Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

スイープを正しく漕ぐにはスカルを漕ごう

oyajisculler2010-06-14

昨日のログにも書いたが、ローイングの基本技術の中で、やはり、Finishを正しく押し切るという事が肝要だと実感している。
T大は昔から、脚で強く!キャッチ強く!とは言うが、フィニッシュを確り押し切れということは、二の次で、指導上の優先度が低かった様だ。OB諸氏も、T大の現役クルーと強豪他クラブクルーとの漕ぎの違いを見て分かると思うが、やはり大きな違いは、フィニッシュでチャンとブレード一枚押し切れているかどうかにあると思う。極端な言い方をすれば、T大の指導陣や現役漕手の中にフィニッシュを正しく押し切れる者がいないから、その重要性が理解できていないという事だと思われる。
LBRCでおやじの乗るクルーでは、2年程前からW.Upの中に欧州式両舷フィニッシュ練習を入れ、フィニッシュの正しい押し切りに取組んでいる。おやじの乗るLBRCエイトの練習に毎週参加している者は、概ねフィニッシュを確り押し切る技術を見につけ(或いは理解)つつあるが、継続して参加していない者は、なかなかこれが身につかず、クルー全体として、なかなか良い漕ぎにならない事が現時点の悩み。
現在のLBRCエイトの中で4名(全日本マスターズレガッタの整調フォア)は、この半年以上の間、殆ど休まず当該クルーの乗艇に参加しており、4人で漕ぐと、概ね納得の行くブレードワークが出来るようになってきた。
偶々、6月6日のLBRCエイト練習では、京大戦本番クルーの内、上記4名以外の漕手が参加できず、戸田界隈の他のマスターズクラブから代漕を手配して漕いだ。この結果、平均年齢50歳前後のマスターズクルーとしては良い漕ぎが出来た。 (代漕漕手の方が不参加だった漕手4名より平均年齢は上だったが。。。) この半分代漕の乗る急造クルーの漕ぎが良かった理由は、代漕4名の中にスカルを漕ぐ者が多かったことが挙げられる。スカル漕手はスイープ漕手に比べバランスを崩さない。そして、フィニッシュを確り押せる技術を持った漕手が多いということ。
これに対し、昨日は、前回不参加の4名が参加し、京大戦本番クルーで漕いだ。しかし、バランスが悪くフィニッシュ押し切りが弱いという悪循環で、昨日のログに書いた通り、なかなか艇速が伸びなかった。 前回不参加で昨日参加した4名は何れもスカルを漕がないスイープ専門職で、相対的にバランス感覚に鈍く、また、フィニッシュ押し切りを正しくできない漕手。

スイープを正しく漕ぐにはスカルを漕ごう:

前段が長くなったが、スイープ漕手として正しく効率良く漕ぐには、エイト乗艇だけでなく、スカル種目を漕ぎ、上体をキールセンターをキープしてバランスを崩さない漕ぎの基本を身に着けることが必要だと思う。 また、フィニッシュを正しく押し切るには最後の押し切り、そしてブレード離水時の正しいハンドルワーク(腕の使い方)を身に着ける必要がある。スカルはハンドルを片手で操作する種目であり、嫌でもハンドル操作で腕の使い方を身に付けざるを得ない。そういう意味で、初心者の初期乗艇導入期に用いる種目はスカルが良いと思う。

新人トレーニングにスカルを導入して成果あり:

T大でも昨年から新人トレーニングに最初からスカル種目(4X+)を取り入れている。その成果は今年のT大ジュニアの漕ぎを見れば分かる。この代は、決して体格的に素質に恵まれた選手達ではないが、総じてブレード一枚フィニッシュまで長く平らに押し切る基本が身についている。そう、正しいプログラムで指導すれば、T大の学生でも正しく漕げる訳だ。
翻るが、新人の乗艇練習では、乗艇のW.Upの中に両舷によるフィニッシュワークの技術練習をタップリ入れて、フィニッシュの腕や上体の使い方を確り叩き込んで欲しい。確り押せているかどうかのポイントとして昨日のログで書いた「Finishは踵で押し切る」というSelf Coaching Wordを使うと更に効果が上がると思う。

両舷フィニッシュワーク取組みのポイント:

両舷Finichワーク取り組みのポイントとして以下箇条書きする。

  1. 最初はバタバタで何をやっているか分からない状態でも、やり続けることにより、出来るようになる。(コーチが勝手に諦めない!)
  2. 従来の分漕でやっているような、10本やってお仕舞いのような短い技術練習では身につかない。フィニッシュチャボリから始めてフルレンジ終了まで最低2000mは漕ぐ事が必要。(長ければ長い程良い)
  3. 技術練習は、体や頭がフレッシュな乗艇後直ちに行うべきであり、乗艇の後半にやったのでは効果が半減する。W.Upの定番メニューにフィニッシュワークの技術練習を入れる。
  4. 腕漕ぎや1/4スライドのフィニッシュワークは往々にしてハイレートのパチャパチャ漕ぎになりやすいが、そうではなく、ユックリしたレートで心拍数が上がり過ぎない様にして動きの正確さを追求する。

以上