Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

PM:荻野で2X乗艇

8時半過ぎに釜房湖を出発し福島の荻野漕艇場へ向かった。
途中でコインランドリーへ立ち寄り、ローイングスーツなどの汚れた衣類を洗濯した。洗濯機:40分(300円)、乾燥機:13分(100円)ロスタイムも含めて約1時間。田舎のコインランドリーは駐車場が広く、空いているのでマイカーでの旅行では便利だ。
12時頃に磐越道会津坂下ICを出て荻野に向かった。途中にある食堂で昼食を取ろうと思ったのだが、この辺りの田舎では人口が少ない為か、食堂や商店・コンビニは殆どない。後の祭りだが途中のサービスエリアで昼食を食べておくべきだった。
漕艇場のある旧高郷村に入る前に”喜多方市カイギュウランド”なる博物館に立ち寄った。高郷は太古の昔海底だったところが隆起した土地であり、様々な化石が出土するとのこと。カイギュウとは現代のジュゴンマナティーのことであり、カイギュウの化石が高郷で出土するとのこと。
 カイギュウランド
 18世紀初頭までアリューシャン列島付近に生息していたステラーカイギュウ。人間の乱獲で一気に絶滅してしまった。

この博物館で、荻野漕艇場近隣にある食堂を聞いたところ、高郷駅近くの吉田屋が良いと勧められた。というか、高郷には吉田屋以外に食堂は無い。
吉田屋へ行き、チャーハンを頂き漕艇場へ。

予定通り、13時半に荻野漕艇場に到着。
既にT部さんが到着していて2X艇を出してくれていた。
早速、リギング作業開始。

右手上漕ぎと左手上漕ぎのスカラーが2X乗艇する実験:
さて、スカル漕ぎではハンドルのクロスオーバーという問題があり、今では世界的に左手を上(右手を下)にしてクロスオーバーする事が常識となっている。
しかし、旧東ドイツなどでは右手を上にすることを基準としている国々も多かった。
ということで、30年くらい前までは日本でも右手を上にして漕ぐスカラーも多くいた。
私は一般的な左手上だが、今回一緒に漕いだT部さんは右手を上にして漕ぐスカラーだ。(T部さんは、高校生時代に世界ジュニア選手権に出場したツワモノ)

一般的には、こういう場合、右手上で漕ぐ漕手が譲歩して逆の左手上に修正して漕ぐことになる。
これは左右のハイト差を1cm程度と小さくするとクロスオーバーする際に艇を傾けざるを得ないため、手の上下を2人で合わせる必要がある。
しかし、私が推奨している左右差を2.5cmから3cmと大きく取ればクロスオーバーの際でも艇を傾ける必要がなくなる。
そこで、今回はT部さんもハイト差を3cmと大きく設定し、彼本来の右手上のまま漕いで貰うことにした。
左手上と右手上の漕手が、そのまま漕ぐと双方が漕ぎにくいので成功した事例がない模様。しかし今回はハイト差を大きく取る事で艇の傾きを無くし、漕法が通常通り気持ちよく漕げるかどうかを実験してみた。
T部さんは通常1cmのハイト差としており、3cmのハイト差は初体験とのこと。漕ぐ前は少々懐疑的だった模様。

さて岸蹴り。
漕ぎ始めてすぐにT部さんから、”あ、これ、全然違和感無いですね”との声が出た。
二人で一緒に漕いでも、私自身も全く違和感なく漕げた。
ということで、右手上のスカラーと2Xを漕ぐ際には、ハイト差を3cmに設定すればOKという事が分かった。

漕艇場と東電の合意で、安全規則上、4?上流の合流地点で折り返すことがルールになっている。
荻野の水域は下流側の1000m公認コースで直線が取れるが、上流側は合流点までは直角に曲がったようなカーブが多く、2000mレースに向けた練習をするのは少々難しい。
そこで、今回はT部さんと話をして自己責任で更に2.2km上流のポンプ場まで上ってみた。
合流点からポンプ場までは緩やかなカーブで2.2km取れるので2000mTTも出来る。

荻野の水域は、艇庫や船台が整備され、且つ、合宿できる民宿などが多い。
戸田からも約300km比較的近い(マイカーで途中休憩を確り取っても4時間半)
JRの高郷駅も歩いて行ける距離なのでアクセスも良い。
また、上流に上ればあまり舵を切らずに2?を通しで漕げる水域があるので、夏場の避暑合宿におあつらえ向きのコースと思う。(問題は合流点より先に行ってはならないという現行ルール)

避暑合宿場所として荻野を使うというのも良いと思った。

 14時14分。2X艇のリギング。
 大分古い艇だが、デルタ造船製の2X艇を借艇しリギング。

 14時47分。岸蹴り。
 14時53分。1000mコースのスタート地点からゴール方向を見る。
 バウに乗るT部さん。
 整調に乗る私。
 15時00分。岸を蹴ってから2kmほど登ったJR鉄橋付近。
 推進は30m以上らしい。
 15時13分。更に2km上った阿賀川と只見川の合流点。漕艇場の安全規則上はこれ以上先には上れない。

 15時24分。合流点から2.2km上ったポンプ場(白い建物なので”ホワイトハウス”と呼ばれている)で折り返し。(今回水域調査目的で、自己責任でここまで上ってみた)
 上流を見る。水深は十分あるので更に2km先まで上れるらしい。


 15時26分。岸蹴りから6.2kmを示すGPS SpeedCaoch。
 復路。JR鉄橋をみる。
 気温は高くても水温が低く、両岸は緑の森なので蒸し暑さは感じなかった。
 16時13分。揚艇後にT部さんと記念写真。
 今日漕いだ水路のGPSデータ(T部さんより頂いた)

揚艇後に高郷の”ふれあいランド”へ行き温泉で汗を流した。ここは大きな露天風呂がある。ボートを漕いだ後はここで湯につかるのがお勧め。(300円)

元高校教諭:中島先生が私財で建設した会津落水会艇庫。1Fが艇庫、2Fは中島先生の研究室+書庫+キッチン+食堂+合宿部屋となっている。
中島先生、お会いしたことは無いが人づてに凄い人とは聞いていたが、”ここまで!”とは思わなかった。この意味で今回荻野に来た甲斐があった。今夜はここでT部さんと鍋を囲んで夕食を取り、1晩泊めさせて頂いた。

 夕食後、T部さんと撮影。

今日は朝:釜房で12?、夕方:荻野で13kmと沢山漕いで体に疲れが溜まったので、明日早朝の荻野での1X乗艇は止め、朝一で戸田に戻ることにした。

以上