このまま残ってしまう。
水面下の干満域は自ずと水流れや波の力で徐々に消えて行くと思われる。
但し、泥が拡散し、完全に元に戻るまで数ヶ月かかりそうだ。

 上流側の石段。ここにも泥が堆積。
 岸蹴り場のすぐ上にある河川敷の草地。草の間に泥が堆積してグチャグチャ。乾いて固まるまでは歩きづらそう。

以上

ストレッチャー換装と荒川岸蹴り場の現状

 今日取付けたノーマルストレッチャー

先週自宅で、加工・組み立て。調整したシングルスカルのノーマルストレッチャーを、今日、自艇に取り付けた。

フロントウィングリガーのブリッジ部の下の狭苦しいスペースでの作業なので、少々手こずった。

 8時53分、戸田コース。水位は1.3mAPで、完全に平時の水位に戻った。

荒川には、まだ出せないので今日は戸田コースで漕いだ。

ストレッチャー換装の感触を確認しながらB1:12kmと、B6:Race Pace 10本 x66セットを実施。

ノーマルストレッチャーに換装した感触は以下の通り:

  1. SRD装備のときより、0.6kg軽くなり、艇重量は規則下限の重量となった。(14.1kg弱か?)担いだ感触でも軽くなったと感じた。
  2. 艇が0.6kg軽くなったのと、自分の体重もここ2週間ほどで0.6kg軽くなったので、艇が浮いて、ハンドルが少し高く感じた。従い、揚艇後にワッシャー1枚分、2mmハイトを下げた。
  3. SRDと異なり、シューズがプレートに固定されているので、正にボードを押しながら漕いでいると言う実感がある。この感触がある意味で心地よかった。
  4. シューズは艇の内幅ギリギリ迄、脚幅を広がったので、足でバランスを取るコントロール性はSRDと遜色ない。むしろ、足裏でボードを感じながら押せる分、ノーマルの方が良いかも知れない。
  5. ボード角度を42度としたので、キャッチ時の踵を上げる動きも小さく、ノーマルでも全く問題なし。
  6. シューズのホールド性もSRD同様に良い。
  7. 漕いだ感触も良く、快適に漕ぐことが出来た。

と言うことでストレチャー交換成功。これで艇重量、0.6kg軽量化に成功した。

揚艇後に荒川の岸蹴り場の現況を視察:

シングルスカル乗艇後に、法政大学の波間監督と荒川の岸蹴り場を見てきた。
 11時27分、波間さんと岸蹴り場視察。この時の荒川水位は1.4mAP

水際の石段は、上から4段目迄は確り泥流ししてあった。(どうも自衛隊さんが泥流しされたとか?)
しかし、その下の五段目以下は、泥が分厚く堆積していてNGです。波間さんは消化ポンプを使って泥流ししようかというアイデアを考えておられましたが、ここまで分厚く泥が堆積して、しかも半分固まってしまうと、ポンプの水流だけでは歯が立ちどうもない。やはり人力スコップでコツコツと掻き出すしかなさそうだ。そう、人海戦術が必要だ。
11時22分、岸蹴り場の石段の様子。5段目には厚さ20cmの泥が堆積し、徐々に固まりつつあった。
 泥の厚みはこんな感じ。
 水際の石段(7段目)もこの様に泥が堆積している。

波間さんと相談して、今週末の日曜日に人海戦術でスコップなどを使い、泥流ししようという事になった。(波間さんから大学チームに声掛けする予定)

余談だが、今週月曜(10月14日)に、私が泥流しした土手の階段の泥は、階段下の地面に扇状に広がっていた。これだけの泥が階段に堆積していたという証。
 土手の階段は、泥が取り除かれ、問題ない。
 土手の階段の下は、階段から押し流された泥がこの様に扇状に広がっている。

