Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

荒川の霧や浮遊物発生のメカニズム:

今朝は大潮満潮時刻と出艇時刻が重なり、荒川に水面から上がる水蒸気による局地的な霧が発生していた。また、水面に多くのゴミなどの浮遊物が浮いていた。
今後のこともあり、以下、霧発生とゴミ浮遊に関するメカニズムに関して考察する。
(1)荒川の河川敷内に霧が発生するメカニズム。
1週間ほど前に埼玉県南部全体に濃霧が発生した事がある。これは地域的に広範囲で発生する霧であり、ポンドに切り替えたり、荒川の乗艇水路変更では対応できない。
一方で、今朝の様に、笹目橋より上流の河川敷内だけで発生する局地的な霧(水蒸気)に関しては、その発生メカニズムを知る事で、予め、その予測と対策(練習水域の変更・調整)を行う事ができる。以下、笹目橋上流で、水面から立ち上る水蒸気による霧が発生する条件を記す。

  1. 晩秋から冬場にかけ、川の水温が高く(10℃以上)、且つ、気温が低いこと。(今朝は気温4℃)或いは湿度が非常に高い時。
  2. 早朝時に風が殆ど吹かず、水面から上がった水蒸気が川面に滞留しやすい時。(今朝はほぼ無風)
  3. 上げ潮から満潮時刻頃で、笹目橋上流にある下水処理場から流れ出る温かい処理水が上げ潮に押されて、秋が瀬取水堰までの閉鎖水路(距離にして6km程度)に遡上し、この温かい水が水面を覆う時。(今朝の荒川満潮は6:00頃で、正しく我々の乗艇時間帯に合致した)・・・・下げ潮の時には流れが速く、水路が長く広いので、発生した水蒸気(霧)の密度が薄まり、視界を遮るようなものにはならない。

以上、ポイントは、潮時(上げ潮強めの満潮時刻)と風速(無風)、それと気温。これらは、早朝出艇の前夜には全て分かるので、予測と対策が可能となる。
(2)浮遊物の発生のメカニズム
荒川も川なので岸辺のゴミなどは常時洗い流される環境にある。
経験的に浮遊物が多くなるのは、大潮で満潮の潮位が高くなると浮遊物が多くなる傾向にある。これは恐らく、大雨増水時の浮遊物が水位が下がる際に岸辺に付着する。その後乾燥して軽くなった状態で残る。一方、大潮の満潮になって水位が高まる(荒川基準水位で2m以上)と、岸辺のゴミや枯葉・流木が再び水面に浮かびあがり、これが水面に浮遊するというメカニズム。これも風が強ければ、風下の方へ吹き流され、水目が浮遊物で一杯になる様な事にはならないが、風が無いと水面に漂い、我々ボート関係者を悩ませることになる。
以上の通り、荒川の浮遊物の問題も、大潮など高潮位と、風の強さ(無風)の成せる現象となる。即ち、大潮高潮位及びその後などで、風が弱い時には浮遊物が多いと、予測を立てる事ができる。今週末は、大潮満潮時の潮位が高く、且つ、風が弱いので上記の水蒸気(霧)発生と浮遊物が多くなる条件が揃った事が原因。