男子シングルスカル決勝には、昨年度の主将、越村君が出漕している。これまで彼のスカルレースを見ていなかったので、どんな漕ぎをするのか興味津々だった。
今年は大学院1年生ということで、院の勉強が忙しく、本格的にスカルの乗艇トレーニングをスタートしたのは、3月頃かららしい。
このため、彼のW.Upの漕ぎを見ると、未だスカル漕ぎに不慣れなギコチナサが観察できた。しかし、彼の場合は、素晴らしい体力(エルゴ)があり、これにモノを言わせてスカルをグイグイ推し進めるタイプ。
さて、レーススタート。彼は前半が強いので、序盤にリードを奪えると予想していたが、隣の日大:宮崎選手が素晴らしいスタートスパートを見せ、250mでは早くも1Lリード。越村も高めのレート(36?)でグイグイ追走するが、なかなか艇差が縮まらない。というか、2Qに入って、艇差がまた少し広がった。3Qに入ると越村も疲れが出た様で、1位と艇差がみるみる広がり、3から4L差になった。こうなると優勝が遠ざかる。代わって遥か後方で3位争いをしていた佐賀医大の中村がグイグイと艇差を縮めて迫ってきた。もともと50m近く離していたので安全圏ではあるが、追い上げの艇速鋭く、見ていてややひやひやした。
結局、越村は2位をキープしてゴールイン。東大にインカレ銀メダルをもたらした。良く頑張った。
東大では、大学院に入ってボートを継続する者は少ないが、可能なら、越村君の様に大学院に入ってもボート競技を継続して欲しい。
大学4年間では、強い漕手はエイトの漕手としてチームのために活躍頂く必要があるが、4年卒業後は、競技経験を積み上げるという意味で、シングルスカルなど小艇でレースに出漕することは、当人のボート人生の中で得難い経験となると思う。
特に将来の指導者を育てるという意味に於いて、大学院等でボート競技を継続する事を強く推奨したい。
以上