以上

台風の後始末:石段の泥流し

 泥が波紋上に堆積している部分が本日の泥流し作業対象。
石段の泥流し作業を一人で実施中

10月12日夜から13日未明に掛けの台風19号の豪雨影響により、荒川及びその水系である戸田ボートコースは大きな増水となった。
この結果、荒川の水位は、常時の満潮時水位を6mほど超える8.5mAPまで水位が上がった。
また、荒川水系の戸田ボートコース(荒川の支流である笹目川の遊水池)も大幅に増水して、周辺の艇庫群は床上浸水した。

荒川に関しては、スーパー堤防により堤防は堅固であるものの、増水の濁流により、上流からの泥が河川敷や水際にアクセスするための石段に泥が堆積してしまう。堆積した泥は滑りやすいので、固まる前に洗い流し、安全を確保する必要がある。

また、浸水した艇庫に関しては、中に溜まった水の排出や掃除をする必要がある。
艇庫の排水、掃除に関しては東大の現役部員が行うが、日頃、艇庫を利用している我々OBも作業を手伝った。

以上、今回は上記2件の作業を、本日午前中、淡青会メンバーが二手に分かれて実施した。
淡青会の私以外のメンバーは東大浅野艇庫の掃除・後片付け。私は荒川へ行き、石段の泥流しを行った。

1.荒川の石段の泥流し:

私は予定通り、8時半過ぎから荒川の土手へ行き、石段の泥流しを行った。
荒川の方は10時過ぎまで、私一人で作業した。
結局、一人で、下の河川敷までの石段、12段全てを一人で泥流しした。
非常に良い体幹レーニングになった。(笑)

その後、艇庫の作業が一段落し、5名ほど加勢が来て、河川敷の方の泥流しをした。

以下、作業中の様子:
 8時39分、作業開始前の荒川。水位は4.7mAP@笹目。写真中央に見える小屋付きの筏は、笹目橋上流にある埼玉県南部漁協の漁船係留所にあった施設管理棟とのこと。
 8時40分、泥流しされ、乾燥した石段は、昨日、長畑強化委員長が実施してくれたもの。泥が波紋上に堆積している部分が本日の泥流し作業対象。
 同上。
 8時47分、先ず1段目を泥流し完了。
 8時54分、2段目の泥流し完了。1段辺りの作業所要時間は約7分。ローイング同様に単純繰り返し運動なり!
 8時57分、3段目の作業途中。泥流しに使用したのは雪かきスコップ。体積した泥の厚みは3~4㎝程度。
 9時18分、作業を一時中断し、河川敷の水が引き、取り残された魚を観察。これはブラックバス
 これはブルーギル。何故か2匹とも外来種。。。
 9時55分、11段目を泥流し完了。
 雪かきスコップを使った泥流し。スコップを自動車フロントガラスのワイパーの様に動かして泥を流した。
 9時58分、カヤックを持った謎のオッサンが濁流の川面へ。??? 
 10時00分。下に行くほど泥の厚みが増す。
 一番下は脚がスッポリ泥の中に。
 10時15分、12段全ての泥流し完了!
 10時16分。ここで加登さんが作業に加わる。
 10時45分。岸蹴り場の水際へ。水位は4.3mAP@笹目
 水際の草地にも10㎝以上の深さで泥が堆積していた。
 11時18分。石段と下の草地の泥流し作業終了。草地の泥流しは重作業なので、真ん中辺りの約3m幅のみ作業。
 11時20分。OBによる泥流し作業を終了。水位は4.2mAP@笹目
 11時21分、荒川河川敷泥流し作業後の集合写真。

2.東大艇庫の清掃・後片付け:

こちらの方は、私は参加しなかったので、写真のみ添付する。

 9時20分、先ずは中のナックル艇などの保管物を外へ出す。
 9時21分、中に溜まっていた水をワイパーブレードで艇庫外へ掃き出し。
 11時16分、浅野艇庫の整理・掃除作業が完了。集合写真。
 11時21分、作業完了後の浅野艇庫内。
 11時28分、こちらは学生部員による本艇庫の整理・掃除作業。

以上

シングルスカル自艇のストレッチャー換装

 

