下記を目的として冬場に小艇トレーニングをするクラブが多い。
- 冬場に重い水を確り押し、漕力を養う。
- 水を押した分だけ艇速が増すという因果関係を体感し、漕力を増強する必要性を知る。
- バランスに敏感な艇に乗り、自らの動きと艇のバランスの相関関係を体感する。
- 少人数に分解することで、整調を漕ぐ機会が増え、整調としての育成及び人材発掘に繋がる。
小艇トレーニングに利用される艇種とその長所・短所:
- シングルスカル:相棒なしで1人で練習できるところが良い。また、並漕やTTで個人単位で漕力も計れる。一方で初級者がキチンと漕げる様になるまで長い練習期間が必要であり、1ヶ月以下の短期間小艇練習には向かない。また、エイトのSweep漕ぎの改善には直結しない。
- 無しペア:Sweep種目として最小単位であり効果的。但し、未熟な漕手には操舵は難しい。サイドに1名ずつなので初級者への技術伝承には向かない。
- 付きペア:余り普及していない艇であること、また、漕手2名に対してCOX1名必要であり現実的ではない。
- 無しフォア:スピード感覚がエイト並みであり、重い水を確り押すという意味では適当でない。また、安全上の問題もあり、冬場に要求される川でのロングには不向き。
- 付きフォア:エイトより相対的に水中が重く、また、バランスも敏感である。また、整調ペアにベテラン、Bowペアに新米漕手を乗せれば技術及び漕法の伝承になる。COX付きなので川でロング漕可能であるのと、COXのトレーニングになる。
以上、エイトへの繋がりを勘案すると冬場の小艇トレーニングは付きフォアが最適というのがおやじの自論だ。尚、冬場に付きフォアを使う場合には、出来ればStern COX席の付きフォアを選びたい。理由は、①整調とCOXの連携、②COXが拡声器無しでコールできる(発声練習)、③COXの防寒及び安全対策。クラブにStern COXフォア艇が無ければ規格艇を借りて使えば良い。