Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

1X艇でLSD漕:

昨日は職場の上司より客人との懇親会に付き合えとのお誘いあり。東商戦に向け、2日前から体調管理しようと考えていたが、付き合いも大事。会食にお付き合いした。場所は北品川の日本食屋。江戸前のアナゴを刺身やてんぷらで出してくれる粋な店。美味い魚についつい酒が進んでしまった。結局酒の誘惑に負けて、体調管理にはならず。でも2次会は無かったのでヨシとしよう。
ということで、午前の1X乗艇は昨夕の酒抜きを目的とした低レートでのLSD漕。荒川に出そうと思っていたが、今日は生憎、北西の風が強く吹いており、土手越えが危なそう。レガッタ開催がないので、ポンドに出艇した。10時過ぎと少し遅めに出艇したので、週末の割にポンドはそれ程混雑していなかった。でも、風が強いのでポンドの水面はチャプチャプしていて結構漕ぎ難かった。ユックリ漕ぐ事が目的なので、SR19前後で波のある中を出来る限り、バランスをキープする様に心掛けて漕いだ。試用中のSRDの効果もあり、ラフなコンディションの割には気持ちよく漕げた。今日は殆どテクニカルドリルのイメージで漕いだが、偶にはこういう乗艇も良い。2000mコースを4周、16km漕いで揚艇。

SRDの規格艇への取付け試験:

午後は、今日の本題、SRDの規格艇への取付け確認試験。試験会場の埼玉県艇庫(中大艇庫の隣)へ向かう。埼玉県ボート協会(W田さん)の協力を得て、同協会管理の1X規格艇をSRD搭載試験に供して頂いた。今回の試験に参加したのは、下記7名:

  1. 日ボ 医科学委員会:2名(委員長と委員のおやじ本人)
  2. 日ボ 施設委員会:1名(委員のN村さん)
  3. 高体連:1名(理事のI上先生)
  4. シマノ社:1名(K原さん)
  5. 規格艇管理者:1名(埼ボのW田さん)
  6. 規格艇製造業者:1名(D社のY古さん)

まず、全員で事務所に集まり、本日の試験内容のブリーフィング実施。今回、日ボとしての審議すべき点は、日ボ主催の規格艇配艇レース、即ち、高校総体本大会及び国体本大会で、SRDを使用して良いか否かを判断するに足る試験及び確認を行うこと。
日ボとしては、おやじの1X艇にSRDを搭載・試用し、その剛性・強度、更に人体へ与える悪影響などが無いことは、先の中間レポートで報告済み。焦点は、規格艇配艇レースの限られた制限時間(配艇開始からレース発艇まで90分)の中で、ストレッチャーをSRDへ換装可能か否かという事。I上先生の経験では、通常のリギングは30分〜40分程度とのこと。(通常40分以内には完了)そこで、通常ストレッチャーのリギング時間に対して、SRDへの換装及びリギング作業がどの程度余計に時間が掛かるかを計測することにした。
ただ取り付けるだけではリギング調整にはならないので、予め、通常型及びSRDの両者に対して、試験のためのリギング数値を決めた。下記は今回試験に用いたリギング条件:(単にリギング調整様に仮設定した数値)

  1. 通常型:ボード角:42度、Heel Depth:14cm、Pin to Heel:33cm、
  2. SRD:フレーム角度:50度、Virtual Pivot高:0cm、Pin to VP:48cm、

通常型ストレッチャーのリギング作業:

この作業は、配艇レースに何度も立ち会ったことのあるI上先生に実施頂いた。下の写真は作業中のI上先生。

作業内容は通常の見慣れた作業内容。途中、少し手順を間違ったところもあったが、リギング完了に要した時間は7分34秒

SRDへの換装&リギング作業:

この作業は、シマノのK原さんに実施頂いた。作業を開始する前に必要な材料及び工具を先ず準備。用意・始め!で作業開始。下の写真は作業開始時のK原さん。

今回は当該規格艇にピッタリ合う長さのアルミパイプを準備してこなかった為、元ついている通常型ストレッチャーのアルミパイプを外してSRDに流用した。この作業に約10分程度を要した。アルミパイプを仮付したSRDを規格艇のギアレールに仮付し、フレーム角やVP高さを調整してゆく。下の写真は仮組みしたSRDで所定の設定数値に合う様にリギング中のK原さん。

SRDは様々な艇に取付け出来るように締め付けボルト数が多い。ざっと見たところ1シートで20ヶ所。これを6角レンチで締めつけてゆく作業。今回は事前仮組み無しの状態で行ったため、結構時間が掛かった。作業完了に要した時間は21分28秒。通常型のリギング作業に対し14分余計に掛かった。
作業完了後、所定のリギング数値通りに設定出来ているかどうかもチェック。下の写真はSRDのリギング確認時の状況:

Pin to VPを48cm(PTHで36cmに相当)に設定したが、下のギアレールの固定位置を確認したところギアレールの一番スターン側ギリギリの位置になっていた。即ち、これ以上SRDをスターン側にセットするにはギアレールをスターン側にシフトする必要がある。しかし、配艇レースでは艇本体付属品の改造は認められないので、これ以上スターン側へは移動出来ないということ。この辺りは背の大きな選手はSRDを規格艇配艇レースで使用する際の制約条件となりそう。(身長で言えば185cm以上の大型選手)下の写真はSRD取付状態を横から撮影したもの。これ以上スターン側へは動かせない。

事前仮組みのSRDで時間短縮を確認:

一旦、事務所へ戻り、試験の結果に関して打合せを実施。SRDをバラの状態から規格艇へ取付るのは慣れた者でも20分程度掛かり、実際の配艇レースでは上手く行きそうに無いという話をした。これに対し、実際には、事前にアルミパイプを所定の長さに切断したものを準備し、これにSRDを仮組みして準備しておけば、もっと手早くSRDへ換装可能という話が出た。そこで早速、艇庫へ戻り、仮組み状態からのSRDへの換装試験を行った。尚、規格艇は製作誤差による個体差がある事を勘案し、アルミパイプ両端固定具は、通常のエンドキャップタイプでなく、クランプタイプを使った。この方式だとパイプ長はある程度アバウトでも支障なく取付け可能。 下の写真は事前仮組みしたSRDを規格艇に取付け・リギング作業中の状況:

この方式での作業に要した時間は7分55秒。事前にアルミパイプまで準備した仮組みSRDを持参すれば通常型ストレッチャー並みの作業時間でリギング可能であることを確認出来た。

本日の実験結果纏め(SRDの規格艇搭載OK):

再び事務所に戻り、本日の実験結果について話し合った。前述の通り、事前に仮組みしたSRDを準備していれば、SRDの使用により著しくリギング調整時間が余計に掛かる心配はないことを確認。また、SRD使用により、通常型ストレッチャーに比べて艇側に余計な荷重が掛かり、艇の故障など配艇レースに支障を来すという事は無いと言うことで立ち会った全員の同意を得た。この結果をレポートに纏め、日ボ関係者へ報告し、SRDを規格艇配艇レースで使用することに関し、次回理事会に諮ることとした。おって、レポートは本ログで書いた内容を簡潔に纏める予定。
医科学委員長の考えでは今年度の高校総体から使用出来ることになろうとの事。尚、規格艇配艇レースでSRDへの換装を短時間で行うための必要な事前準備や要領に関し、ユーザーへの情報提供サービスを行う様にシマノ社に依頼した。
以上