シングルスカル自艇は2007年建造のSykes艇。
新造時の艇重量は、競漕規則の下限重量=14.0kgジャスト。
元々、搭載されていたストレッチャーは、一般的なボルト3本で固定するシュープレート付きローイングシューズ形式。
シングルスカル艇は、船体の幅・深さ共に小さいので、エイトなどの大艇と異なり、Heel Depthや、シューズの左右間隔を、自分が漕ぎやすい数値に調整することが出来ない場合が多い。

以下、ストレッチャー廻りのリギングに関して、ノーマルストレッチャーとSRDに関して比較しながら、シングルスカル艇のリギング設定に関して考察する。

1.Heel Depth:

Heel Depthに関しては、大艇の場合は、私は16cm~17cm程度としている。しかし、シングルスカル艇の場合は、船底が浅いので最大でも15.5cm程度が限度。これ以上下げると靴の踵が船底に当たってしまう。加えて、シートのレール幅が狭いので、Heel Depthが深いと脹脛がレールに当たって痛くて漕げなくなる。私(足のサイズ:27.5cm)の場合、シングルスカルでのHeel Depthは14.5cm~14cm程度に設定している。(足の小さい漕手はもう少し浅くしても良いと思う)

2.シューズの左右間隔。

シングルスカルは艇幅が狭いので、一般的なボルト3本でシュープレートを固定するストレッチャーでは、左右のシューズの間には指一本しか入らないほど、近づけざるを得ない。これだと左右の足が近すぎて、足でバランスを取るのが難しくなる。
SRDの場合は、シューズ固定治具(所謂、ボード)は、艇の幅が許す範囲で任意に広げる事が出来る。
私の場合は、2010年からSRDに換装し、シューズの左右間隔を広げるメリットを享受できた。(かれこれ9年以上、SRDを使用してきた)
一方で、近年、Wintech等、中国製のシングルスカルなどの小艇は、ボルト3本でシュープレートを固定する形式ではなく、シュープレートのセンターのボルト2本で固定するタイプを採用している。この形式だと、小艇の場合、狭い艇幅ながらもシューズを艇幅ギリギリまで広げて取付ることが出来る。但し、プレートがセンターだけで固定されるので、フォワード中にプレートに曲げ荷重が加わるので、プレートの曲げ強度を高める必要があり、若干、重量が重くなる。最近では従来のアルミプレートに代えて軽いカーボンプレートが採用される様になった。最近は、イタリアのFilippi社もシングルスカル艇はセンターで固定するプレートを採用する様になっている。(ドイツのEmpacher社は従来通りの3点固定式)

3.ストレッチャー重量:

設計体重75kg以上のシングルスカル艇は、競漕規則の下限重量14.0kg以内に艇重量を収めるのは、それなりに軽量化の対策が必要。
特に設計体重80kg以上の中量級以上の大きな艇では14kg以内に収めるのは、なかなか難しい様だ。(設計体重60kg以下の女子艇では、器が小さいので容易に14kg以内に収まる)
私の自艇は設計重量81kg。新造時の艇重量は、ノーマルタイプのストレッチャー搭載で14.0kg。
2010年、SRDに換装(シューズは初期の銀色の重たいタイプ)したことで、一時は艇重量が15kg以上となった。要するにSRDはノーマルより約1kgほど重かった。
SRDシューズは2年程度で踵が綻んでしまうので、概ね2年ピッチでシューズを換装。現在は、軽量型のシューズを取り付けている。
7月の全日本社会人選手権時の事前軽量で、艇重量を計測したところ、14.65kgだった。(艇は良く乾燥させた状態で計測した。)
言い換えると、下限重量14kgの艇に比べると、0.65kg重いということ。
ザックリ言うと、シングルスカル艇の場合、艇重量が1kg重くなると、2000mレースのタイムは約1秒悪化する。
即ち、現状の14.65kgは、下限重量ギリギリの14.0kgの艇に対して約0.6秒ハンデを負っているということ。

4.漕ぎやすさ(バランス安定性)の要素:

