この艇は数年前に購入した中国製の２X艇。破損に到る状況を聞いていないので、想像するしかないが、破損したデッキを見るに、ローイングで最も大きな力の加わるストレッチャー取付部にしては強度が不足していたことが原因であると思われる。
- ストレッチャーを固定するためにデッキ上にギザギザの着いたプラスチック製のレールが取り付けられているが、これ自身は艇の前後方向の力を受け止める強度しかなく、ストレッチャーから伝わる上下方向の力・圧力は全てデッキ面が受け止めることになる。
- 一方、このデッキは暑さ5mm程度のハニカムサンドイッチFRP構造のボードであり、とてもではないが、ストレッチャーの上下方向の圧力に耐えられる強度は無く、圧力に負けて、ハニカムが潰れてしまい、厚みの無い状態となって、デッキが破損したもの。
- せめて、ギザギザレールの下に木製の板を挟むとか、当該部のハニカム部はパテで目止めして潰れない様にする等の対策が必要であった筈である。
- この辺りは、ボートメーカーとして経験の少ない中国メーカーでは分からなかったのかも知れない。
