Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

仙台大学漕艇部でのベンチマーク調査:

東大参加者: HC:氏家、学生C:1名、3年漕手:2名、3年コックス:1名
行程:
10月2日(金)13時40分出発東大艇庫よりマイカー一台に乗り、仙台大学へ(約340km、所要時間4時間40分程度)
       19時〜21時:仙台大コーチ陣3名と東大5名でトレーニング内容に関して聞き取り調査
             新設したトレーニングルームとエルゴルームを視察
10月3日(土)早朝:付きフォア合同クルー(S仙台、3東大、2東大、B仙台、C東大)で乗艇練習
          コーチ陣はモーターボートに乗り、仙台大コーチの水上コーチングを視察
      午後:同上
      夕刻:仙台大男子部員と東大参加者で懇親会
10月4日(日)早朝:乗艇とコーチング視察
       9時過ぎ現地出発、マイカー一台に乗り、東大艇庫へ(約340km、所要時間4時間20分程度)

仙台大コーチの乗艇コーチングを見た感想(氏家の感想):

  1. 今年春に、元野球部の寮だった別棟の宿舎を改造し、1Fトレーニングルーム、2Fエルゴルームを設けた。(個室の壁をすべて撤去してウナギの寝床のような細長いトレーニングルームを造った。
  2. 合宿所は、工場の独身寮だったところを買い取って漕艇部の合宿所へ改装したもの。建物は古いが企業の独身寮だった ものであり、食堂、風呂場、敷地面積など大変立派なもの。白石川の土手の直ぐ近くにあるため、土手を超えると、すぐに白石川へ蹴りだす固定船台あり。
  3. 白石川の練習コースは、季節によって水位が下がることあり。常時練習水域として十分な水深が確保できる水域は距離にして1000m程度。従って、この1000mの水域を往復する形で乗艇練習している。
  4. コーチは、監督、そしてアシスタントコーチ2名の3名。3名とも常時乗艇練習にアテンドしている。3名とも大学職員であり、大学漕艇部のコーチとしてフルアテンドする体制。ということでフルタイムコーチ3名というコーチングスタッフは非常にリッチなチーム。 水上練習では、 上記3名がアルミボート1艇に相乗りし、1000mコースの中間付近で定点観測&コーチングしている。 すなわち、選手は片道に一回はコーチに見てもらいアドバイスを貰っている。
  5. 水上練習は、”選手は常に水中はフルパワーで漕ぐ”ことが前提にあり、コーチは概ね専らテクニック面を選手に指導している。 この結果、仙台大の選手はテクニック面で非常に良い漕ぎを身に着けている模様。
  6. 次の点は現在氏家が東大選手に指導している漕法のポイントと同じであり、仙台大選手の漕ぎは良いお手本に見えた。(1)ドライブの順番は、脚、腰、腕の順番。まず脚で体を飛ばすことが基本。(2)フィニッシュは最後まで水平に押し切り、クリーンにリリースする。(フィニッシュで”よく支えて”からハンドルをドロップダウンするという表現を使っていた) (3)リカバリーではブレードと水面クリアランスを十分に取り、水面を擦らない。 (4)キャッチは、ブレードの重さを使って軽くエントリーし、素早く脚でドライブ。 (5)キャッチで素早くぶら下がり、最後までハンドルへのサスペンションをキープして加速し続ける。
  7. 比較的短い距離で折り返し漕ぐ形の乗艇で、それを定点で観測・指導するやり方は、コーチングする際に有効であると感じた。東大でも平日早朝の荒川乗艇では、中大裏手〜笹目水門間の1500m直線コースを使って往復練習&定点観測をする形を採用しようと思う。そうすれば 、対校・ジュニア・新人を一度にコーチング可能。
  8. 今回東大から参加者した漕手2名とコックスは、仙台大3年漕手と付きフォアクルーを組み、3回乗艇した。艇レートUTでは、仙台大漕手の動きを真似てフィニッシュまで長く水平に加速する漕ぎができるようになった。但し、レースペースなどレートが上がると元のフィニッシュレンジが切れて短くなっていた。

今回は大変良いベンチマークができた。