Heel Depthに関しては、1.項に記載の通りであり、シングルスカル艇であれば艇の大きさの問題であり、ノーマルでもSRDでも同じ。
シューズの左右間隔に関しては、通常の3点固定のシュープレートに対して、SRDは任意に左右間隔を設定できるメリットがあるが、2.項記載のセンター固定してプレートであれば、SRD同様に左右間隔を広げる事が出来。
次に、艇のバランス安定性に関して:
SRDの売り出し当初のボード角推奨値は50度としていた。(ノーマルストレッチャーは42度程度)ボードを50度まで立てると、ローイングサイクルの中で踵がボードに当たる事は殆ど無くなり、自転車のペダルの様に、ビンディング部分だけでボードに繋がっている様な形となる。この結果、フォワード中はシューズの踵で艇のバランスをを取るという事が、自ずと感覚として理解できるようになる。結果、バランスを取る事が難しいシングルスカル艇に於いても、SRD装着により、踵=脚でバランスを取るテクニックが身に付く様になった。
因みに踵でバランスを取る感覚を一度身に付ける事ができれば、SRDでなくノーマルタイプのストレッチャーでも、”踵でバランス”を取れるようになる。
以上より、バランス不安定な艇を乗りこなす為の練習の一環として、一定期間、SRD装着でバランス安定性練習を行う事は有効と思われる。

5.総合評価:

シングルスカルの漕ぎやすさ、バランス安定性改善という意味で、好ましいのはSRD。若しくは、左右間隔を広めに取れるセンター固定プレート式のストレッチャーが好ましいと考える。
一方で、レースで良いタイムを為には、艇重量を下限重量ギリギリまで軽量化する方が良い。女子の軽量級選手が使用する様なサイズの小さい艇に関しては、SRD装着でも乾舷重量ギリギリまで軽量化できるが、設計体重80kgオーバーの中量級艇以上のサイズの艇に関しては、SRD装着では、14kg以内に収めるのは少々難しくなる。
以上の観点より、SRD装着で下限重量をオーバーする大きなサイズの艇に関しては、ストレッチャーを軽くできるノーマルストレッチャーが良いと考える。但し、漕ぎやすさを追求する上で、シューズの取付幅を大きく取れるセンター固定式シュープレートを採用する工夫も必要と考える。

以上、シングルスカル艇のストレッチャーの最適化に関して要素毎に考察した。

次に、今回実施したマイスカルのストレッチャー換装(SRD→ノーマル)に関して、紹介する。

A. 現在使用中のSRD:


ストレッチャーボードシステムの重量は1,250g。シューズの重量は680g。合計重量は1,930g。
SRD付きの艇重量は14.65kg
ボード傾斜は初期、50度としていたが、種々、試行錯誤した結果、現在はノーマルストレッチャー同様の42度としている。(ボードを立てるとフィニッシュレンジが短くなるデメリットあり、最終的に一般的な42度とした経緯あり)
ボード角を寝かせた結果、キャッチ前でも踵がボードから浮き上がりは然程大きくなく、SRDシステム本来の恩恵は少なくなっている。
結果、SRD付きで、漕ぎやすくなっているものの、下限重量より0.6kg程重くなっているデメリットがある。(2000mレースで0.6秒のデメリット)
 船体から取り外したSRDシステム:1,930g
SRDボードシステム:1,250g....SRDは、このボードシステムが重い。
SRDシューズ(金具付き):680g。。。シューズ自体は軽い。

B.オリジナルストレッチャー:


マイスカルに元々装着されていたストレッチャーは、ボードセットの重量が595g、シューズ(プレート付き)の重量が687g、合計重量が1282g。
という事で、SRDに比べて648g軽い。このストレッチャーに換装すると、艇重量は14.0kgジャストとなる。
一方で、このストレッチャーは3点固定式のプレート故、左右の靴の間に指1本ギリギリ入る程度の間隔しかない。これだと、脚(踵)でバランスを取るのが少々難しくなる問題あり。
オリジナルの3点固定式シュープレート付きシューズ。(687g)
 同上、裏面。シュープレートは樹脂製。アルミ製より軽い模様。
同上、オリジナルボードセット(595g)

