Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

講習会の主旨:

主旨は、艇やオールという道具を使うボート競技の基本として、艇の整備方法とリギング調整方法を習得して貰おうというもの。例えば、LBRCでは漕艇部現役が殆ど使わなくなった老朽艇を借りて、漕手と艇のインターフェース部分である靴、シート、レール、オールのハンドル等を新品パーツと交換して使用している。これらのパーツを新替えし、リギングを適正に設定すると、老朽艇とは思えない程気持ち良く乗艇することが出来る。逆に新しい艇でもリギング設定が不適当だったり、ストレッチャーやリガー等の大きな力がかかる部分にガタツキがある等整備不良だと、漕手は100%力を発揮することが出来ない。

オールのリギング:

今回はC2のBig Bladeオールのリギング計測・調整を行う。計測項目は以下の通り。

  1. 全長計測(今回は木製ハンドルの為、長さ調整はしない)
  2. インボード長計測及び調整
  3. ブレードピッチ計測(Big Bladeの計測要領はC2サイト参照http://www.concept2.com/05/rower/service/pdf/pitchmacon_bb0102.pdf

今回はBig Bladeだが、メーカーやブレードタイプによって、ピッチの計測要領がことなるので、それぞれの要領に従って計測する必要がある。
C2 Smoothie(Vortex Edge付きも含む):http://www.concept2.com/05/rower/service/pdf/pitchSMOO_FAT0705.pdf
Croker:http://www.crokeroars.com/technical.htm
今年のインカレ時にStarline Sports社がC2のメンテ用ブースを設置ちていたが、ここでPitch Checkhttp://www.concept2.com/05/rower/service/pdf/oar_jig0805a.pdfという優れものを使っていた。最新の道具とのことで日本では未だ販売されていない模様。構造的には大したものではないので、その内、自作してみようかと考えている。

艇のリギングと状況チェック:

艇については、下記項目のリギング計測・調整と同時に、ストレッチャーやシート・レール等の消耗品パーツにいて、現状の消耗度をチェックする。

  1. リガースプレッド:84.0 84.5 cmに設定する。(
  2. ワークハイト:Bowペア16.5cm, ミドルフォア17.0cm, 整調ペア17.5cmに設定する。
  3. クラッチ軸の前傾角(0度)、外傾角(0〜2度)に設定する。
  4. クラッチブッシュ角:前述のオールピッチとの合計で5 4度となる様に設定する。(ブッシュ穴が磨り減ってガタツキがあったら交換する)
  5. ストレッチャーボード角:42度に設定する。(一般的な角度は39〜45度)
  6. 踵高さ(Heel Depth):15cmに設定する。(一般的には14cm〜17cm程度)
  7. Pin to Heelのマーキング:28cm〜38cmの間を2cmピッチで油性ペンでマーキング
  8. 各種消耗品パーツの消耗度及び異常の有無をチェックする。:バックステー、靴、レール、シートのコロ及びシャシー
  9. その他艇全体を見渡した上で、問題点の有無

尚、上記だけでも結構時間が掛かるので、今回はこのリギング調整と各部の消耗度チェックに止め、消耗品の交換作業については次回の講習会で行うこととする。
以上