Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

おやじのメール,その1:

学生トレーナーがポンドのコンディションについて、順流とか逆流という言葉を使っている事が気になります。当然の事ながら、戸田コースは閉鎖された池であり、川の様な流れはありません。(偶に、夜間に戸田公園事務所の管理者が、水位調整のために水門(NTT艇庫前)を空けて、排水作業することはある) 
戸田コースには流れは無く、影響があるのは順風、逆風による空気抵抗増減の影響です。(水面の波や横風の影響は、一旦話の外においておきましょう。 また、詳細にいえば、風の影響で水面付近の水が僅かに流される事はありますが、せいぜい毎秒3,4cm程度であり、流れと言う程ではない) 従い、学生が順風、逆風の事を順流、逆流といっているのであれば、間違った言葉使いです。 今後は、ポンドのコンディションに関して順流、逆流という言葉は混乱の元ですので使わないでください。
また、漕艇部内で時折耳にする「逆流は重い、順流は軽い」の言葉使いも間違いです。正しくは流れ影響ではなく風影響の「逆風は重く、順風は軽い」です。
基本的にボートは対水速度を競う競技です。川などの流れがある水域で漕ぐ場合でも、ボートの対水速度や、水中のオールの負荷は、順流・逆流に関わらず、流れの無い静水で漕ぐ場合と変わりません。(竿で川底を押して進む舟は、逆流で重く、順流では軽くなるが、ボートはオールで水を押して進む原理なので流れは関係ない)
また、SpeedCoachは船底に取り付けたインペラーの回転速度で対水速度や対水距離を計測するものであり、これまた、川の流れの影響は受けません。従い、荒川でSpeedCoachを使って2000mTTを行う場合、順流でやっても逆流でやってもどちらでも問題ないという事です。(荒川は、流速は遅いが、大潮の上げ潮時以外は上流から下流に向けて流れている) 例えば、東風が吹いているときに、荒川の戸田橋〜笹目橋間で2000mTTを順風で行いたければ、戸田橋から笹目橋方向(西方向)へ向けて行えばよいという事です。
参考ながら、「逆流は重い」というのは間違いであるという点に関し、私のブログで解説したものがあります。(下記URLのサイト)
http://d.hatena.ne.jp/oyajisculler/20110905#p2