Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

乳酸値(心拍数)とボートのトレーニング

oyajisculler2011-02-21

先週のログに、AT漕導入と、トレーニングにおける心拍数管理の活用を述べた。 ボートに関する心拍数管理やATトレーニングの活用に関して参考となる資料が無いかとネットで検索したところ、これらの簡単な解説が掲載されたサイトを見つけることが出来た。(下記URL)
https://biz.arkray.co.jp/lact/satomi/satomi02.html
著者はR命館大学のS見先生。 因みに、日ボのS本G健コーチはS見先生の教え子の模様。 乳酸値(運動強度)と運動継続時間の関係から、トレーニングを6段階(I〜VI)に分類し、各々のトレーニングの意味合いを簡単に解説している。

LBRC のVirtuクルーがオフシーズンに実施しているライトパドルのロング(SR20以下)は、ここで言う運動強度カテゴリーでV〜VIに相当する。先週末からVirtuクルーで取り入れたAT(別名LT)トレーニングは、運動強度カテゴリーのIVに相当。
S見先生のカテゴリーと乳酸値、心拍数、強度、ストロークレートの一覧表より、カテゴリーIVのデータを抜粋すると:

  1. 乳酸値: 2.5〜5.0
  2. 心拍数:200 −年齢 (50歳:150)
  3. 強度: 80%〜90%
  4. ストロークレート: 23〜30
  5. 運動継続時間: 8分〜40分程度

2月19日(土)のVirtuクルーが荒川で実施したSR26, 2400m(9分弱)、SR150前後は、正に上記カテゴリーIVに相当している。

LBRC乗艇トレーニングのPeriodization:

  1. オフシーズン(11月〜2月)に重点的に実施しているカテゴリーV〜VIを土台として、シーズン入り前から、強度の高いトレーニングを徐々に導入してゆく。(但し、シーズン中でも、V〜VIの低レートトレーニングは継続の要あり)
  2. レースシーズンの2〜3ヶ月前(2月中旬頃)から、カテゴリー?のATトレーニングを織り込んでゆく。(最初は低めレート(SR26)より導入し、徐々にレートを上げて行く。この際、漕技を乱さず正確に漕ぐ事ができる事が前提)
  3. 最強強度のカテゴリーIは、無酸素運動。これは、冬場からW.Upの中に、静止スタート練習を織り込んで、一年間を通じて取組む。 尚、冬場は、5本+10本迄としているが、シーズン前から10本増やして、5本+10本+10本まで行い、レースに備える。
  4. 強度カテゴリーII(1000m前後)、カテゴリーIII(2000mTT)は、レースの1〜1.5ヶ月前からレースペーストレーニングとして行う。

乳酸値に代え、心拍数で管理:

我々は、乳酸値を測定する事は困難(計測機材を持っていない)ので、心拍数で管理する。LBRC Virtuクルーではハートレートモニター(1万円以下で簡単に手に入る)を各自が購入し、乗艇時に装着する様に、皆さんに強く推奨している。
これにより:

  1. レーニング中の心拍数を各自がリアルタイムで把握・管理できる。
  2. 同じクルー内でも、漕手の体力に大きなバラツキ(エルゴ2000mで:最強:6分40秒台 〜 最弱:7分50秒台)があり、単純に水中出力絶対値で管理すると、体力の弱い漕手に過大な負担な負荷が掛かる。そこで心拍数で管理し、各自のキツサ加減を公平に管理する。
  3. 練習メニューを伝える際に、運動強度レベル(目標心拍数)をクルーに伝え、目標心拍数をキープする様に各自が強度を管理する。
  4. AT漕等、漕いでいる途中で、漕手が自分の心拍数を自己申告(コール)することで、全員の努力レベル(心拍数)が、リアルタイムで把握できる様にする。

以上