Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

大学3年間で漕技基本を身に付ける為にどういう練習が必要なのか?:

大学ボートは毎年新人が入って来るので、人がドンドン入れ替わる。ある年だけ優秀な選手が集まったとしても、その強さは継続できない。即ち、トレーニングプログラムとしてのボートの練習を良くしないと大学ボート部の強さは継続できない訳である。残念ながらT大ボート部はS62年(1987年)のインカレ優勝以来、エイトの優勝から遠ざかっており、クラブとしてのレベルが落ちてしまっている。特にキャッチの正確さ及び一枚平に押すブレードワークの正確さが昔のT大強さの源であったが、今は逆にこれが他大ライバルクルーに比べて劣っており、弱さの原因になっている。しかればこのキャッチ周りの技術(含むフォワードコントロール)とブレード一枚をキープする技術に関して、昔のT大がやっていた練習法で、今継続し出来ていない練習法があるのではないか?という面で考えてみると:

  1. 昔はバック台を使って、2人1組で、一方にキャッチ姿勢を取らせ、もう一方がハンドルを引っ張ってキャッチからハンドルにぶら下がる姿勢を造らせる練習をしていた。これは先日来おやじが述べている腕と肩を前に伸ばし、肩甲骨を前にスライドさせることに繋がる。上の写真を見れば分かるが、昔のT大選手は皆肩が前に良く伸びたのである。
  2. 昔は4台のバック台を横に並べてSweepの動きをシミュレーションし、細かな動き(脚、腰、腕のドライブ連動過程、ハンズアウェー、フォワード、ギャザーなど)四人単位で合わせた。(残りの4名が互いのコーチ役となる)エルゴは直線運動であり、Sweepの回転運動はシミュレーションできない。
  3. 荒川主体の乗艇練習:体格及び基礎体力面でT大は、私大選手に比べて見劣りする。これは昔からそうだった。これを補うのは乗艇練習の量である。量を漕ぐには荒川に出艇するのが一番良い。T大は荒川に一番近いところに艇庫があり、最高の立地条件にある。でも最近、アレレ?と思うのは、荒川に出す時には必ずモーターが付くということになっているらしい。逆に言うと、モーターボートの伴走無しでは荒川に出艇出来ないということだ。おやじの頃はモーター無しでドンドン荒川に出艇して漕ぎまくっていた。(LBRCは今でもそうだが。。。)この辺りは安全対策を良く考えて、モーター無しで荒川に出艇できる様に部内規則を改めた方が良いと思う。全国的に見れば、自然の川や湖で練習するのが殆どで、平日の乗艇ではモーター伴走無しが普通なんだから。。。
  4. 大利根遠漕:大利根遠漕とは、戸田と千葉県銚子港の間を荒川〜江戸川〜利根川を介して片道約200kmの行程をナックルシックスで往復する遠漕のこと。おやじの頃は1年〜3年までの学年で8クルーを組み、行き組4クルー、帰り組4クルーで200kmを3泊4日で漕破していた。この大利根遠漕が非常に良い練習になるのだ。1年生を半分以上乗せて漕ぐわけだが、漕法やリズムが良くないと最後まで漕破できない訳である。漕ぎ進めて行く内に体が疲れてくると無駄な力が抜けて、本当にボートを進めるために必要な力だけを使って漕げる様になる。エルゴや体力が強くてもブレードワークや体の使い方に無駄なところが多い漕手は、遠漕で並べて勝つことが出来ない。コーチが見ていなくても、こういう現実が自ずと分かる。今は隔年で往路のみ実施。しかも毎日クルーを交代させて、単なるイベントとして実施している様だ。これを昔の姿に戻せれば大分良くなる筈だが。。。
  5. 遠漕メニュー:遠漕メニューとは、実際に遠漕に行くわけではないが、戸田を起点として荒川を遠漕並みに2日間漕ぎまくることを遠漕メニューと言う。今の学生は漕ぎに無駄が多いが、遠漕メニューをすれば大分無駄が取れるはずだが。。。 一方で今の様なゴソゴソ漕ぐ荒削り漕ぎでは、2日間の練習を漕破出来ないという可能性もありそうだ。この秋の間に徐々に漕ぎを改善して、年末にはエネルギーの尽きるまで漕げる様になって欲しい。そうなればその先のステップに進むことが出来る。

以上