Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

女子シングルスカル

優勝候補としては、日本代表オープン選手の榊原、そして同じく軽量級選手の大石、二人のオリンピアンの戦いになると予想した。

ボートは当然の事ながら、絶対出力の大きい大型選手が有利な競技であり、優勝候補筆頭は身長180cm超の榊原選手有利と予想した。

数日前のブログに記載した内容と同じ事を繰り返すが:
榊原は、この秋から練習拠点を戸田に移し、単独で練習している。恵まれた体格で、正しくオープンクラスの選手。その恵まれた体格をフルに発揮出来れば世界レベルの選手にもなり得る。しかしながら、今年のアジア大会では4位とメダルに届かなかった。
時々、戸田コースや荒川で見かけるが、漕ぎのパフォーマンスは世界で戦うスカラーのレベルに達していない。どうも体幹及び上体の筋力・耐久力が十分鍛えられていない様に見える。時間は掛かると思うが粘り強く鍛えてパフォーマンスを上げて欲しい。
予選レースは、二位以下に大きく差を付けてトップ。全体でもトップタイムで通過。しかし、オープンクラスの日本代表選手であれば、2位以下の軽量級クラスの選手には10秒以上の差を付けたいところ。
それに続くのが大石。本来、軽量級の選手だが、減量しなければオープンクラス並みのパフォーマンスを出せる選手。

さて、決勝レースは、序盤で日体大:坂井がスタートで飛び出したが、大石が追走。この二人が1Qで飛び出した。
榊原はこれに追走する形で追いたいところだったが、スタートで出遅れ、また、300m付近でミスオールをして大きく出遅れてしまった。500m通過時点で大石と榊原はの差は5秒(約2艇身半)あり、もうこの時点で大石の勝ちは決まってしまった。
ラストQこそ、榊原が追い上げて大石との差を詰めていったが、それでもゴール時に4秒弱の差があり、二人の勝負としては大石の完勝。
どこかで二人の競り合いが見られるかと期待していたが、全く勝負にならなかった。
榊原は東京五輪を目指すのであれば、やはり定常的にコーチングを受け、良い漕ぎ、そして良いレース戦術を身につける必要があると考える。

 W.Up中の榊原。フィニッシュの降り角が小さい様に見える。ストレッチャー位置をもう少し手前にしてフィニッシュ角を大きく撮った方が良い様に思う。
 W.Up中の大石。予選、準決勝時に比べて、アップで漕ぎに硬さが見られた。朝少し早めの時間で少し寒かったこと、また、決勝という事で緊張して体が硬かったのかも知れない。
 決勝250m通過。トップは坂井、半艇身差で大石。そして遅れて榊原。榊原はこの後、300m地点付近でミスオールして大きく遅れ、500m通過時の大石とのタイム差は5秒近かった。

男子シングルスカル

次は、男子。
優勝候補としては、日本代表オープン選手の荒川、そして今年の国体で優勝した遠山、そしてそれに次ぐのがU23代表軽量級選手の武田と予想した。
予選の結果は、荒川が7分3秒でトップ。2番手は7分15秒の遠山。3番手は7分16秒の大河原。武田は7分20秒と全体5番手だった。
尚、風向きや風の強さは組毎に若干差があったので、予選のタイムだけで評価するのは難しい。
少し驚いたのは、無名の高校生:青木が全体4位のタイムだったこと。ただ、遠山に負けて2位だったので、青木は敗復廻り。青木はタレント発掘プロジェクトで発掘された選手とのこと。素晴らしい体力の持ち主とのこと。やはりボートは体力だ。

さて、決勝レースだが、荒川が序盤からジリジリと出た。特に1000m以降の後半で一気に後続を引き離し、勝負を決めた。ゴールタイムは、荒川が7:03.95、二位:武田が7:15.41と、11秒以上の差がついた。やはりオープンの日本代表、軽量級選手とはエンジンの出力が違う。
荒川は圧勝したが、この大会で7分切りを達成出来なかった。
水温が20度を切っており、少々、水の粘性抵抗が大きかったとは言え、オープンシングルスカルでオリンピックを狙うのであれば、やはり7分切りを見たかった。

 決勝300m過ぎ。ここで荒川が1Lリード。
 650m地点通過。この辺りから荒川の一人旅。手前:5レーンは国体優勝の遠山。やはり決勝レースの経験が不足している模様。今回は全く勝負が出来ず、メダルに届かなかった。

男子ダブルスカル

3年連続で、アイリスオーヤマ新日鐵住金の勝負。昨年まではアイリスオーヤマが2連勝している。
今年は、予選のタイムで見ると、アイリスが6:42、新日鐵が6:55と10秒以上の差がついていた。
今年の両クルーの編成は:

過去の日本代表経験から見てもアイリスが有利。

決勝では、新日鐵がどこまで戦うかというところが見所と考えた。
しかし、結果は、スタートからアイリスがドンドンリードし、500m通過時には1L近い差がついた。

アイリスは、整調:西村の漕ぎが素晴らしく、大きな漕ぎでグングン艇足を上げた。
一方の新日鐵は、二人の漕ぎが全くあっておらず、ギクシャクしている上に、レンジが短く、1000mを過ぎると一気に水が空いて勝負が決まった。
結果は、アイリスが、6:38.68、新日鐵が6:45.80。差は7秒。3艇身以上の差がついた。
新日鐵は、奈良を整調にした昨年のシート配置の方が良かった様だ。

 W.Up中のアイリスクルー。整調の西村はこの1年で漕ぎが抜群に上手くなった。
 スタートし、150m付近。早くもアイリスが新日鉄よりリード。
 1100m付近。アイリスが1000m過ぎに脚蹴り10本?を入れて2位:新日鉄を引き離した。
 1750m付近を通過するアイリス。後半は大きく差が開いた。
 ゴール後、インタビューを受けるアイリスクルー。
 W1Xで優勝した大石も入っアイリス3名で優勝記念写真。アイリスは出漕した2種目で優勝。さすが阿部監督、強い!

男子舵手無しペア

男子舵手なしペア、長崎のチョープロが優勝。
長崎に縁のある繋がりで応援させて頂いた。
やはり、自分が応援するクルーが優勝すると嬉しい。

長崎県のクルーが全日本選手権の決勝に進出、しかも優勝するのは今回が初めてとのこと。北野監督、おめでとう。

今回優勝した2人は、今春、仙台大学を卒業してチョープロに入社した選手。
企業チームは選手獲得が重要な要素だ。

 2位に大きく水を明けてゴールするチョープロ。
 表彰式。中央の水色のウェアがチョープロ。このクルーは小柄な整調と大柄なバウの編成。通常、ペアは整調が大きく、バウは相対的に小柄な漕手の編成となるが、このクルーは特殊な編成。
 北野監督を挟んで記念写真。おめでとう。

男子エイト

結果は、大方の予想通り、NTTが優勝して3連覇を達成した。
しかし、2位:東レトヨタ紡織との、2位争いでグングン差を詰め、艇差は2.4秒と水が空かなかった。
今年の結果から見るに、東レトヨタ紡織が自力を付けている一方、NTTは然程艇足が伸びておらず、来年は混戦になりそうな感あり。
まあ、NTTは荒川がエイトに乗らずにシングルで出たという戦力ダウンが大きいのかも知れない。

来年、NTTが二度目の全日本4連覇を達成するか、或いは他のチームが連覇を阻むか、今年より接戦となることは確かだろう。

 エイト決勝。1850m付近。1位:NTTと、2位争いの3艇:東レ・中大・トヨタ紡織

以上