Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

エイト艇の解体組立講習会:

今年のマスターズレガッタには、LBRCからエイトが4クルー出漕予定。70歳以上の高齢メンバーがエイト2クルーを組んで出漕する。そこで、LBRCからエイトを2艇、荻野に持ち込む事になった。これまでLBRCからはエイトは1艇だけを配艇用に貸し出していたので、おやじ一人で艇の解体・組立の段取りをしていた。しかし、2艇となると、1人では段取りが大変だ。そこで2艇の内、1艇は70歳代の方々に運搬の段取りをして頂くことにした。でも70歳代の方々は、エイト艇の解体や組立の経験が殆ど無い。そこで今日は、70歳代の皆さんを対象として、Sykes製エイト艇:光号の解体・組立の講習会を行った。下の写真はその際に撮影したもの。

ポイントとしては以下の様な内容をおやじが説明し、皆さんに実践演習頂いた。

  1. 艇を馬に置くときの要点:艇を1本の梁と見做して2個の支点でバランスよく荷重が分散する様に#2と#7シートに馬を置く。(Bowと整調シートに馬を置くと船体中央部に大きな曲げモーメントが生じて、船体が垂れて強度的に厳しい状況になる)
  2. リガーを外す際には、リガーボルト穴にマーキングしておく。(どの穴にボルトを通して付けていたかが分かる様にする)
  3. 光号のリガーボルトは、インチ規格とISO規格が混在しているので、11mmと10mmのスパナを準備する。
  4. リガーボルト・ナットの締め付けは出きる限り、ソケットドライバーを使う。(足りなければ、通常のスパナ使用) リガーを外した後のワッシャー・ナットはリガーボルトに取り付け、輸送中に脱落しないように素手で締め付けておく。
  5. 外したリガーのバックステーは、ナットを緩めて畳んでコンパクトにし、サイド事に4脚を紐などで縛って束ねておく。
  6. シートは運搬中に脱落しない様にゴムバンドで固定。(下の写真のシートに掛かった赤い紐がゴムバンド)
  7. 分割部より舳先側に延びたスピーカーケーブルは取り外し、船尾側の船体へ巻きとる。(スピーカーは残置)
  8. 船体分割時には高低各2セット、合計4脚の馬を使用。低い馬2個を分割部の前後に、高い馬を両端のカンバス下に置き、分割後に2つ割れの船体が各々水平に安定して置ける様にする。
  9. 11mm(光号の場合)のソケットドライバー2本を使って、14本ある接合部(フランジ)のボルトナットを緩め・取り外す。この際にナットとワッシャー各14個を無くさないようにすること。
  10. ナット・ワッシャーを接合部から外したら、接合部の前後に各2名が両舷につき、「せいの!」で船体を引っ張り合って、船体を分割する。
  11. 分割部の断面には水密シール用のグリスが塗ってあるので、これを綺麗に拭き取る。遠征先では短時間の利用なのでグリスの水密シールは省略し、そのまま接合する。遠征帰着後、戸田で接合する際に、グリスを使って水密シールする。
  12. 船尾側接合部の断面に残ったボルトにワッシャーとナットを素手で取り付け、無くならないようにしておく。
  13. 現地では、船体分割時の要領に従い馬4脚を使って、前後の船体を水平に置く。接合部のボルトからナットとワッシャーを取り外し、ボルトをむき出しにする。2つの船体のセンターラインを一直線、且つ、ガンネルトップが同一平面を形成するようにしながら、接合部を両サイドから押し合い、ボルトを通す。
  14. ボルトが通ったら、ワッシャー及びナットを取り付ける。ナットを締める際には、先ず14本全体を軽く締め付ける。そして、自動車の車輪を取り付けるのと同じ要領で、対角線上にあるナットを徐々に締め付けて行き、接合部が均一に締め付けられる様にする。締め付けには、ソケットドライバーを使用し、締め付け過ぎない様にする。
  15. リガーを船体に取り付ける。この際に元取り付けてあったマーキングされた穴にリガーボルトを通す。
  16. Cox Boxのスピーカーケーブルを元通りに配線する。

まあ、だいたい、こんなところ。
尚、光号には以下の2種類のバックステーが使用されている。各々のバックステー伸縮方法について説明した。


講習会は13時から開始し、14時45分頃に終了。後は実践を積んで覚えて頂くしかない。
以上

PS:
講習会に参加したS野先輩が、講習会の内容をレポートに纏めてくれた。写真入りで簡潔に纏められている。参考資料として文書ファイルを添付する。
「光」解体・組立講習会(20110212).doc 直