Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

タイムトライアルに向けての準備:

おやじの母校T大のスカラーはスピードコーチのインペラー(速度検知用ペラの付いた小さなフィン)を付けたままトライアルに出漕している者が多かった。普段から付けているものを何も考えずに付けたままで出たのであろう。しかし、ボートが水の抵抗と格闘する競技であるという事を全く理解していない様であり、何とも情けない。文系の人間ならともかく、理系の人間がいながら、何も考えていない。そもそも:

  1. ボートはタイムを競う競技であり、漕力・技術以外の道具の部分においては競漕規則に抵触しない限り、抵抗を最小限に止める様に日頃から艇を整備しておかねばならない。
  2. 上記の意味で、①船体の水下の表面は抵抗がミニマムとなる様に日頃から汚れが堆積しない様に洗ったり拭いたりする。また、傷が付けば修理しなければならない。②レールやシートのコロについてもガタ付きが無い様にチェック・整備し、要すれば交換する。③漕手とのインターフェースである。ストレッチャー(靴)やオールのハンドルも日々チェックして消耗が著しければ交換する。
  3. 何故、推進抵抗が小さい船型を選び、船体に傷がなく美しいスキンのボートをレース艇として高い金を払って買うのだろうか?それは良いタイムを出すためである。ならば、この抵抗の少ないレース艇にスピードコーチのインペラー付きフィンをガムテープでベタベタに貼り付けて水抵抗を増大させることが、如何に馬鹿げた行為であるか少し考えれば分かる筈だ。(おやじの感触ではこのガムテープで貼り付けたフィンは6000mTTで少なくとも2〜3艇身分の抵抗増加はあると思う。計算すれば定量化可能だが意味が無いので計算しない。)
  4. このスピードコーチは普段の練習が流れのある水域で練習するクルーが距離や艇速を把握する為に使う道具であり、静水でしかも100mピッチでマイルストーンのある戸田コースでは不要な道具である。(スピードコーチの精度はそれ程高くはないと推察する、恐らく500mのペースで2〜3秒の誤差はあると思う。)
  5. 上記の様なことは、一流漕手にとっては常識であり、このタイムトライアル上位者や全日本選手権の決勝にインペラーをつけたままレースに出るクルーはいない。
  6. 1X艇では、艇速や水中の負荷に関しては、スピードコーチの指標に頼るのではなく、ブレードや艇の動きをあたかも自分の体の一部の様に感じるべし。これが感じられる様になるために1Xに乗っているのであり、感じられる様になれば、自ずと艇速・漕力共に相乗効果で伸びる。