Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

フィニッシュ:正しいハンドポジション

oyajisculler2006-06-10

今日はT大新人のエルゴ講習会が開催された。おやじは臨時コーチの一人としてこの講習会に参加した。2名1組となり、各々3,4分程度の実技指導とその後のエルゴ20分漕を各々行う形で実施した。1組約1時間、これを3組実施した。3時間以上掛かる大変な作業だった。
おやじの指導したポイントは下記3点。

  1. ハンドルを水平に長く引く
  2. ハンドルにぶら下がり、自分の体重を使って漕ぐ
  3. スムーズに動く

フィニッシュでの引き切りの高さ:

この中で、1番目のハンドルを長く引くためには、ハンドルを引く高さを高めにする必要がある。引き切りの高さが腹の真ん中や腹の下の方だとフィニッシュのレンジが切れてしまう。また、低い引き切りは、実際の乗艇ではフィニッシュでブレードが浮くことになり、宜しくない。ということで、ブレード一枚をキープし得るフィニッシュの引き切りの高さはミゾオチの上辺りとなる。(結構高い位置だ)この引き切り位置をベースに、ハンドルを水平に引く様に指導すべきである。新人には、この辺りを良く指導しないと、往々にして引き切りの高さを下げてしまう傾向がある。これが癖になると、後々、フィニッシュでブレード一枚をキープ出来ず、ペロロンとフィニッシュがwash upするヘナチョコ漕ぎとなり、修正するのに四苦八苦することになる。(大抵の場合は直らないことが多い)

ミゾオチ上に引き切るための姿勢:

ミゾオチの上を引き切りポジションとした場合、最も強くハンドルにぶら下がれる姿勢は右上の挿絵の通りとなる。即ち、

  1. ハンドルの高さはミゾオチ上。
  2. これにぶら下がる手の甲は水平。
  3. 背筋の力を有効に使うために脇はなるべく締める必要がある。
  4. 結果として、肘は自然に下向きに下がる形となり、位置関係上、手首は曲がることになる。

世界選手権のビデオなどを見れば分かるが、世界の超一流漕手のフィニッシュに於ける姿勢は脇を軽く締めて、ハンドポジション高く保った上記の姿勢となっている選手が多い。
試しにハンドルをミゾオチ上の高さとし、ハンドルに最も強くぶら下がれる姿勢を試して見るとよい。脇が空くと背筋の力が上手く使えず、確り強くぶら下がれないことが分かる筈だ。手首が曲がっているのがおかしいと見る新米トレーナーもいたが、実際この高さで引ききる場合、この姿勢が一番強いと考える。

新人は癖がないので自然にこのフィニッシュ姿勢が出来る:

未だ漕ぎこんだことのない新人であり、上記のフィニッシュ姿勢を指南すると、いとも簡単に理想的なフィニッシュ姿勢で漕いでくれた。言ってみれば、このハンドル高さで引ききろうとした時に、人間の骨格上、これが自然な姿勢であると言うことだろう。エルゴの20分漕でも途中で大きく漕ぎが乱れることもなく、このフィニッシュ姿勢でスムーズに漕ぎきってくれた。
新人コーチや新人トレーナー諸君は、新人に妙な癖が付く前に、上記の基本のフィニッシュ姿勢を擦り込んで欲しい。1年後には確りとフィニッシュまでブレード一枚をキープして力強く艇を加速するジュニア選手を見たいものだ。