そこで、軽さは維持したまま、両足の間隔を広げる為、センター固定式のシュープレート形式に換装することを考えた。

C. センター固定式のシューズシステムへの換装:


Wintechなど、最近の中国製シングルスカル艇では、シュープレートをセンターボルト2本で固定する形式が標準となっている。
そこで、桑野造船に、センター固定式のシュープレートとローイングシューズを発注した。(本日、自宅に届いた)
センターで固定する形式故、シュープレートには曲げ荷重が加わる。対策としてプレートの剛性を向上するため、板厚が増厚されている。結果、プレート付きシューズの重量は765gと、元々付いていた3点固定式のシューズより78g重くなった。
一方で、センター固定のボルトは2本で良いので、ボルトは1本減らすことが出来、ボードセットの重量は11g軽くなって584gとなった。(シューズプレート固定用ボルトは写真に示す様に、電動ドリルを使って、センターにボルト1本追加する加工を行った。同時に左右のボルト2本は不要なので取り外した)
以上、この形式でのストレッチャーセット合計重量は1,349gと、オリジナルより67g重くなったが、SRDよりは581g軽くでき、艇の重量は14.07kgとなる。

 センター固定式シュープレート付きシューズ。(765g)アルミプレートが剛性アップの為、少し重い。
 同上、裏面。シュープレートは軽め穴が幾つも明けてある。
 オリジナルシューズと桑野製シューズの比較。センター固定式の方が左右間隔が広い。
 SRDと桑野製シューズの比較。センター固定式はSRDとほぼ同じ左右間隔。
 桑野製センター固定プレートを取り付けるため、左右のボルトを外し、センターにボルト1本追加の加工。5mmφドリル刃を使用。
 ボードのセンターにM6ボルトを1本追加。
 シュープレートはセンターのボルト・ナット2本で固定している。プレートの穴は15mmピッチなので、Heel Depthの調整10mmピッチとなり、5mm単位の細かい調整は出来ない。(ここは難点。要すれば、ボードのボルト取付を5mmずらして微調整するか?)


上記の通り、次回乗艇時に、今回、準備した上記C.項記載のセンター固定プレート式シューズ形式のストレッチャーを取り付ける予定。
これで、漕ぎやすさがSRDと遜色無ければ、約0.6kg軽量化したメリットが、艇速向上として現れると期待する。

以上

台風が来る前に荒川で乗艇

今週2回目の平日スカル乗艇。
猛烈な台風19号が、今週末、関東地方に上陸することが予想されている。
その前に戸田へ行き、コンディションの良い荒川でスカル乗艇した。
今回の台風、強風だけでなく、大雨も降る様であり、予想通りの大雨が降れば、来週、荒川は増水影響が暫く残るだろう。
この意味で、来週の平日は荒川では漕げないだろう。
という事で、今日の荒川乗艇は貴重な機会といえよう。

北北西の風、3m程度で少し肌寒さを感じるほど涼しいコンディション。(岸蹴り時の気温は18度程度)
メニューはB2 UT漕と、250m x 12のレースペース漕。

一昨日の動画を見たが、リカバリーでのブレードと水面のクリアランスが十分でなく、微かにブレードで水面を擦っていた。
そこで、今日はリカバリーでのハイフェザーにフォーカスして漕いだ。

私の自艇は水線面の幅が26cm弱と、幅が細く不安定な艇。
なかなかバランスを安定させるのが難しいが、クリーンなブレードリリースと、右手を意識して下げる様にしてハイフェザーを心掛けた。
意識すれば、(多少ふらつきはあるが)ハイフェザー出来る様にはなった。
今後もハイフェザーに取り組んで、無意識で出来るようにして行きたい。

今日の荒川は下げ潮。風は北北西3m。秋が瀬迄の往路は逆流・逆風だが、秋が瀬での折り返し後は順流・順風。
復路は、秋が瀬からのB2 UT漕では、レート20で、Ave.2:18/500mの艇速が出た。

最後は250m x 12set。Restは250m LW。

レート31~32。
兎に角、ドライブはLeg Driveオンリーとし、上体・腕は意識してリラックス。
腕は脱力して、ブレードコントロールに徹し、ハイフェザーしながらリズムよく漕ぐことに注力した。
順風・順流という恩恵に恵まれ、12セットの平均ペースは、1'51"/500m, SR32だった。
UT漕での秋が瀬往復の艇速から川の流速を計算すると、流速は毎秒0.2m.

