Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

H大のSykes新艇(Mould-27B)を見学:

おやじの友人YNさんがコーチをしているH大、今年エイトの新艇を購入した。船型はSykesのMould-27B。(本船型の詳細はhttp://www.sykes.com.au/products/BOATS/_Eight_sizes.aspを参照されたい)

おやじと同じ時間帯にH大の対校エイトが出艇していたので、この艇の概観はチェックした。揚艇後にH大艇庫で、この艇を見学させて貰った。上の写真はその際に撮影したもの。
話は変わるが、LBRCトップクルーは1993年に購入したSykesのMould-3(昔の東独が開発した船型)を使っている。Mould-3は船体中央部の幅が広く船底がフラットな艇で安定性が良いのが特徴。濡れ面積を小さくするために長さを短めにしているので、舳先や船尾のカンバス部が短い。特に船尾側のカンバスが短くCOX席は非常に幅が狭い。お尻が太った中年COXが座ると尻が圧迫されて悲劇的に窮屈という。この為、LBRCのCOXは座席の上にサンダルを置いて座る位置を高くして何とか急場をしのいでいる。
さてH大が購入したSykes Mould-27Bは、上記Mould-3の問題点を改善する為、船尾のカンバス部を40cm程度長くしてCOX席の幅を少し大きくしている。同時に船尾の流れを改善する狙いもある様だ。
さて、H大の新艇を見たところ、下記の様な興味深い工夫をしていた。

  1. 新型クラッチMK1:初期状態で搭載さえていた通常のC2製クラッチを外し、豪州MagikRowing製のMK1クラッチhttp://www.rowingcenter.com/Japanese/parts/crutct.htmlが取り付けられていた。このクラッチの使い心地をH大漕手に聞いたところ、「無負荷の状態でも遊びが無いので、スタート時に威力を発揮する」とのこと。成る程、スタート1本目の時は無負荷なので、通常のC2クラッチではオールのスリーブとクラッチ面の間に遊びがあり、この遊び分だけ、1本目の有効レンジをロスしている。MK1は1本目からロスが無いということだ。しかしエイトの様に安定性の良い艇で両手でハンドルをコントロールするSweepオールを漕ぐ場合は、上手い漕手が正しく漕げば2本目移行、特にコンスタントに入ったら、キャッチ前にオールとクラッチの遊びは無くすことが出来るので、それ程ありがたいとも思えない。MK1は一言で言えば、未熟な漕手でも上手く漕げる便利道具の様だ。ケチを付ける様で申し訳ないが、MK1には欠点もある様に思う。即ち、①値段が高すぎること。(1個3600円:C2クラッチの2倍以上)②構成部品数が多いので確りメンテしないと、いざと言うときに故障する可能性もある。③オールをクラッチ面に押し付けるベロの圧力でフェザーやスクウェアリング操作が少しやり難くなるかもしれない。(おやじは推進力に寄与しない無駄な力を使うのは大嫌い)おやじの様なベテラン漕手がSweepオールを漕ぐのであれば、余り必要性はなさそうだ。一方で片手でハンドルを操作するスカル種目、特に不安定さが付きまとう1X艇の場合は、スタート時にクラッチの中でオールがフラ付き易く、これが安定するMK1の効果が大きいと思う。MK1はスカル種目にとっては画期的な新製品かも知れない
  2. シート毎に靴の銘柄が異なる:新艇なので最初についていたローイングシューズは1つの銘柄(Adidas製)に統一されていた筈。しかし今日見た時にはAdidas製、J2オリジナル製、Martinoli製と3種類の靴が取り付けられていた。おやじが「何で銘柄がバラバラなの?」と質問すると、「最初についていた靴(Adidas)は幅が狭く履き心地が悪いので漕手の足のサイズに応じて、それぞれの漕手が履き心地の良い靴に付け直した」とのこと。さすがフィットネスコーチYNさんの指導するクルーだ。足にフィットしない靴では漕手持ち前の力を発揮できないので、足元から改善しているということだろう。おやじも人一倍足の幅が広い(EEEE)ので、幅が狭いAdidas製の靴では30分も漕ぐと足が痺れてしまう。従って、Adidas製のローイングシューズは大嫌い。この点、Martinoli製の靴は幅が広めでしかもソフトな履き心地で大変気に入っている。LBRCで整備した艇は全てMartinoli製の靴に交換している。(下の写真はLBRCで使用している1X艇にMartinoli製の靴を付け直したもの)

以上