全日本初日に出漕した東大クルーは全て予選で負け、敗者復活戦まわりとなった。
アップから見ていて気になったのは、東大クルーのW.Upの手際の悪さ。
何れのレースも、アップを見て”これでは勝てない!”と思ったほど酷い。
何が悪く、何を改善すべきかを以下に述べる。
1)レースが来た際に回漕レーンで止まって待機するが、レースが過ぎ去り、再び漕ぎ出す際の判断、指示に時間が掛かり、後方から来る全てのクルーに抜かれ、結局、大きな時間のロスを招いている。特に付きフォア:木鶏クルーが酷かった。W.Upは先に出る事が肝要。アップからレースは始まっている。
2)アップでノーワークやライトワークを延々と漕いでいる。アップの時間は限られている。ノーワークやライトワークを延々と漕ぐ時間などない。ライトワークでは心拍数があがらず、アップにならない。パドルアップの間の繋ぎや、発艇直前の心拍数を保つには、SR20〜24程度のレートでUT(昔で言えばライトパドル)を漕ぐべきだ。
3)レースペースの漕ぎを確認していない。レースペースは、レース中盤の有酸素運動での漕ぎ。パドル10本や15本の短い本数では、無酸素運動での漕ぎに留まり、有酸素運動には至らない。やはり30本程度は続けて漕がないと有酸素運動の漕ぎに至らない。また、アップ中に有酸素運動を立ち上げておかないと実際のレース本番で初めて有酸素運動発動となり、レベルの高い有酸素運動出力が発揮できない。
時間に余裕があれば、パドル30本 x 2発程度はアップでやっておくべきだ。
4)折り返しの転回で、荒川で秋が瀬折り返しの際の転回と同じようなユックリした動きで回しているが、回している間に他の艇に先を越されてしまう。レースのアップでは、転回やレーン変更の際には、普段の倍の素早さで機敏に動こう。
5)全てをコックス任せにして、漕手は何も考えていない。特にトップコックス艇は前しか見る事が出来ない。展開の際や、アップのメニューなどをコックス任せにするのではなく、クルーキャプテンの漕手がコックスに対して指示を出すことも肝要。
上記のアップの組み立ての不具合は、直ぐに改善できる。二日目のレースから直ちに改善しよう。
以上