250m x 12の艇速を静水換算すると、1'56"4/500m、SR32.3となる。
今年度、250m x 12で出た最も良いペースは6/18の2'00"7/500m, SR30.8(静水換算)なので、今回はこれを4秒以上の大幅更新することが出来た。
おーヨシヨシ!

平均ペースが上がった要因は、やはりドライブ出力をLeg Onlyとし、上体・腕をリラックスさせてハイフェザーしたことだろう。
リカバリーで返しが低いとブレードで水面を擦って抵抗が大きくなる。また、上体が力んで後半のペースダウンが著しい。
やはり、ボートは”脚で漕ぎ”、”上体・腕はリラックス”=”腕は紐”のイメージで漕ぐ事が肝要であることを再認識した。

<写真>
 8時27分、岸蹴り。荒川水位@笹目:0.8m AP
9時24分、秋が瀬到着。
 10時14分、揚艇。
 Goten号と青空。

以上

スカル乗艇を久しぶりにGoPro撮影

今日は荒川でスカルを漕いだ。
自分の漕ぎをチェックするために、久々にGOPROカメラを艇の船尾に取り付けて撮影。

今日は朝、雨が降り、天気はよくなかった。しかし、涼しいので、ボートを漕ぐには丁度よい天気だった。

メニューは先週火曜と同じB1 UT漕とHOAコーストレース。
UTは精度の高いブレードワークに注力した。
帰宅後、動画で自分の漕ぎをチェックした。
気になったのはリカバリーでのブレードと水面のクリアランス。
水面を僅かに擦っている(特にB-side)ので、もっと高く返して、ブレードと水面のクリアランスを大きくしたい。
そのためには、右手をもっと下げると同時に、左手のHands awayを右手より先に出して左手も下げる様にしたい。

今日は小潮の上げ潮。
HOAコーストレースは僅かに逆流だったので、タイムは25'25"(Ave.2'25"/500m, SR22)と、良くなかった。
全体的にはリラックスして、リズムよく漕げた。
残念だったのは、ゴールの少し手前でウェイクの曳き波にやられたこと。

そうそう、HOAコーストレースのゴール後、揚艇する直前に水上バスが上がってきた。
水上バスは大型だったが、船速をDead Slowにしていたので、殆ど曳波がなかった。
東京五輪の交通渋滞対策の試運転だろうか?
船名は「あじさい」。

あじさい号の後を追う様に、少し小さい水上バスが大きな曳波を立てて上がってきた。

以上

<写真>
 8時18分、荒川出艇前。艇庫前にて
 8時24分、岸蹴り。
 9時02分、大曲にて
 9時18分、秋が瀬。水温計測(23℃)
 10時06分、HoAコーストレース後。水上バスあじさい号)が上がってきた。
 10時08分、着岸。
 揚艇。

<動画>
20191008 1X @荒川 W Up FW&CW
https://youtu.be/8sEc1V36RGc

20191008 1X @荒川 W Up 1本漕ぎ、RP10本、SS
https://youtu.be/lYYYuJklw80

20191008 1X @荒川 B1 UT漕 1 (笹目→大曲)
https://youtu.be/dvRIY9ZwLrQ

20191008 1X @荒川 B1 UT漕 2 (大曲→秋が瀬)
https://youtu.be/1OUYsSsJQ0I

20191008 1X @荒川 B1 UT漕 3 (秋が瀬→大曲)
https://youtu.be/mRUM81fDmEo

20191008 1X @荒川 HOAコーストレース 主要カーブワークの要点のみ
https://youtu.be/potN6wLc99g

20191008 1X @荒川 HOAコーストレース ノーカット版
https://youtu.be/px63fPEPm1s

20191008 水上バスの曳波、かなり大きな波だった。
https://youtu.be/cv-cqdyI26E

以上