Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

艇庫運営:

一般の大学ボート部の艇庫は収容能力が限られており、古い艇が多かったりすると艇庫が満杯になって収容しきれず苦労することになる。シングルスカルなどが増えたりすると、元々チームボートの収納を前提とした設計思想から逸脱し、収容しきれず困ったことになる。これを補おうとしてスカル用の移動式ラックを艇庫に入れているクラブが散見されるが、これがまた、大変な厄介者であり、導入した後でシマッタということになる。
一方、我がT大艇庫はH15年に高層の大収容能力を持った新艇庫を別棟で建設し、単一クラブとしての艇収容能力は、H大と並んで日本一だと思う。他のクラブからみれば羨望の眼差しであろう。にも拘わらず、今年度新艇を購入したのでアームが足りず、移動式ラックを導入したいが如何でしょうか?という相談を受けた。おやじにしてみれば「現状の使い方には余裕があり、工夫次第でまだまだ収納できる」と思っているので、じゃあ今度の週末に相談に乗ろうということになった。大収容能力を有する艇庫の運営に関するおやじの一般論は以下の通り。:

  1. 移動式ラックは解決策にはならない:大きな艇庫を有するクラブはクルー数が多いということであり、艇庫に保管されている艇を自由自在に出し入れしなければならない。こういうところに、アームを増やそうとして移動式ラックを入れると、艇庫を開ける度に移動式ラックを外に出さねばならず、これが手間である。勿論、外に出せば移動式ラックに置かれた艇は艇の大敵である紫外線に曝されることになる。しかも艇庫の前が狭かったりするとこの移動式ラックが邪魔になり、もう勘弁してくれという状態になってしまう。従い、大きな艇庫を有するクラブは移動式ラックは円滑な艇庫運営の障害と思った方が良い。
  2. 通常では手の届かない高段のアームは、倉庫扱い:踏み台やクレーンを使わないと出し入れできないアームは倉庫と考えるべきである。倉庫扱いと理解すれば、リガーを外してアームに並列で2杯並べる等して詰め込めるだけ詰め込むことを徹底すれば良い。尚、手の届かない高段アームに載せた1X艇を出し入れするY字棒をカラーパイプで製作する要領書を纏めてみた。
  3. 季節ごとの艇の入れ替え:大学ボート部の場合、シーズン中はレース種目の艇、オフシーズンは1X、2X,4+などの小艇という風に季節に応じて使う艇が変わるので、季節に応じて艇の入れ替えをすれば良い。
  4. 満杯になったら、後はスクラップ アンド ビルド:艇庫が主要能力一杯になった後では、新艇を入れようと思ったら、普段使わない老朽艇を廃却処分しなければ、入れることは出来ない。この辺りが監督とマネージャーの腕の見せ所である。こういう時に古い艇を捨てきれずに、解決策として移動式ラックを導入しようと考えるのは、その後の情況を考えない浅はかな考えであると思う。