Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

おやじのメール、その2:

関連の自然現象の要点を箇条書きすると:
1)空気と水は水面を境にした別々の流体であり、その流れも各々別物である。
2)従い、川など流れがある水域では、以下の4種の状態が発生する。(ここでは横風状態は割愛)

  1. 順風・順流: 風と流れが同一方向であり、水面は概ね平穏。順風で対水速度が上がり、流れで対地速度も速くなり、早く目的地に着く。
  2. 順風・逆流: 風と流れが喧嘩するので、水面は波立つ。順風で水中は軽いが、波乗り状態となり少し漕ぎにくい。
  3. 逆風・順流: 風と流れが喧嘩するので、水面は波立つ。逆風で水中が重く、波が次々と襲い掛かるので漕ぎにくく、苦しい
  4. 逆風・逆流: 風と流れが同一方向であり、水面は平穏。逆風で水中は重く、流れで対地速度も遅くなり、なかなか目的地に着かない。 しかし比較的平穏な水面なので比較的漕ぎ難くくはない。

という事で、3.が最も漕ぎにくいコンディション。 荒川の場合、下げ潮時に東風が吹くとこのコンディションとなり苦しい状況となる。
3)戸田コースのコンディション:
前述の通り、閉鎖水域であり、基本的に流れは生じない。 しかしながら、コース方向に沿った東風や西風が吹くと、水面付近の水が風の摩擦で少し流される。これは表層のみ。内部の状態は想像だが、表層の水が風下へ移動すると風下側の水位が僅かに上昇する。風下の水圧が上がるので、ポンドの底で風上側へ移動する循環流が生じているものと思われる。
私は毎週1X艇で夜間乗艇しているが、その際のSpeedCoachデータを見るに、東風や西風が3〜4m/s吹くと、1000m(約4分半〜5分)漕ぐ間に、10m程表面が流れる事が観察される。即ち毎秒3〜4cm程度の流れ。
また、風が吹いた時に水面に生じる小波は風によって出来た波の移動であり、水が流れている様に見えるが、水の流れではない。例えるなら、ベッドのシーツの下に棒を入れてその棒を移動させると、シーツ表面の波が移動するが、シーツ自体は動かない。この原理と同じで、波が動いても水は移動しない。