Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

艇の扱い:

  1. ボートで大事なのは船底:おやじは造船技術者なので当然知っているが、ボート(船)の抵抗を左右する上で最も重要な点は、船底スキンを清浄に保つということである。おやじが学生の頃は、月に1回程度はCOXが中性洗剤とスポンジで船底を洗っていた。最近、T大のスカラーが揚艇後に艇をタオルで拭いているところをみると、ローイングスペースやカンバスなど、漕手から見えるところばかり一生懸命に磨いているが、肝心の船底の方には殆ど無関心の「トンチンカン」が多い様に見受けられる。気付いた時に、その場で「ボートで重要なのは船底であり、先ず船底を綺麗に拭きなさい」と注意している。
  2. 戸田コースを漕ぐならスピードコーチは不要:スピードコーチは、船底にインペラーの付いた小さいフィンを両面テープで船底に取り付けて、インペラーの回転数で漕いだ距離や艇の速度を表示する小道具である。一方、戸田コースの場合は100mピッチでマイルストーンがあるので距離は分かるし、500m毎のランドマークでストロークコーチや時計があれば容易に艇速を把握することが出来る。従い、コースで練習している限り、スピードコーチは必要なくストロークコーチで十分だ。コースで練習するクルーが何故スピードコーチを取り付けたいのかが理解出来ない。しかも、スピードコーチの精度は余り良くない。そもそもスピードコーチは流れのある川や、正確な距離が把握できない水域で練習するクルーのための小道具である。まあ、戸田でも荒川で練習することが多いクルーなら、スピードコーチを取り付ける意味はあるが。。。。
  3. インペラーをガムテープ等で取り付けるのは止めよう:前述の通り、ボートで重要なのは船底の清浄性や粗度である。だからレース艇は船底に傷の無い綺麗な艇を選んで使う訳である。それにも拘わらず、T大の現役はインペラーをテープで船底に固定するという、ボート選手にとって「あるまじき行為」を平然とやってのけている。おやじは以前から何度と無く注意してきたが、この馬鹿さ加減には唖然とする。レース艇の船底にガムテープを貼り付けるということは、ウン百万円もする高級車のボンネットにガムテープを貼り付けることより、更に何倍も酷いことをしているという事だ。コーチは何を見ているのか?自分の恋人の綺麗なホッペタに、ガムテープを貼り付けているのと同じことをしていると言うことに気付いて欲しい。こういう悪しき習慣は早く断ち切って欲しい。

上記の具体例を参考までに添付する。下の写真は一昨年の年末に撮影したもの。伝統校のボート部員がこういうことをしてはならない。新人時代の躾が悪いということかも知れない。

<解説>
スピードコーチのインペラ−は、本来はインペラ−の裏面にある両面テープで船底に固定されるものである。T大ではインペラ−を艇を乗り換える度に付け直すのでガムテープで簡易に固定する習慣が出来てしまっている模様。しかし、ガムテープ等を使うと、①ガムテープと船底スキンの間に微小な段差が出来て抵抗が大きくなる、②ガムテープを長期間船底に貼り続けたままにすると粘着部が船底の塗装に悪影響し、塗装が傷む、③ガムテープを剥す際に塗装を傷める可能性がある、④躾として船底は清浄に保つべきであり、こういうことをすると、クラブとしてモラルが保てない。そもそも戸田コースで練習するのにスピードコーチは必要ない。
以上